川上未映子さんの「こんなときには、これを読むのよ!」 Vol.3

川上未映子さんの「こんなときには、これを読むのよ!」 Vol.3

第8回 気になる“あの人”のインタビュー
芥川賞や中原中也賞など数々の賞を受賞した川上未映子さんが、独特な世界観のテーマで「こんなときに読みたい本」を推薦します!どんなテーマで、どんな本が登場するのか、新たな本との出会いをお楽しみください!



≪今回のおススメPOINT!≫

音楽はすごく好きだけど、最近あんまり聴けてない。そういえば音楽って言葉じゃどんなふうに鳴るんだっけ? 音楽を目で聞きたい味わいたいってなときに読みたい本!

 

音楽が印象的な物語は数えきれないほどあるけれど、まるで自分もそこにいてその音楽を聴いたことがあったんじゃないかなーっていうような、「体感が残る」読書が、ときどきあります。

『ならずものがやってくる』は、少しずつ関係している人物ひとりひとりを中心にした連載短編集。みんな過去現在、音楽と何かしらかかわりを持って、それぞれに満身創痍の人生を生きている。とくにわたしが好きだったのは、バンドをやってる少年少女が出てくる章。目のまわりを黒く縁取った女の子たち、パンクミュージックをやってなんとか世に出ようとしてるんだけど、なかなかうまくいかないよね。性とかあるしさ。大人は厭なものだしさ。でも時間は待ってくれないしさ。ライブシーンは、彼らが鳴らしてる音楽と喧騒のなかに立ち尽くしてるような気持ちになった。十代の少女として。

ならずものがやってくる

ならずものがやってくる

ジェニファー・イーガン(著)
出版社:早川書房

ノルウェイの森

ノルウェイの森

村上春樹
出版社:講談社

六本指のゴルトベルク

六本指のゴルトベルク

青柳いづみこ(著)
出版社:新潮社
 


プロフィール

川上未映子
川上未映子
1976年、大阪府生まれ。
2007年、デビュー小説『わたくし率 イン 歯ー、または世界』(講談社)が芥川龍之介賞候補に。早稲田大学坪内逍遥大賞奨励賞受賞。
2008年、小説『乳と卵』(文藝春秋)で第138回芥川賞を受賞。
2009年、詩集『先端で、さすわ さされるわ そらええわ』(青土社)で中原中也賞受賞。
小説『ヘヴン』(講談社)で芸術選奨文部科学大臣新人賞、紫式部文学賞受賞。初出演の映画『パンドラの匣』でキネマ旬報新人女優賞を受賞。
著書に『そら頭はでかいです、世界がすこんと入ります』(講談社)、『ぜんぶの後に残るもの』(新潮社)、『すべて真夜中の恋人たち』(講談社)など。
1976年、大阪府生まれ。
2007年、デビュー小説『わたくし率 イン 歯ー、または世界』(講談社)が芥川龍之介賞候補に。早稲田大学坪内逍遥大賞奨励賞受賞。
2008年、小説『乳と卵』(文藝春秋)で第138回芥川賞を受賞。
2009年、詩集『先端で、さすわ さされるわ そらええわ』(青土社)で中原中也賞受賞。
小説『ヘヴン』(講談社)で芸術選奨文部科学大臣新人賞、紫式部文学賞受賞。初出演の映画『パンドラの匣』でキネマ旬報新人女優賞を受賞。
著書に『そら頭はでかいです、世界がすこんと入ります』(講談社)、『ぜんぶの後に残るもの』(新潮社)、『すべて真夜中の恋人たち』(講談社)など。

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