こうなってくると、下手にむね肉を買って調理するよりも、人気のサラダチキンを買ってしまったほうが安いのでは? という疑問が浮かんできます。実際に鶏むね肉を自分で買って調理するのと、食材としてサラダチキンを買うのとどちらがお得なのか調べてみました。

●国産鶏むね肉でもかなりのばらつき
実際にいくつかの店頭で鶏むね肉の価格を調べてみると、国産のもので100グラムあたり84円〜130円と、ブランドやお店によってかなりのばらつきがありましたが、100グラム130円ともなるとなかなかのお値段。実際ここ数年で鶏むね肉は鶏もも肉との価格差が縮まり、圧倒的に安価な鶏肉というわけではなくなっているようです。
一方でブラジル産など、海外輸入の解凍品であれば、業務用スーパーなどで、100グラムあたり39円という値段もありました。地球の裏側から運ばれてくる肉が、国産の半額以下というのはなんとも不思議な気もしますが、この価格帯はかなり魅力的なものではないでしょうか。
●コンビニのサラダチキンも実質値上げしていた?
あまり価格変動のイメージがないコンビニの商品。もともと値引き販売をしていないため、当然のような気もしますが、サラダチキンは発売当初から比べると、原料の値上げが影響したと思われる、内容量の減少が起きています。
サラダチキンの元祖、セブン-イレブンのサラダチキンは、発売当初125グラムで198円という価格設定でしたが、現在では115グラムで値段はそのままとなっています。このため、100グラムあたりでは、発売当初は158円だったものが、現在は172円と、かなりの値上がりがされていることになります。
結局サラダチキンと鶏むね肉、どちらを買ったほうが安いのかという観点では、100グラムあたり172円のサラダチキンは、国産のブランド鶏の100グラム130円にもかなり差があり、調理のコストを考えてほぼ同じくらい、安めの鶏肉や輸入品を選べば、確実に鶏むね肉を買ったほうが安いという結論と言えます。
また、今後も鶏肉の値段が上がれば、サラダチキンも値上がりや内容量の減少が起こることは容易に予想できるため、鶏むね肉を買うよりサラダチキンを買ったほうがお得! という日が来ることはなさそうです。
(文・姉崎マリオ)