
質問の仕方を変えてみる
場合によっては、子どもへの質問の仕方によって、子どもが話す必要がなくなっている可能性もあるようです。
たとえば、子どもに飲み物を飲ませようと思った時。「お茶いる?」「お水は?」という聞き方をするママは多いものですよね。しかしそれでは、お茶や水が欲しいならうなずけば伝わるし、そうでないなら首を横に振れば伝わります。
それを踏まえ、「イエス・ノー」で答えられる聞き方をしないようにすることで、子どもが話すきっかけになるというのがひとつ目の対処法。
先ほどの例と同じように飲み物が必要かどうかを聞く場合にも、「お茶とジュースどっちがいい?」「何を飲みたい?」「リンゴとブドウどっちにする?」といった聞き方をすることで、「ジュース」や「リンゴ」のような単語で答える必要が出てくるため、言葉を発するきっかけになるのだとか。
一番下の子にも発言の機会を与える
きょうだいがいる場合、一番下の子は話さなくても不便がないことが多いですよね。それはつまり、自分が何も言わなくても、お兄ちゃんやお姉ちゃんが答えてくれるので、わざわざ自分が答える必要がなくなっているということです。
個別にではなく子どもたち全員に向けて何かを聞こうとする時、ママとしても、より言葉を理解してくれて、自分の意思を伝えることが出来る“上の子”を中心に言葉を投げかけがちですよね。実際、特に意識せずにそうしていると思います。
時間は余計にかかってしまうかもしれませんが、「子どもたち全員の意見をそれぞれ聞く」、「発言する機会が少ない子どもに話を振る」など工夫すれば、話すようになってくれるというママの意見はチラホラ見受けられました。
ママの中にある「子どもの成長のハードル」を下げる
「言葉」については、子どもの性格や成長速度が異なり、「何歳までに○○が出来る」といった情報はあくまでも“目安”に過ぎません。
また、「話す」「会話する」というのは、「自分から言葉を発すること」だけに注目が集まりがちですが、「他人の言葉をきちんと聞き、理解すること」も大切です。
そのため、「言葉を発する回数は少ないけれど、他人の話を聞けているから大丈夫」と、ママが考える子どもの成長のハードルを下げて、割り切ることも重要との意見も散見されました。
「言葉」だけでなく子どもの成長に関することって、「まわりの子たちは出来ているのに…」とつい比較してしまうもの。しかし、子どもにも“自分のペース”があり、それがお友だちと同じとは限りません。
もちろん、しかるべきところに相談するというのもひとつの方法ではありますが、まずは自分で出来ることから試してみてもいいのかもしれません。
(文・三軒茶屋すみ子/考務店)