故チャドウィック・ボーズマンが、『21 ブリッジズ』でのシエナ・ミラーの出演料を自己負担していたという。先月がんのため他界した『ブラックパンサー』で知られるチャドウィックは、自らプロデューサーも務めた『21 ブリッジズ』でシエナに出演してもらうため、自分のギャラの一部を献上してシエナの出演料を補填していたそうだ。
前パートナーであったトム・スターリッジとの間に8歳になる娘のマーロウちゃんがいるシエナは、依頼を受けた当時、とても疲れていたため、出演を躊躇したのだそうだが、チャドウィックとの共演にはとても前向きだったという。エンパイア誌にシエナは次の様に語った。「彼は『21ブリッジズ』でプロデューサーもしていて、私を出演させるのにとても熱心だったの」「私の仕事ぶり気に入ってくれていたの。すごく感激したわ。だって、私の方が10倍彼を尊敬してたから」「彼がこの映画の話を持ってきてくれた時、私はもう仕事したくないと思っていた時期だった。ノンストップで働いてきてとても疲れていたから。でも彼とは一緒に仕事をしたかった」
タイミングが悪かったというその映画のオファーに対し、シエナが提示した出演料は、当初は製作上層部達から割に合わないと断られたそうだが、チャドウィックが彼女に相応だと思う金額に補填する事となったそうだ。「この事を言ってよいのかどうか、分からなかったし、まだ言っていない。でも言うわ。だってこれは彼がどんな人だったかという証だから」「これはかなり大きな予算の映画で、ハリウッドのギャラの不平等は皆が知っている事だけど、製作側が出せないような額を請求したの」「だって、やるかどうか迷っていたし、娘の学校始まったところで都合が良くなかったから、『もしそれが報われる価値のある額であればやります』と言ったの」「結果として、チャドウィックが私の要求した額までの不足分を彼のギャラから出してくれることになったの。私に値する額だと言ってくれた」
シエナは、この共演者のやさしさと敬意に仰天したというが、この業界の男性への教訓になったと思うと語った。「こんな事は経験したことがないし、こんな事はめったに起こらない。でも彼は『君の価値に見合った金額のギャラだ』と言ってくれたの」「あの世界でであんな風に敬意を払ってくれる人がいるなんて信じられない。その後、この話を知り合いの男性俳優達にしたのだけど、みんな黙ってしまって、多分家で暫くこの事について考えさせられたと思う」「彼には目立とうとした態度は一切なく、ただ『もちろん、君にはその金額を支払うよ。だってそれが本来支払われるべき額だから』という姿勢だった」
配信: Bang Showbiz