【後編】鳥羽シェフが目指すものとは?
代々木上原の人気フレンチレストラン「sio(シオ)」のオーナーシェフ・鳥羽周作さん。圧倒的な行動力と発信力によって、飲食業界をリードするカリスマ的な存在です。人呼んで、“料理界の海賊”。
前編では、コロナ渦におこなったSNSでのレシピ公開「#おうちでsio」や、9月28日に発売されたレシピ本「やさしいレシピのおすそわけ #おうちでsio」に込められた想いを中心にうかがいました。
この後編では、そんな鳥羽シェフの原動力や料理人として目指すものについて伺います!▼前編をおさらい
レシピ本で愛を届ける。sio鳥羽シェフが「#おうちでsio」に込めた想い
「#おうちでsio」は、お客さんのことを考え続けた結果でしかない
−SNSでの大反響に加え、レシピ本も人気。なぜ、ここまで受け入れられているんでしょう?
鳥羽シェフ(以下、鳥羽):僕は単純に“飲食店のあり方”の答えはお客さんしか持っていないと考えています。商売の原則は、お客さんが喜ぶものを想像し、それを提供するということ。その想像力の先にしか、答えはありません。
今回で言うなら、外出自粛でみんなが料理しなければならない状況になった。そこでどういう料理が求められているか、というのが「問い」ですよね。
誰にでも伝わる・再現性が高い・10分ぐらいでできる。なおかつ、家にあるものや、すぐ手に入るものを使う必要もあった。それらを満たしたものだけを、Twitterで出していきました。
って口で言うのは簡単なんですけど、それを形にするのは非常にむずかしくて、相当考え抜きましたね。
でも僕らはそのとき、本当にピュアに「喜ばれるものを提供したい」ということだけを考えてやり続けられた。だからこそ、多くの人に応援していただけたのだと思っています。
−フレンチのシェフが、コンビニ飯のアレンジレシピを提案する、というのも衝撃的でした。
鳥羽:僕たち料理人も、コンビニで売っているものにひと手間加えて楽しむということを意外とやっています。結構おいしいものができることも体感しているんですよ。
▲コンビニ食材のアレンジレシピを解説したTwitter投稿
「そういう料理もおいしいよ」というメッセージを出すのは、新しいチャレンジだったかもしれないですけど、意外と世の中に求められていたんでしょうね。ふざけているように見えて、めっちゃ真面目にやっているんで(笑)
フレンチのシェフが、こういうものをガチで作っているという姿勢も新鮮だったのでしょう。僕はマクドナルドも好きだし、ロイヤルホストには毎週行くし、すごく尊敬しているんです。
配信: macaroni