≪今回のおススメPOINT!≫
並んだタイトルを眺めるだけでもう、こみあげる何かがある。匂い立つ色がみえる。
ここに流れているのは、もしかしたら性のない時間、子どもの時間なのかもしれないなあ。もちろん大島弓子の描く人物たちには恋愛に胸を悩ます思春期まっさかりの少年少女がたくさんいるし、武田百合子さんだって大人だし、『たけくらべ』の美登利だってそれとは気づかなくても恋をする。
けれども、みんなやっぱり、性がないのだ。人間をその人生でずいぶん長いあいだ苦しめたり、ときには至福のあれこれをくれたりする性というものに支配されるまえの世界の彼らは住人たちで、そこではみんなが「未性」を生きているのだと思う。
大人になった今ではもう失ってしまったものばかりが、いま生まれたばかりのような輝きと生命力でもって、ときに静かに、ときに弾みながら息づいてる。ページをひらいて、そこにある絵や言葉を胸にうつせば、いつだってその感覚を生き直すことができるんだって思わせてくれます。
プロフィール

川上未映子
1976年、大阪府生まれ。
2007年、デビュー小説『わたくし率 イン 歯ー、または世界』(講談社)が芥川龍之介賞候補に。早稲田大学坪内逍遥大賞奨励賞受賞。
2008年、小説『乳と卵』(文藝春秋)で第138回芥川賞を受賞。
2009年、詩集『先端で、さすわ さされるわ そらええわ』(青土社)で中原中也賞受賞。
小説『ヘヴン』(講談社)で芸術選奨文部科学大臣新人賞、紫式部文学賞受賞。初出演の映画『パンドラの匣』でキネマ旬報新人女優賞を受賞。
著書に『そら頭はでかいです、世界がすこんと入ります』(講談社)、『ぜんぶの後に残るもの』(新潮社)、『すべて真夜中の恋人たち』(講談社)など。
2007年、デビュー小説『わたくし率 イン 歯ー、または世界』(講談社)が芥川龍之介賞候補に。早稲田大学坪内逍遥大賞奨励賞受賞。
2008年、小説『乳と卵』(文藝春秋)で第138回芥川賞を受賞。
2009年、詩集『先端で、さすわ さされるわ そらええわ』(青土社)で中原中也賞受賞。
小説『ヘヴン』(講談社)で芸術選奨文部科学大臣新人賞、紫式部文学賞受賞。初出演の映画『パンドラの匣』でキネマ旬報新人女優賞を受賞。
著書に『そら頭はでかいです、世界がすこんと入ります』(講談社)、『ぜんぶの後に残るもの』(新潮社)、『すべて真夜中の恋人たち』(講談社)など。
2007年、デビュー小説『わたくし率 イン 歯ー、または世界』(講談社)が芥川龍之介賞候補に。早稲田大学坪内逍遥大賞奨励賞受賞。
2008年、小説『乳と卵』(文藝春秋)で第138回芥川賞を受賞。
2009年、詩集『先端で、さすわ さされるわ そらええわ』(青土社)で中原中也賞受賞。
小説『ヘヴン』(講談社)で芸術選奨文部科学大臣新人賞、紫式部文学賞受賞。初出演の映画『パンドラの匣』でキネマ旬報新人女優賞を受賞。
著書に『そら頭はでかいです、世界がすこんと入ります』(講談社)、『ぜんぶの後に残るもの』(新潮社)、『すべて真夜中の恋人たち』(講談社)など。