排卵障害はどんな症状が現れるの?
無排卵の多くは、生理不順や無月経の症状が現れて、基礎体温は低温期と高温期の二相に分かれない状態になります。
正常な生理周期は25日から38日間で生理日数は3日から7日とされますが、排卵障害の場合は生理周期に次のような症状が現れます。
生理周期に現れる症状
稀発月経…生理周期が長く、39日以上3カ月未満
頻発月経…生理周期が短く、24日以内
過長月経…生理日数が長く、8日間以上続く
過短月経 …生理日数が短く、2日間以内で終わる
無月経…3カ月以上生理がない状態
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排卵していない可能性のある基礎体温
低温期と高温期の二相に分かれず、低温期が続く場合は排卵が起こっていない可能性があります。
排卵している場合の基礎体温の目安
低温期と高温期があり、その温度差が3℃以上
低温期から高温期へ移行する日数が3日以内
高温期が10日以上
高温期の途中で急な体温低下がない
生理周期は25日から38日以内
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生理周期が、51日以上の稀発月経の約30%、19日以内の頻発月経の約60%は、無排卵であるともいわれています。また、正常な生理周期・日数であっても、排卵がない場合もあります。毎月の生理周期や長さをチェックするだけでなく、基礎体温をつけて、排卵の有無を確かめましょう。
排卵障害があると思われる症状がある場合は、不妊の原因にもなるので、生理のトラブルや基礎体温が二相にならないことが、目安として2、3周期続いたら、 婦人科を受診しましょう。
排卵障害の検査や治療方法は?
生理不順や基礎体温の異常を、「よくあるもの」、「仕方ないこと」などと長期間見過ごしたり放置したりすると、深刻なホルモン異常を見過ごすことになりかねません。前述した通り、気になることがあれば早めに受診することが、排卵障害の発見と早期治療につながります。
排卵障害の主な検査
ホルモン検査
採血をして血液中に含まれる様々なホルモンの値を調べる検査。障害が起こっている部位を特定する。
卵巣の超音波検査
超音波機器を腟内に入れ、卵巣の状態を確認する検査。多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の診断に役立つ。
子宮頚管粘膜検査
排卵日近くに分泌量が増加する「子宮頚管粘液」を調べる検査。受精に適した状態に変化しているかどうかを確認する。
排卵障害の原因別の治療方法
視床下部、下垂体の機能障害
排卵誘発剤の内服薬や注射薬を用いて「卵胞刺激ホルモン(FSH)」の分泌量を増やし卵胞の成熟を促す。
多嚢胞性卵巣症候群
排卵誘発剤の内服薬や注射薬などを用いて、卵胞の成熟を促す。肥満がある場合は、まず減量することをすすめる。自然排卵を促すために、レーザーメスなどで卵巣に小さな穴をたくさん開ける腹腔鏡手術をする場合もある。
高プロラクチン血症
視床下部や下垂体、甲状腺機能低下などが原因で起こるため、検査をして原因に応じた治療を行う。
甲状腺ホルモンの分泌低下
甲状腺ホルモンの補充を行う。
配信: カラダのキモチ