子の学習意欲を伸ばす3つの方法

子の学習意欲を伸ばす3つの方法

第2回 自分から勉強する子が育つ方法
“勉強好きな子どもになるか? ならないか?”には、環境づくりがとても重要だといいます。では、どんな環境が子どもの学習意欲を引き出すのでしょうか? また、学力を伸ばすために絶対にやっておくべきこととは? 『1日10分で大丈夫!「自分から勉強する子」が育つお母さんの習慣』の著者・村上綾一先生に伺いました。

「現代は少子化で一人っ子の子どもも多く、地域の子ども会なども減り、年の近いお兄さんお姉さんに憧れを抱くような環境も少なくなりました。昔は、子どもはほうっておいても、兄妹や憧れの存在をみて成長してくれたものなのですが、今はその分まで親後さんが担わなければならず、現代の子育ては大変だなぁと思いますね」(村上先生 以下同)

時代とともに世のなかの環境や考え方は変化を遂げても、子どもの本質は変わらないのが現実。では、子どもがやる気になる環境づくりに必要なものとは?

(1)競争させる
「競争をよしとしない風潮や、少子化で競争相手が少なくなっている現代ですが、やはり子どもは競争が大好き。あの子よりできるようになりたい! その思いは、必ず子どもを成長させます」

(2)憧れの人を作る
「子どもにとって憧れの存在があるというのは、とても大切なんです。ああなりたい! その気持ちはどんどん成長につながります。年が離れすぎても効果はなく、2~3歳上のお兄さん、お姉さんの影響はとても大きいです。兄妹や近所にそういう存在がいない場合は、ボーイスカウトや習い事などで、なるべく接する機会を作ることをおすすめします」

(3)褒めてあげる
「褒めてあげることは、自信につながります。“天狗になるのでは?”と心配される親御さんもいらっしゃるかもしれませんが、中2~3年生くらいまでは天狗でいいんです。“僕は・私はなんだってできる!” これくらいの万能感を持っている子のほうが、将来大きく育ちます。それは勉強じゃなくても、スポーツでも習いごとでもいいです。その自信は勉強に以降しやすいので、ぜひたくさん褒めて、自信が持てるものを身につけさせてあげてください」

子の学習意欲を伸ばす3つの方法

さらに、学力を伸ばすため、困らないために絶対にやっておくべきことを教えてくださいました。

(4)幼児期はバランス良く経験させよう!

「小学校に入るまでは、ひとつのことにこだわらずバランスよく経験させてください。基礎的なことを時間を決めてやる、読み聞かせをする(声色を変えて読む)、絵を描く、運動する、リズムをとる…など。 実は、これらすべてが国語力や計算力、図形センスなど勉強につながるベースになっています」

(5)10歳までは、とにかく“読み・書き・そろばん”をしっかりと!

「昔から言われている読み・書き・そろばん(計算)は、すべての勉強の土台です。これをおろそかにしてしまうと、先で必ずつまづきます。逆にしっかりやっておけば、その後にプラスされる発想力、思考力に自然につながっていきます。よく先取り学習をお子さんにさせる親御さんがいらっしゃいますが、あまり先取りしてしまうと子どもは飽きてしまい失速してしまいますのでおすすめしません。また、10歳を過ぎてしまうと、読み・書き・そろばんの吸収力が半減してしまうので、それまでにまずしっかりと土台を築きましょう」

子どもの本質が変らないのなら、合った環境を作ってあげるのが親の役目。ぜひお子さんがやる気になる環境づくりを心がけてください!
(構成・文/横田裕美子)

お話をうかがった人

村上綾一
村上綾一
株式会社エルカミノ代表取締役
大学卒業後、大手進学塾の最上位指導や教材・模試の制作を 経て、東京に株式会社エルカミノを設立。出版・教育事業をおこ なう。教育部門「理数系専門塾エルカミノ」では直接授業も担当 し、生徒を東大、御三家中、数学オリンピック、算数オリンピックへ 多数送り出している。
大学卒業後、大手進学塾の最上位指導や教材・模試の制作を 経て、東京に株式会社エルカミノを設立。出版・教育事業をおこ なう。教育部門「理数系専門塾エルカミノ」では直接授業も担当 し、生徒を東大、御三家中、数学オリンピック、算数オリンピックへ 多数送り出している。