学資保険を選ぶときのポイントは?

学資保険を選ぶときのポイントは?

第1回 1000万円どう貯める? 学資保険の賢い選び方
子どもには好きなことをさせてあげたい。親なら誰しもそう思うはず。そのためには、先立つ物=教育資金が必要だ。教育資金を貯めるための手段のひとつとして、学資保険を検討している人も多いだろう。

だが、各社から多種多様なプランが出ているため、素人目にはどれをどう選べばいいのかわからない。そこで、幼い子を持つ親世代から学資保険の相談を数多く受けてきたファイナンシャルプランナーの森本希代子さんに、学資保険を選ぶときのポイントを聞いた。

「まず、注目すべきは受け取り時期。わが子が何歳の何月に受取金がいくらおりるのか、そこが重要です。その子の将来設計を考えたときに、出費がかかる時期を見込んできちんと受取金がおりるようにしておくことが肝心ですよ」(森本さん 以下同)

受け取り時期の設定は各社様々。幼稚園、小中高、大学と、節々で入学祝い金がおりるものもあれば、高校入学を重視したプラン、大学の学費に焦点を当てたプランも。どのステージを学資保険でまかなうかによって、各家庭で選ぶプランは変わってくるだろう。

学資保険を選ぶときのポイントを聞いた。

「もうひとつのポイントは、返戻率(へんれいりつ)に惑わされないこと。返戻率とは支払った保険料の総額に対して、受け取れるお金の合計がどのくらいの割合かを数値で表したもの。いわばお金の戻り率です」

例えば、フコク生命のステップ型というコースの場合、契約者が30歳の父親で子どもが0歳のときに加入すると、月々の保険料は1万4239円。17歳までの払込総額が約290万円になるのに対して、受け取り総額は315万円になる。払い込んだお金より増えて戻ってくるのだ。この場合、戻り率は約108%。単純にこの数字が高いほどお得な気がするが…?

「最初はみなさんやっぱり返戻率に目がいくんです。でも、各社が謳っている高い返戻率は、保険会社にできるだけ長期間お金を預けるような条件が多く見受けられます。そうすると、本当に必要なタイミングでお金を受け取れないケースもあるので要注意です」

●学資保険、選ぶポイントは振込免除特約

さらに、森本さんが重視する学資保険ならではのメリットが「払込免除特約」だという。

「これは、保険料を払っている契約者が亡くなったときや、高度障害状態になったとき、以降の保険料の払込みが不要になる仕組みです。その場合も祝い金や満期保険金、学資年金は保険料が払い込まれたものとしてきちんと受け取ることができます。これは保険ならではの良さです。銀行の預貯金だとこうはいきませんから」

親の病気や事故など、いざというときのリスクの備えとしても有効な学資保険。各社それぞれのメリットを比較検討して、親も子も満足できる学資保険を見つけ出そう。
(阿部花恵+ノオト)

お話をお聞きした人

森本希代子
森本希代子
ファイナンシャルプランナー
学資保険に詳しいベテランのファイナンシャルプランナー。トータルライフコンサルタント、相続診断士、ホームヘルパー2級の資格も持つ。
学資保険に詳しいベテランのファイナンシャルプランナー。トータルライフコンサルタント、相続診断士、ホームヘルパー2級の資格も持つ。