“台所育児”で野菜嫌いも克服!

“台所育児”で野菜嫌いも克服!

第4回 台所育児で子どもが劇的に変わる!
食べ物に関しての育児の悩みといえば、やはりお子さんの“食べ物の好き嫌い”で悩むお母さんが多いのではないでしょうか?

「食卓に向かうたびに、“なんで食べないの! これも食べなさい!”では、言う方も、言われる方もなんだか楽しくないですね。“台所育児”は、好き嫌いの克服にもつながるんです。実は、お子さんが作ることから参加するのは、偏食を克服するのにかなりの威力を発揮します。ガミガミ言うより、ぜひ自分で一品作らせてみてください!」

と話すのは、『台所育児 一歳から包丁を』の著者で料理研究家の坂本廣子さん。“台所育児”とは、子どもが主役になり、包丁で食材を切るところから完成させるところまで、すべて一人で料理を作ることで、自信と生きる力を育む育児法。

「お子さんが自分で切って調理した料理は、嫌いな物でも少なからずおいしく感じるものです。おいしいとは感じなかったとしても、家族や周りの人が“○○ちゃんが切ってくれたからおいしい~!”と喜んで食べてくれたり、褒めたりしてくれれば嬉しいもの。そうやって無理してでも食べているうちに味に慣れたり、実は食わず嫌いなだけだったり、嫌いな食材に接する機会を増やすことで異和感や抵抗感というものがだんだん和らいでいくのです」(坂本さん 以下同)

好き嫌いする子ども

さっそくその効果を実感してみよう! ということで、坂本さんが“お子さんの野菜嫌い克服におすすめ!“という自分で作る簡単和え物”のレシピを教えてくださいました。

●野菜嫌い克服! “簡単和え物”レシピ

“台所育児”で野菜嫌いも克服!

【作り方】
(1)アスパラガス(80g)は、ひと口で食べられる大きさに切る。
(2)なべに水(大さじ2)と切ったアスパラガスを入れ、フタをして中火にかける。
(3)なべに水分がなくなったら火を止め、しょうゆ(少々)を入れる。さめたら、かつおぶし(1g)を入れてまぜて、出来上がり!
★ポイント★
アクの少ない野菜は、野菜のなかにある水分があたたまれば、ゆでたことになる。

「この料理は、さやいんげん、スナップえんどう、ブロッコリー、きぬさや、えんどう豆、キャベツの千切り、白菜の千切りなど、アクのない野菜に全部応用できますので、ぜひお子さん一人で作らせてみてください! そして、お子さんが作ってくれたものをいっぱい“おいしい”と褒めて食べてあげてください。きっとお子さんに変化があるはずです!」

また、子どもに作らせて食べることのもうひとつのメリットとして、親御さんたちの偏食の克服にも効果抜群だという。

「可愛い我が子が幼い手で一生懸命作った料理を食べないわけにはいきませんよね。たとえちょっと苦手なものでも親は“おいしい!”って食べられるものです(笑)。それに、親御さんが子の目の前で好き嫌いをしていたら、説得力ありませんよね。そんなとき、まさに台所育児は、一石二鳥なのです!」

子どもの生きる力と自信を育むだけでなく、偏食の克服にもつながり、家族の食卓をより楽しいものにしてくれる“台所育児”。やっぱり素敵ですね!
(構成・文/横田裕美子)

お話をうかがった人

坂本廣子
坂本廣子
料理研究家
幼児期からの食育を30年以上前から提唱。「台所 は社会の縮図」として、食育、介護、防災、食の村お こし、米粉普及など、広く問題解決に取り組む社会派 料理研究家。子どもの体感料理教室 キッズキッチン” が教育法として注目を集めている。
幼児期からの食育を30年以上前から提唱。「台所 は社会の縮図」として、食育、介護、防災、食の村お こし、米粉普及など、広く問題解決に取り組む社会派 料理研究家。子どもの体感料理教室 キッズキッチン” が教育法として注目を集めている。

書籍紹介

『坂本廣子の台所育児 一歳から包丁を』
『坂本廣子の台所育児 一歳から包丁を』
農文協(出典『農文協』)
1,300円
幼児厨房ニ入ルのすすめ。熱い・痛い・いい香り… を身体いっぱいに感じて、真剣そのもの。生きる 力は理屈じゃない。きっとわが子の持つ力にびっ くりされるでしょう。  
幼児厨房ニ入ルのすすめ。熱い・痛い・いい香り… を身体いっぱいに感じて、真剣そのもの。生きる 力は理屈じゃない。きっとわが子の持つ力にびっ くりされるでしょう。  

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