命名書とは

命名書は、赤ちゃんが生まれたときに用意します。頻繁に使用するものではないため、「どんな使い方をするのかいまいちわからない」という人もいるのではないでしょうか?命名書の特徴や、書き方を紹介します。
名前を披露するための用紙
命名書は赤ちゃんの名前を記す紙のことで「命名紙」とも呼びます。赤ちゃんの誕生を祝う席で、名前を披露するために用意することが一般的です。
「お七夜(おしちや)」といって、赤ちゃんの誕生を祝い、健やかな成長を願います。赤ちゃんにとって、最初のお祝い事ともいえる行事です。このとき、名前を披露するために命名書を書いて飾る風習があります。
平安時代から始まったとされており、赤ちゃんが生まれた日を1日目と数えて7日目にする行事でした。6日までは「産神様(うぶかみさま)」の保護下にあり、7日目まで生存することで人間としての存在を認め、名付けを行ったのです。
「七夜」という言葉から7日目に行うものとされていますが、現代ではママの体調に合わせて日を選び、お祝いすることが多いでしょう。
書いた命名書は「出生届を出すまで」の1週間程度か、生後1カ月の「お宮参り」のころまで飾っておく家が多いですが、期間に決まりはないとされます。
手書き、代書のどちらでもOK
昔は父方の主催でお七夜を行っていたため、「父方の祖父」に命名書を手書きしてもらうのが一般的でした。現代では赤ちゃんの両親が名付けを行うことも多く、「子どもの父親」が書くことが主流です。
ただし、うまく書く自信がない場合は、字が上手な人や書道家などに代筆してもらっても構いません。業者に依頼すると、見栄えがよい文字を楽しめます。
長く飾っておきたい場合や、出産の内祝いに添えたい場合にもおすすめです。名前を書いてもらうだけでなく、詩やメッセージなどを添えてもらえる場合もあります。
命名書の書き方
命名書を初めて書く場合、どんな風に書いたらよいか迷うことでしょう。命名書の書き方には正式と略式があります。正式な書き方を知っておいて損はありませんが、現代では「略式」で命名書を書くことの方が一般的です。
正式な方法で書くなら、真っ白な厚めの和紙である「奉書紙(ほうしょし・ほうしょがみ)」を三等分に折ります。
右端に「命名」、真ん中に「父の名前」と「子どもの続き柄」と「誕生日」、左端に「命名式の日付」と「両親の名前」を記載しましょう。
略式の場合、紙の種類や書き方に特に決まりはありません。色紙や半紙などに「赤ちゃんの名前」と「生年月日」を書きましょう。
命名書として販売されているテンプレートを購入すれば、すべてを自分で記入する必要はなく、使用する命名書の書式に合わせて記入できるようになっているため便利です。
書き終わった命名書は、正式には「神棚」や「床の間」に飾ります。略式の場合は、「赤ちゃんが寝ている場所の近く」に飾ることが多いようです。
命名書の種類

命名書はニーズに応じた、様々なタイプがあります。飾りやすいように工夫を凝らした命名書もあり、様々なタイプから選べるでしょう。
初めて用意する場合、種類が多くて迷うかもしれません。イメージにぴったりなものを選ぶために、どんな種類があるのか見ていきましょう。
半紙、色紙タイプ
命名用の半紙や色紙は、高級感のある素材にこだわっているものや、金色の文字で高級感を出しているタイプなど、豊富な種類があります。
鶴や亀などの「おめでたいモチーフ」が入っているものや、明るくかわらしい色使いのものなど、幅広い種類が見つかるでしょう。
半紙に書く場合、「厚紙で作った台紙」に貼り付けて補強すると飾りやすいです。「掛け軸タイプ」を選べば、書いたものをすぐに飾れます。半紙や色紙は文房具店や100円ショップなどで簡単に手に入るため、自作したい人にもぴったりです。
アルバムタイプ
命名書と一緒に、赤ちゃんの写真やメッセージ、手形や足形などをまとめて1冊にできる「アルバムタイプ」もあります。
文字だけよりも見応えがあり、人気のあるタイプです。「見開き型」や「三つ折りタイプ」などがあり、装丁にこだわったものも少なくありません。
命名式から1歳の誕生日ごろまでの写真を収めておけば、後から日々の成長を振り返って楽しめます。命名書も折り畳んで収納できるため、飾り終えた後も保存しやすいでしょう。
額入り、ラミネート加工タイプ
命名書は紙でできており、剥き出しにしておくと経年劣化が心配です。長い間飾っておく予定なら、命名書を汚れから守れる「額入り」や「ラミネート加工」されたタイプを利用しましょう。
途中で折れ曲がったり破れたりする心配がなく、大切な思い出を色あせずに保存できます。額入りは高級感があり、見栄えもよいです。保存する際にかさばることが心配な人は「ハガキサイズ」や「写真立てタイプ」を選びましょう。
手書きタイプのおすすめ命名書

手書きできるタイプは、両親や名付け親などの「書き手からの愛情」を感じられるところが魅力です。心を込めて丁寧に書けば、思い出深い命名書になるでしょう。手書きできるタイプのなかから、おすすめのアイテムを紹介します。
ササガワ「命名紙 変形 金字・浮出柄」
縦390mm×横265mmと、存在感があるB4変形サイズの命名書です。金箔押の「命名」の文字もワンポイントになっていて目を引きます。
奉書紙におめでたい鶴と亀が浮き出し加工してあり、大切な子どもの名前を初披露する際に相応しい祝福ムードがいっぱいです。高級感を重視したい人や、本格的な雰囲気が欲しい人におすすめします。
パイロットインキ「おたんじょうきろく 命名紙セット」
命名書・出生記録・写真・手形・足形を押すスペースが設けられた、3面のアルバムタイプです。赤ちゃんへのメッセージを記入できる欄もあり、成長した子どもが見たときに両親からの愛情をたっぷりと感じられるでしょう。
形取り用の発色液を染み込ませたガーゼが付属しており、手や足に付着させてから発色紙に押し付けると形が取れる仕組みです。発色液は透明のため、インクで手や床を汚すことなく生まれたときの記録を残せます。
ソルビィ「命名書/十二支」
かわいらしいタッチの十二支が描かれた命名書です。神の使いである十二支が子どもの誕生を祝ってくれているかのような、おめでたい雰囲気が感じられるでしょう。和紙をイメージさせる、ナチュラルな風合いの紙でできています。
「A4サイズ」と「ハガキサイズ」が、それぞれ2枚ずつセットになっており、リビングと赤ちゃんの部屋にそれぞれ飾ったり内祝いに添えたりと、用途に応じた使い方が可能です。裏面には干支の性格や特徴が書かれているため、会話のネタにもなります。

代書タイプのおすすめ命名書
文字に自信がない人やできばえが気になる人は、代筆してもらえるタイプの命名書を利用しましょう。よくある命名書とはひと味違う、こだわりのアイテムを紹介します。
シュガーブライド「てがたあしがた 命名書」
名前だけでなく、メッセージも印字してもらえる「オーダーメイド式」の命名書です。豪華な手染めの「友禅紙」や由緒正しい「越前和紙」が使用され、彩りを添える柄物の友禅和紙の種類を自由に選べます。額縁は木製で、温もりが感じられるでしょう。
命名の横に手形や足形を押せるスペースがあり、専用スタンプ台とインクが付属しています。3枚セットになっているため、失敗しても安心です。
・商品名:てがたあしがた 命名書
筆耕屋さん「デザイナーズラミネート加工命名書」
プロの書道家が手書きしてくれる命名書です。文字の種類は「やわらか」「カクカク」の2タイプから選べるため、性別や子どものイメージなどに合わせて選びましょう。
子どもの名前に使われているひらがなを入れた、特別な詩が添えられているところも魅力です。詩は書き置きせずに、その都度用意されます。ほかにはない「個性的な命名書」を求めている人におすすめです。
「ラミネート加工」されており、美しさが長持ちするでしょう。オプションで写真を自由にレイアウトできる保管用のホルダーも付けられます。
・商品名:デザイナーズラミネート加工命名書
まとめ
命名書は赤ちゃんの名前を披露するときに使用します。名前だけでなく、生年月日、両親の名前、子どもへのメッセージ、写真などを入れる場合も少なくありません。
両親のどちらかが書くのはもちろん、文字が上手な人に代筆を頼むのもおすすめです。正式には床の間や神棚に飾りますが、略式では赤ちゃんを寝かせる場所の近くに飾ることが多いでしょう。
格式が感じられる素材を使用したものや手形や足形を一緒に収められるアルバムタイプなど、様々なデザインから選べます。
額入りやラミネート加工されたタイプなら、きれいな状態で保管できるでしょう。名前だけでよいのか、記念の写真も一緒に収めたいのかなどをよく考えて選ぶのがポイントです。