布おむつ育児を始めよう。メリットやデメリット、選び方を解説

第34回 知っておきたいママ情報
布おむつの管理は手間がかかりますが、繰り返し使えてコストが少なく、子どものおむつ離れも早い点がメリットです。形状別の使い方や素材の違い、おむつカバーの種類などを解説します。おすすめの布おむつと、正しい洗濯の仕方も要チェックです。

布おむつのメリット

現代のおむつの主流は紙おむつですが、だからこそ布おむつに興味があるというママ・パパもいるのではないでしょうか。布おむつには紙おむつにはないメリットがあるため、布おむつにこだわっている家庭もあります。

具体的にどんな利点があるのかを整理してみましょう。

コストが少なくて済む

布おむつのメリットとして、コストが少ないことが挙げられます。布おむつは1度購入してしまえば、それ以降は洗濯して繰り返し使えます。布おむつ1枚の値段は150円程度なので、洗い替えを複数購入し、さらにカバーを購入してもさほど高額になりません。

一方、紙おむつは使い捨てであるため、どんどん買い足す必要があります。そのため、1枚あたりのコストは約20円と安価な紙おむつでも、1日6~7回交換することを考えれば、1カ月あたり約4000円、1年間で約5万円の出費となるのです。

布おむつは、紙おむつに比べてかなり経済的だといえるでしょう。

ゴミが出ないので環境に優しい

布おむつは洗って繰り返し使えるため、ゴミが出ないという点もメリットです。エコ意識が高い人ほど、布おむつの使用が向いているでしょう。

一方紙おむつは、1日に何枚も交換しなければならず、大量のゴミが出るため環境によいとはいえません。

使用済みの紙おむつが溜まると悪臭の原因にもなり、家のなかも不衛生になりがちです。新生児のころは1日10回以上おむつを交換することもめずらしくないので、次の可燃ゴミの回収日まで保管しておくのにもひと手間かかります。

トイレトレーニングが進みやすい

布おむつを使っていると、トイレトレーニングを進めるときに有利に働くことがあります。布おむつは赤ちゃんがおしっこやうんちをすると、濡れて不快感が生じるものです。さらに、消臭機能付きのものであっても、多少ニオイが出てしまうでしょう。

これは一見デメリットのようにも思えますが、赤ちゃんが不快感から泣き出したり、排泄したくなったときに事前にアピールするようになったりするため、トイレのタイミングを掴みやすいという利点があります。

排泄のタイミングが分かるようになれば、トイレトレーニングを始めたときに周囲の大人が赤ちゃんをトイレに連れて行きやすくなるでしょう。

布おむつのデメリット

布おむつにはメリットと同時に、デメリットもあるため注意が必要です。紙おむつを使っていれば生じなかった手間や負担があるため、それでもメリットの方が大きいと感じた場合に布おむつを採用するとよいでしょう。

布おむつには具体的にどのようなデメリットがあるのかを解説します。

洗濯に手間がかかって面倒

布おむつは、赤ちゃんが汚すたびに洗濯するため手間がかかります。使用済みの布おむつは、衛生面から考えても通常の洗濯機に直接入れるわけにいかず、事前につけ置きや手洗いが必須です。

さらに、布おむつはおしっこ・うんちが漏れやすいため、ときには赤ちゃんの服・周囲の布類・マット・大人の服まで洗濯することになるでしょう。

また、布おむつの洗濯後は干して乾燥させる必要があります。なかなか乾かずに布おむつが足りなくなる、というトラブルも起こりがちです。

外出時の荷物が多くなる

布おむつを使っていると、外出時に荷物が増えてしまいます。外出する時間が長いほど持参する布おむつの枚数を増やす必要がありますが、やはり布製なのである程度の厚みと重さはあるものです。

ただでさえ赤ちゃん連れでの外出はミルクや着替え、おしりふきなど様々なベビーグッズが必要となり、バッグがいっぱいになるでしょう。かさばりがちな布おむつは、収納スペースもとるため荷物が膨らんでしまいます。

布おむつの形状

布おむつのメリット・デメリットを知ったうえで、やはりメリットの方が大きいと感じたなら、次はどんな布おむつを使うかを実際に考えてみましょう。布おむつには、大きく分けて2種類の形状があります。それぞれの特徴をおさえ、適している方の布おむつを選びましょう。

輪型

布おむつのなかでもベーシックな形状が輪型です。その名の通り、1枚の布を輪になるように縫い合わせて作られたおむつで、折りたたんでおむつカバーにセットして使います。

輪型の布おむつは折り方を変えることで厚みの調整ができるため、赤ちゃんの体型やクセに合わせてアレンジして使えるところがメリットです。

生地は広げると薄手なので、洗いやすく乾きやすいところも特徴といえます。輪型のおむつには、すでに仕立てがされているタイプと、仕立てがされておらず自分で縫製が必要な反物タイプがあるため、購入の際には注意しましょう。

成形型

成形型はパッドのような形をした、立体的に縫われた厚みのある布おむつです。そのままおむつカバーにセットして、赤ちゃんに履かせます。折る手間がないためすぐに使えることと、コンパクトで収納時にも洗濯時にもスペースをとらないことがメリットです。

ただし、布おむつに使われている生地は3重のキルトニットなどが多く、分厚く乾かしづらいという点がデメリットでしょう。

布おむつの素材

布おむつとひと言でいっても、使われている素材は様々です。肌ざわりや扱いやすさ、機能性など素材によって異なるため、赤ちゃんの使い心地だけでなく、お手入れのしやすさも考えて選びましょう。

布おむつの素材として代表的なものを3種類紹介します。

肌ざわりのよい綿

綿は昔ながらの素材で、肌ざわりがよく柔らかいところが特徴です。通気性に優れているため1年を通して使えます。

ただし、浸透もしやすいため、おむつ替えが頻繁にできる日中の使用がおすすめです。夜間に使う場合は、漏れ対策として2枚重ねにするなど工夫しましょう。

綿のなかにも、ドビー織タイプとパイル地タイプのものがあります。厚みや柔らかさ、乾燥スピードが異なるため、綿生地の布おむつを選ぶ際には、どのタイプが使われているのかにも注目しましょう。

乾きが早い合成繊維

ポリエステルなどの合成繊維が使用されている布おむつは、通気性が高く乾きやすい点がメリットです。

布おむつのストックを節約することにもつながるほか、履いている赤ちゃんにとっても快適でしょう。濡れてもすぐに乾くため、おしっこをしても冷たさを感じにくいのです。

フリース素材のものは、洗濯すると毛玉ができやすいという特徴があります。洗濯時には生地を傷めないように、洗濯ネットに入れるなどの工夫をしましょう。

抗菌、防臭作用があるバンブー

バンブー素材は、抗菌・防臭作用を備えています。竹そのままのイメージから、かたくゴワゴワした素材を想像しがちですが、実際は綿と比較しても目が細かくなめらかな肌ざわりです。吸水性も高く、さらりとした使用感なので赤ちゃんも快適でしょう。

さらに、バンブー素材には静電気を抑える働きもあるため、冬のおむつ替え時に不快な思いをする回数も少なくなります。

他の素材に比べて高価ですが、洗濯をしても劣化しにくく、長く使い続けられるという特徴があるため、長い目で見ると経済的といえそうです。

専用のおむつカバーも必要

布おむつを使う際には、合わせて使うおむつカバーも必要です。装着の仕方や使用されている素材など様々なので、利便性や機能性などしっかりチェックしましょう。

おむつカバーの種類と素材、どのように選べばよいかを具体的に解説します。

成長に合わせてタイプを選ぶ

おむつカバーは、赤ちゃんの成長に合わせて装着タイプを選びましょう。

まだあまり動き回ることがなく、おむつの交換回数が多い新生児であれば、外ベルトタイプが適しています。布おむつを固定するスナップボタンや面ファスナーが外側についており、素早く留め外しできます。

成長して寝返りやハイハイをするようになったら、留め具が外れにくい内ベルトに変更しましょう。布おむつを直接挟んで固定するため、おむつがずれにくいところも安心です。

つかまり立ちする1歳ごろの赤ちゃんには、パンツタイプのおむつカバーがよいでしょう。ウエスト部分にゴムが入っており、立ったままおむつ交換が可能です。

素材は月齢や季節を考えて選ぶ

おむつカバーに使われている素材も、赤ちゃんの成長と使用する季節に合わせて選びましょう。

通気性と防水性が高いウール素材は、赤ちゃんの月齢を選ばず使えるうえ、季節を問わず使えます。洗濯すると縮むため、手入れ方法には注意したい素材です。

綿素材は通気性に優れ、肌ざわりもよく通年使える点が特徴です。ただし、他の素材と比較すると吸水性がさほど高くないため、綿素材は排泄の量が少ない新生児に適しています。

排泄の量が多い生後6カ月以降であれば、ポリエステル素材のおむつカバーがおすすめです。防水性と速乾性を備えているため、洗濯してもすぐ乾くところがメリットでしょう。

ただし、ポリエステルは他の素材に比べて通気性が劣ります。汗で蒸れやすい夏場には避けた方がよい素材です。

輪型のおすすめ布おむつ

布おむつのタイプや素材、選び方について分かったものの、いざ商品を選ぼうとすると迷ってしまう人が多いのではないでしょうか。ここでは、おすすめの布おむつを輪型と成形型に分けていくつか紹介します。まずは、輪型の布おむつを見てみましょう。

ニシキ「ドビー織無地仕立ておむつ【5枚組】」

吸水性と保水性に優れた、ドビー織の綿素材の布おむつです。仕立て布なので縫う必要がなく、購入してすぐに使えます。新生児なら1枚、3カ月以上の赤ちゃんなら2枚重ねて使用すると丁度よいでしょう。

商品サイズは幅約33cm、長さ約70cmなので、5段折りを目安にして使います。1商品5枚組ですが、通年使えて重宝するため、まとめ買いしておくのもおすすめです。

・商品名:ニシキ ドビー織無地仕立ておむつ【5枚組】

・楽天:商品はこちら

イサム商会「ドビー織 仕立上 白 10枚」

吸水性と通気性に優れたドビー織を採用し、ソフトな肌ざわりで愛されるロングセラー商品です。仕立て布なので購入後すぐに使えます。

2重縫いで耐久性にも優れており、繰り返し洗濯しても劣化しにくく長持ちする点がうれしいポイントです。品質が落ちるどころか、長く使えば使うほど生地が柔らかく馴染むため、赤ちゃんにとっても肌ざわりがよいでしょう。

イサム商会のドビー織布おむつには、仕立て上げタイプと反物タイプがあるため、購入のときには間違わないように注意が必要です。

・イサム商会 ドビー織 仕立上 白 10枚
・イサム商会 ドビー織 仕立上 白 10枚

メイドインアース「折り伏せ縫いのベビー布おむつ【5枚セット】」

綿素材のなかでも特にこだわりたいなら、オーガニックコットンを100%使用したこちらの商品はいかがでしょうか。生地はもちろん、使用している縫製糸までオーガニックコットンを使用しています。

化学薬品による漂白をしていないため、素朴さを感じさせるナチュラルカラーです。ドビー織ということもあり、表面の光沢と凹凸が高級感があります。

繰り返し洗濯しているうちに生地が柔らかく馴染み、肌ざわりがよくなっていきます。

・商品名:メイドインアース 折り伏せ縫いのベビー布おむつ【5枚セット】

・楽天:商品はこちら

成形型のおすすめ布おむつ

次は、成形型の布おむつをチェックしましょう。折って大きさ・厚さを調整する必要のない成形型はとても便利です。以下に紹介する成形型のおむつは、機能性に優れたものばかりなので、ぜひチェックしてみましょう。

エンゼル「ラッキーオムツ(4枚入り)」

メーカーオリジナルの「ウェーブ加工」が施された綿生地の間に、不織布を挟んだ3枚構造の布おむつです。吸水性抜群で、赤ちゃんも快適に過ごせるでしょう。

布おむつは赤ちゃんが成長するにしたがって買い替えることが多いものですが、こちらの商品は赤ちゃんが大きくなっておしっこの量が増えたら、2枚重ねにして使えます。わざわざサイズ違いを購入する必要がなくて経済的です。

・エンゼル ラッキーオムツ(4枚入り)
・エンゼル ラッキーオムツ(4枚入り)

村信「成形プチおむつ 4枚組」

こちらの商品は、表面と裏面で使われている素材が異なります。一方のつるつるした面はポリエステル70%に綿30%、もう一方のさらさらした面は綿100%で作られていて、好みで使い分けられるのが特徴です。

合成繊維を使用しているだけあって、吸水性と速乾性に優れています。おしっこの量が多くて染み出すことが心配であれば、2枚重ねにして使ってもOKです。

柔軟剤を使うと吸水性を失うため、洗濯時には注意しましょう。

・村信 成形プチおむつ 4枚組
・村信 成形プチおむつ 4枚組

BornBaby「バンブー おむつライナー 6枚セット」

バンブー素材で作られた成形型の布おむつが気になるなら、表生地が竹繊維100%で作られたこちらの商品はいかがでしょうか。シルクのような、なめらかなさわり心地で赤ちゃんも快適です。天然の抗菌・消臭効果もあり、衛生面でも評価できます。

布おむつの内側には、速乾性と吸収性に優れたマイクロファイバー繊維が入っている4重構造です。洗濯後の乾燥も短時間で完了します。

・商品名:BornBaby バンブー おむつライナー 6枚セット

・楽天:商品はこちら

布おむつの洗い方

布おむつは洗濯すれば何度も使えるからこそ、衛生面に気を付けたいものです。洗濯の回数も多くて手間がかかるため、正しい手順とコツをおさえて効率よく洗濯できるようになりましょう。

布おむつを洗濯するにあたって準備するものと、おしっこ・うんちそれぞれの洗い方について解説します。

布オムツの洗濯について -布オムツを使用して2週間が経ちました。洗濯- 避妊 | 教えて!goo

用意するもの

布おむつを洗濯する場合、まずはつけ置き用のバケツと布おむつを洗濯するバケツの2種類を用意しましょう。

さらに、つけ置き用のバケツは、うんち汚れ用とおしっこ汚れ用とで分けておくことをおすすめします。つけ置き用のバケツには、ニオイを閉じ込めるためにふた付きのものを選ぶのがおすすめです。

頑固な汚れを落とすためには、洗濯板と洗濯用洗剤、重曹やセスキ炭酸ソーダ(いずれか1種)などを使います。手荒れが気になる場合や、汚れを直接触ることに抵抗がある場合はビニール手袋を用意しましょう。

布おむつのタイプによっては、洗濯ハンガーや洗濯ネットも準備しておくと便利です。

おしっこの場合

おしっこで汚れた布おむつは、少しのシミであれば流水で流すだけでもある程度落とせます。その後、つけ置き用のバケツに洗濯用洗剤やセスキ炭酸ソーダを溶かした水溶液を溜め、2時間から半日程度つけ置きしておきましょう。

その後は洗濯機で洗って完了です。汚れがなかなか落ちない場合や、シミで変色している箇所がある場合はつけ置きの時間を長めに確保します。

うんちの場合

うんちで汚れた布おむつは、先に取り除けるだけうんちを取り除いておく必要があります。固形のうんちは、トイレットペーパーで取り除いてトイレに流しましょう。

洗濯用バケツにぬるま湯を溜め、水中で布おむつを振るようにして汚れを落とします。うんちで汚れた水は、トイレに流して処理しましょう。

汚れた部分に洗濯用洗剤を付けて洗濯板で洗います。汚れがある程度落とせたら、うんち用のつけ置きバケツに重曹を溶かした水を溜めてつけ置きしましょう。ニオイと黄ばみを落とせます。あとは、おしっこ汚れと同様に洗濯機で洗えば完了です。

まとめ

布おむつは手間がかかったりかさばったりと管理が大変な面もありますが、経済的で環境に優しいなどのメリットもあります。

布おむつを使うなら、形状や素材、専用のおむつカバーに注目しましょう。装着のしやすさや肌ざわり、機能性など大きく異なるため、赤ちゃんに合ったものを選ぶ必要があります。また、汚れによって洗濯方法も違うため、きちんと覚えて手入れしましょう。

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