読み聞かせは何歳から始める?

絵本の読み聞かせは、親子の貴重なコミュニケーションのひとつです。ママ・パパの愛情を伝えるだけでなく、子どもの情緒の安定や学習にも役立つため、積極的に読み聞かせをしてあげましょう。
ところで「子どもが言葉を理解するようになるまでは、読み聞かせは意味がない」と思い込んではいないでしょうか。実は、絵本の読み聞かせを始める時期に決まりはありません。
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いつからでもOK
絵本の読み聞かせは、いつから始めてもかまいません。赤ちゃんはお腹の中にいるときから聴力を持っているため、極端にいえば胎児のころから読み聞かせをしてもよいでしょう。
ママ・パパが優しい声を出して語り掛けているシチュエーションは、赤ちゃんに安らぎを感じさせます。さらに、絵本のなかには音や絵で楽しめるものもあり、子どもにはよい刺激になるのです。
子どもがまだ言葉を理解できないからといって、読み聞かせを躊躇する必要はありません。
読み聞かせによって得られる効果

読み聞かせをすることは、子どもにとってなんとなくよい影響を与えそうだと感じているママ・パパは多いでしょう。しかし、具体的に子どもにどんなメリットがあるのかを、正確に答えられる人は少ないのではないでしょうか。
ここでは読み聞かせによって得られる効果について、改めて確認しておきましょう。
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想像力が育つ
絵本を読み聞かせすることで、子どもは絵本の世界を自由に思い描いたり、登場人物に感情移入したりします。読み聞かせが子どもの想像力を育むのです。
豊かな想像力は、子どもが将来自分1人で本を読んだり、映画・音楽・芸術に触れたりするときに発揮され、子どもの人生をより豊かにするでしょう。
また、子どもが先のことを想像する力を身につければ、失敗を未然に防いだり、慎重に行動したりするようになります。いずれ社会に出たときに役立つでしょう。
さらに、目の前にいない人の気持ちを想像できる子どもになれば、人の立場を考えて思いやりを持って接することができるようになります。人とのコミュニケーションを上手に取れるようになり、良好な人間関係を築ける子に成長するでしょう。
語彙力が伸びる
言葉を覚え始めるころの子どもに対する読み聞かせは、語彙力を伸ばす手助けになります。絵本の文字を読みながら、実際はどんな発音をし、どんな意味を持つのかを覚えていくのです。読み聞かせをすることで、子どもは耳から自然と言葉を身につけていきます。
子どもは、自分が見聞きした言葉から学んでいくため、周囲の大人から聞ける会話だけでは学べる単語に限りがあるものです。絵本には、普段の生活ではなかなか使わないような珍しい単語が出てくることもあり、ボキャブラリーを増やす手助けになります。
ボキャブラリーを増やしていけば、いずれ自分自身が何かを発信したいと思ったときにも役立つため、表現力のある子どもに育つでしょう。
親子の絆が深まる
読み聞かせをしている時間は、親子そろって同じ絵本の世界に入り込めるため、親子の絆が深まります。絵本の登場人物のセリフを真似たり、ストーリーの感想を話したりしてコミュニケーションの機会を増やせるのです。
また、読み聞かせをしているときの親子の距離感にも重要な意味があります。子どもを膝の上に乗せたり、一緒に絵本を持って読んだりとスキンシップもとれるため、子どもは親からの愛情を感じ取りやすいのです。
子どもに伝わる読み聞かせのコツ

いくら大人が子どものためを思って読み聞かせをしようとしても、なかなか子どもが耳を傾けてくれないということがあります。子どもが絵本に興味を示さない理由は、ママ・パパの読み方に原因があるのかもしれません。
子どもに伝わる読み聞かせのコツをおさえておきましょう。
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子どものペースで進める
読み聞かせは、あくまで子どものペースに合わせて進めることが大切です。子どもがイラストに気をとられていたり、絵本に出てくるフレーズを気に入って口にしたりしているときには、無理に次のページに進む必要はありません。
読み聞かせ中には子どもの反応をよく観察し、イラストに興味を示しているか、ちゃんとストーリーについてきているかをチェックしましょう。子どもが読み聞かせを面白いものだと感じれば、自ら読み聞かせをねだってくるようになります。
ゆっくりはっきり読む
これから言葉を学習していく子どものため、読み聞かせをするときには十分に聞き取れるスピードで、はっきりと大きな声で発音しましょう。小さな声や早口での読み聞かせは子どもが聞き取れず、興味を失わせる原因です。
ゆっくりはっきりを意識した読み聞かせは、大人の耳には遅すぎて違和感があるかもしれません。しかし、子どもにとっては聞き取りやすい話し方なのです。
セリフを加えたり、カットしたりしない
絵本を読むときは、書かれている文章とイラストに忠実に読み聞かせすることをおすすめします。子どもにもっと楽しんでもらいたい、読み聞かせを盛り上げたいという気持ちでオリジナルのセリフを追加したり、展開を早めるためカットしたりすることは逆効果です。
子どもが絵本に集中することを妨げたり、内容に違和感をおぼえたりして絵本に対する興味を薄れさせてしまいます。
絵本に描かれているイラストやストーリー、セリフは、どんな内容なら子どもを効果的に楽しませられるかをプロが考えて作ったものです。絵本の内容をそのまま楽しみましょう。
絵本は年齢や成長に合わせて選ぼう

読み聞かせする絵本は、子どもの年齢や成長に見合ったものをチョイスすることが大切です。子どもにとって高度な絵本を選んでしまうと、子どもは内容を理解できず楽しめません。逆に、子どもにとって簡単すぎる絵本は退屈させてしまうでしょう。
子どもの年齢ごとにどんな絵本を選べばよいかを解説します。
0歳から1歳は色や音を楽しむ
0歳から1歳のころの子どもは、五感を使いながら絵本を楽しむため、色や音が特徴的な絵本をチョイスするとよいでしょう。
イラストは赤・青・黄色などの分かりやすい色と、太くくっきりとした線で描かれたものを選びます。
言葉は「ブーブー」「バリバリ」「ワンワン」のように、単純な音をリズムよく繰り返すものがおすすめです。子どもは興味を持った単語を自分でも真似て発音するため、学びに繋がります。
1歳ごろには、絵本の内容を少しレベルアップさせてもよいでしょう。ページに穴が開いた仕掛け絵本や、果物や野菜が本物のようにリアルに描かれている絵本は、子どもの好奇心を刺激します。
2歳から3歳は日常生活をテーマに
2歳から3歳ごろの子どもには、日常生活をテーマにした絵本を読み聞かせするとよいでしょう。食事や着替え、トイレや睡眠など、子どもにとっても身近な行動を題材にしているものは、子どもの興味を惹きつけます。
絵本の物語への理解も始まる時期なので、キャラクターに感情移入できるような絵本だと子どもは絵本に没頭しやすいでしょう。
このころの子どもには、会話形式や手遊び、歌が含まれている絵本を読み聞かせても喜ばれます。絵本に出てくるキャラクターのダンスや行動を大人と一緒に真似したり、一緒に歌って遊んだりすると、子どもはより絵本を楽しめるでしょう。
4歳以上は物語性のあるものを
4歳児は理解力と想像力が高まるため、物語性のある絵本がおすすめです。子どもは自分で物語の世界を頭に思い描き、登場人物の気持ちに寄りそって喜んだり怖がったりします。
起承転結のある長いストーリーでも子どもはちゃんとついてこられるので、日本の昔話や海外の童話などを読み聞かせしてはいかがでしょうか?
昔話は分かりやすいものが多いだけでなく、使われている言葉が絵本独自のもののため、ボキャブラリーを増やすのに役立ちます。教訓を学べるものも多いため、子どもの倫理観を育むきっかけづくりにもなるでしょう。
0歳から1歳におすすめの絵本

子どもの年齢に合わせた絵本の選び方が分かっても、いざ絵本を購入しようとするとどれがよいのか迷ってしまう人も多いでしょう。数多く出ている絵本のなかで、たくさんの親子に支持されている人気の絵本をいくつかチョイスしました。
まずは、0歳から1歳の子どもにおすすめの絵本を見てみましょう。
一緒にまねっこ『だるまさんが』
赤くて丸い、かわいいフォルムが大人気のだるまのキャラクターが登場する絵本です。誰もが知っている「だるまさんがころんだ」というフレーズをユーモラスにアレンジしており、ページをめくるごとに笑いが起きます。
かわいいだるまさんが、伸びたり縮んだり、ぺっちゃんこにつぶれたりと自由自在に変形して、子どもは大喜びです。動きと音のある絵本を楽しむ0歳から1歳の子どもにぴったりの絵本といえるでしょう。言葉を親子で真似しながら楽しめる1冊です。
めくって遊べる『コロちゃんはどこ?』
仕掛け絵本を探しているなら、かわいい犬のキャラクターが主人公のこちらの絵本はいかがでしょうか。
子犬の「コロちゃん」を母親の犬があちこち探して回るというストーリーで、絵本に描かれた階段や戸棚のイラストには仕掛けのフタが取り付けられています。フタをめくるたびに色々なキャラクターが登場するのです。
仕掛けをめくると、登場キャラクターが「いない」「おらんぞ」「いないぜ」「おりません」など、コロちゃんがいないことを様々な言い回しで教えてくれます。
親子でセリフを覚え、フタをめくるたびに一緒になって発音すれば大盛り上がりするでしょう。
2歳から3歳におすすめの絵本

2歳から3歳には、自分の身近に感じられる絵本がおすすめです。日常生活を描くなかで、ちょっぴり教訓を学べたり、読後に優しい気持ちになったりする本なら、読み聞かせが終わった後子どもの意識や行動が変わるかもしれません。
2歳から3歳におすすめの絵本を紹介します。
温かみのある貼り絵『ねないこ だれだ』
柔らかでかわいいテイストの貼り絵と、ちょっぴりゾッとするストーリーのギャップが、今も昔も子どもの心をつかんで離さない作品です。小さなころに読んだことがあるというママ・パパも多いのではないでしょうか。
絵本は「とけいがなりますボンボンボン」というリズミカルなセリフから始まり、真夜中まで起きているキャラクターが次々と登場します。最終的に「おばけのじかん」になるまで起きている悪い子は、おばけの世界にさらわれてしまうのです。
子どもにとってはインパクト大の怖さですが、なぜかクセになって何度も読み聞かせをねだる不思議な魅力があります。読み聞かせをしたその日から、子どもが眠りにつく時間が早くなるかもしれませんね。
優しい色使いが人気『ぞうくんのさんぽ』
柔らかく優しい色使いが、見ている人の心を和ませてくれる絵本です。分かりやすいストーリーとデフォルメされたキャラクターで、子どもは絵本の世界に自然と引き込まれるでしょう。
散歩に出かけたぞうくんは、途中でかばくん・わにくん・かめくんに出会います。優しくて力持ちのぞうくんは、出会ったキャラクターをどんどん背中に乗せてしまうのです。
最後はとうとうぞうくんが耐えきれなくなり、勢い余ってみんなで池に落っこちてしまうというユーモラスなストーリーです。
読み聞かせをした後、子どもは絵本に登場するキャラクターと出会うことを想像し、ワクワクしながらお散歩に出かけるようになるでしょう。

4歳以上の子どもには、ストーリーがしっかりとした絵本を読み聞かせしてあげましょう。先の展開が気になってドキドキワクワクする経験は、子どもの好奇心を育てます。
ここでは4歳以上におすすめの絵本を3冊チェックしましょう。
親子で仲良くパン作り『からすのパンやさん』
パンやのからすがお店を盛り上げるために奮闘する『からすのパンやさん』は、色も形も様々なパンが80種類以上も登場します。読み聞かせをするうちに、ついつい親子でパンを手作りしてみたくなりそうです。
登場するカラスは1羽1羽特徴が違うため、キャラクターを見比べるのも楽しみ方のひとつです。
水について学べる『しずくのぼうけん』
水のしずくを擬人化したキャラクターの冒険物語を楽しみながら、水の仕組みを学べる絵本はいかがでしょうか。ストーリーもシンプルで分かりやすいためおすすめです。
バケツから飛び出した水のしずくは、太陽の熱で水蒸気になり、雲になり、雨になって地上に戻り…といった具合に、形を変えながら様々な場所を冒険します。同じ水でも、気温や場所によって様々な呼び名に変化する不思議さを楽しみながら学べます。
ドキドキがいっぱい「めっきらもっきら どおんどん」
ついつい口に出してみたくなる不思議な響きの絵本『めっきらもっきら どおんどん』は、小さな子どもが主人公のファンタジーです。子どもは感情移入しやすいでしょう。
うっかり不思議な世界に迷い込んだ「かんた」は、奇妙な3人組と友だちになります。夢中で遊んでいると、ふとお母さんが恋しくなり、元の世界に帰るときの合言葉を口にするのです。
ストーリーにドキドキした後は、親子で魔法の合言葉を口ずさみたくなるでしょう。
まとめ
絵本の読み聞かせは、子どもの年齢にかかわらずいつから始めてもかまいません。読み聞かせにより、子どもの想像力と語彙力を高めるだけでなく、親子の絆を深められるでしょう。
読み聞かせの効果をより引き出すためには、年齢に合った絵本と子どもに内容がきちんと伝わる読み方を心がけることです。子どもに合った絵本を読み聞かせて、子どもの健やかな成長をサポートしましょう。