自転車の練習はいつから始める?

子どもが「自転車に乗れるようになりたい」と言い出したら、練習を始めるチャンスです。しかし、年齢や体格の面から、練習させてよいのか不安を感じる場合もあるでしょう。子どもが自転車の練習を始める目安を紹介します。
自転車に乗る練習・・・・ -教えて下さい。 自転車に乗るには、練習が- その他(自転車) | 教えて!goo
3歳から6歳ごろが目安
子どもに何歳ごろから自転車の練習をさせるか、悩む親は多くいます。「無理がないように練習させたいけれど、早く乗れるようにもなってほしい」と、考えるママやパパが多いのではないでしょうか?
2018年に20~50代の男女を対象に行われた調査では、3~6歳くらいから自転車の練習をスタートしている家庭が多いことがわかっています。
6歳ごろまでに、自転車に乗れるようになっている子どもは半数以上といえるでしょう。しかし、自転車に乗りたい気持ちや体の成長には個人差があります。
「〇歳までに乗れるようになっていなければいけない」というものではないため、子どものペースに合わせて練習を開始しましょう。
出典:【自転車に関する調査結果ご報告】子どもの自転車デビューの年齢が平均年齢5.7歳→4.9歳に|日本トイザらス株式会社のプレスリリース
練習前に確認すること3点

練習を始める前に、確認しておきたいポイントがあります。安全に自転車の練習をするために、注意したいポイントを見ていきましょう。
自転車のサイズは合っているか
「子どもはすぐに成長するから、自転車も大きめを用意したい」と考える人は、多いかもしれません。しかし、安全のためには「子どもの体格に合う自転車」を用意する必要があります。
特に、「サドルにまたがったとき地面に足のつま先がつく高さか」「ハンドルに十分手が届くかどうか」は、必ず確認したいポイントです。
自転車を止めるときはブレーキを使うため、子どもの小さな手でもハンドルをギュッと力を入れて握れる距離がよいでしょう。
ブレーキ以外にも、地面に足をつけて踏ん張ることで自転車を止めたり、倒れないようにしたりします。「つま先がつく程度の高さ」であれば、いざというときは足でしっかり止めることが可能です。
こぐ際にもひざが曲がりすぎないため、ペダルを踏む力が入りやすい点もちょうどよいでしょう。3~6歳の子どもは身長98cm~120cm前後で、「16インチ」が該当します。
ただし、インチ数はタイヤの大きさを示しており、適合しない場合もあるでしょう。メーカーによって、推奨する年齢や身長が異なることも珍しくありません。実際にまたがってみて、ぴったりなサイズを選びましょう。
安全対策はしているか
自転車の練習時は転倒する危険があります。転ばないように注意しながら練習していても、バランスをくずすことや道端の石につまずくこともあるでしょう。
思わぬケガをすることもあるため、安全対策が必要です。転倒に備えて、大切な頭部を守る「ヘルメット」を着用させましょう。
また、長袖や長ズボンなど「肘やひざが出ない服」を着せると、転んだときの被害を抑えられます。「暑い時期は熱中症が心配」という場合は、「肘当て」や「膝当て」などの、防護アイテムを用意しておくと安心です。
子どもは、止まるタイミングがうまくいかないこともあります。夕方から夜にかけて公道などでいち早く自動車に見つけてもらえるように、「反射板」をつけるのも有効です。
適切な練習場所はあるか
練習場所の選び方も、重要なポイントとなります。車通りが多い場所・道路・駐車場などでの練習は危険です。取り返しのつかない事故につながる恐れがあるため、避けましょう。
練習場所は「自転車の乗り入れが許可されている広い公園やグラウンド」などがおすすめです。自転車に乗れるようになるまでは、継続して練習することになります。十分な練習時間を作るには、「家から近い練習場所」を選ぶとよいでしょう。
また、全国には、交通ルールを学びながら自転車や足踏みゴーカートなどに乗れる「交通公園」もあります。通常の自動車は入場できず、安全性に配慮しながらも公道の信号ルールに従って走れるのがメリットです。公園などである程度慣れてきたら、利用してみましょう。
自転車の練習は段階ごとに進めよう

子どもの体格に合った自転車と場所を準備できたら、いよいよ実践です。自転車に乗れるようになるために、おすすめの練習方法を見ていきましょう。
足で地面を蹴って進む
まずは、自転車に乗る感覚をつかむために、「自転車にまたがった状態で地面を蹴って進んでみる」ことから始めましょう。ペダルは地面を蹴る邪魔にならないように、近所の自転車店で外してもらいます。
「ハンドルをしっかりと握ること」と「進行方向を見ること」がポイントです。足元を見ていると事故につながるため、しっかり前を見て地面を蹴ることを徹底しましょう。自転車に乗れるようになるためには、「バランス感覚」をつかむことが大切です。
坂道や凸凹した道は難易度が高く、転倒のリスクがあります。障害物がない平坦な場所を選んで、練習させましょう。
ストライダーを使うのもひとつ
「自転車の練習にはまだ早いかな」と感じたら、「ストライダー」に代表される「バランスバイク」の利用もおすすめです。ペダルがついていない二輪遊具で、足で地面を蹴って進むことから「キックバイク」とも呼ばれます。
ストライダーで遊ぶと、自転車に乗るためのバランス感覚を養いながら脚力を鍛えられるでしょう。ペダルがないこと以外は、自転車に近い作りをしています。早い時期からキックバイクで遊び始めた子どもはバランス感覚をつかみやすく、自転車に慣れるのも早いでしょう。
対象年齢は、製品ごとに異なりますが一般的に「1歳半から5歳まで」です。軽車両ではなく遊具のため、一般公道は走れません。公園内や家の庭などで遊ばせましょう。
慣れたらペダルを付けてこぐ
地面を蹴って前に進む練習を続けていると、だんだんと安定して進めるようになってきます。「地面から足を離しているときに、ふらつかなくなってきた」ら、ペダルを付けて練習を始めるタイミングです。
最初は「スタンドを下ろした状態」でサドルにまたがり、ペダルをこぐ動作に慣れさせるとよいでしょう。ペダルをこぐ動作が加わることで、ハンドルに意識がいかなくなり、動きが安定しにくくなります。ハンドルをしっかりと握れているか、注意して見てあげましょう。
こいでいる途中で足がはずれてしまうときは、足の位置が後ろすぎるかもしれません。親指の付け根にあたる「母指球」をペダルの真ん中に来るようにすると、力を入れて踏みやすくなります。
脚力が足りないとうまくペダルをこげないため、気長に練習することが大切です。練習を続けるうちに脚力が付いてきて、うまくこげるようになります。バランス感覚が身についていれば、こぐ力が足りずに進まなくなっても簡単には転びません。
慣れるまでは、「最初の踏み込み」がうまくできずにバランスをくずしてしまうこともあります。少し押してサポートしてあげましょう。
乗れたらハンドル操作を覚える
ペダルをこいで前に進めるようになったら、次は思った通りの方向に進めるようにハンドル操作をマスターする段階です。
まっすぐ進むだけでなく、曲がる練習やブレーキをかける練習もしましょう。小さな子どもにとって、「ブレーキを握ると動いている自転車が止まる」と理解するのにも時間がかかります。
最初は感覚をつかむために親が走って並走し、ブレーキのタイミングでハンドルを握ってあげる方法が有効です。
ハンドル操作は、「体の向き」と「視線」と連動します。体の向きがまっすぐのままでハンドルだけを曲げると、バランスがくずれて倒れる原因です。
カーブでは曲がる場所を見極めようとして視線を下に落として近くを見がちですが、視線は進行方向の遠くに持っていくと自然に体が傾いて曲がれるようになります。
上達するためのポイント

一生懸命、頑張っている子どもの様子を見て、「もっとよいアドバイスができたらな」と感じるママやパパも多いでしょう。
なかなか上達しない場合、どんなポイントに気をつければよいのでしょうか?上手な練習法のポイントを紹介します。
乗り方の見本を見せる
大人が自転車に乗っている姿を見せることで、コツをつかむ子どももいます。お手本を見せて、観察できる機会をつくりましょう。
サドルにまたがる動作や地面を蹴って進む方法など、実際にやっている姿を見せた方が、口で説明するよりもわかりやすい場合があります。
子どもの理解がいまいちだと感じたときは、見本を見せてあげましょう。たとえ同じ動作でも、何度も繰り返し見せてあげることで理解を深められるはずです。
前をしっかり見ることを教える
自転車の練習中は、地面を蹴る・ペダルをこぐなど、足元に注意が向きがちになります。基本的に、自転車は「前を見てこぎさえすれば進む乗り物」です。
地面を見ていては、スムーズに前に進みません。視線が足元にいってしまうと、前方への注意も向かなくなります。「顔を上げて、前を見て」と声をかけてあげましょう。
どうしても足元に注意が向いてしまう場合、親が前方に立って声をかけながら練習すると、前を向きやすくなります。
褒めてやる気を引き出す
自転車の練習がうまくいかないときに、怒られたり突き放されたりすると子どもはやる気を失ってしまいます。「どうしてできないの?」と言われると、萎縮してしまう場合もあるでしょう。
自転車に乗れるようになるには「練習の積み重ね」が大切です。続けることが嫌になってしまうような方法は避けましょう。
「以前より進む距離が長くなったね」「前を見てこげるようになったね」など、良い点を具体的に褒め、やる気を引き出すことがポイントです。
褒めることがなくても「乗れるようになったら、自転車で一緒に買い物に行こうね」というように声をかけ、自転車に乗れるようになることの楽しさを伝えましょう。
まとめ
子どもの体格に合った自転車を選び、安全な練習場所を確保できたら、子どもの気持ちに合わせて練習を開始しましょう。最初は自転車に乗る感覚をつむことにポイントを置き、だんだんとステップアップすることが、上手に指導するコツです。
大人がお手本を見せてあげると、コツをつかんで上達する子どももいます。なかなか上達しなくても焦らずに、よいところを見つけて褒めて伸ばしてあげましょう。
練習が嫌になってしまうと、自転車に乗る楽しみも感じられなくなってしまいます。楽しく安全な練習を心掛けること大切です。