マットレスのカビを取る方法はある?掃除の仕方や予防法も徹底解説

第126回 みんなが共感!ママのお悩み

マットレスにカビが発生する原因

マットレスは気軽に丸洗いできるものではなく、カビが生えるとその後の処理が面倒です。しかし、体を横たえているだけのマットレスに、なぜカビが生えてしまうのでしょうか?

主な原因は寝汗とゴミ

人が寝ている間にかく「寝汗」や体から出る「皮脂」「髪の毛」、マットレスから出る「ホコリ」「ゴミ」などもカビの主な発生原因といわれます。

これらが付着することで、マットレスは「カビが好む環境」になりやすいためです。一般に、カビは以下の条件で繁殖しやすくなるといわれます。

・温度が20~28度くらい
・湿度が60~80%以上
・養分(ゴミ・ホコリなど)が豊富

人が横たわるとマットレスは体温で温められる上、寝汗によって湿気を持つようになります。加えて人の皮脂や髪の毛、垢なども付着しており、カビのエサは豊富です。

まさに、カビにとっては理想の環境といえるでしょう。カビの胞子は、見えないながらも常に空気中を浮遊しています。最適な育成環境があれば、カビはどこにでも生えるのです。

そのまま放置するのはNG

マットレスに付着したカビを吸引し続ければ、「アレルギー」や「喘息」などの症状を発症するかもしれません。カビをエサにダニが発生することも懸念され、免疫力の低い高齢者や乳幼児はもちろん健康な人でも注意が必要です。

また、カビはいったん発生すると自然消滅することはなく、繁殖し続けます。放置を続けるとマットレスからシーツやベッド、あるいは壁や床までカビが広がるおそれもあるでしょう。

カビは目に見えるものがすべてではありません。小さなカビでも見つけたら放置せず、早急に適切に対処するのが望ましいのです。

マットレスのカビを除去する方法

マットレスに生えたカビは、家庭でも対応可能です。ただし、カビの範囲や繁殖具合によっては、プロの手を借りることも検討した方がよいかもしれません。マットレスにカビが生えたときの除去方法について紹介します。

消毒用エタノールを使う

カビの除去には、高い消毒力のある「消毒用エタノール」がおすすめです。エタノール濃度が「76.9~81.4vol%」のものを指します。エタノールが最も消毒力を発揮するのは、「80%」前後といわれています。

カビ取り剤や漂白剤に比べて人体への影響が少なく、マットレスを傷める心配がありません。カビによる黒ずみまでは消せませんが、殺菌は十分に可能です。

まずはエタノールをスプレーボトルに移し、それからカビの除去を始めます。

1.カビが生えている場所に消毒用エタノールをスプレーする
2.1時間程度放置する
3.ぬるま湯に浸してよく絞ったタオルで拭く
4.乾燥させる

ポイントは、「消毒用エタノールをカビが湿るほど吹きつけてタオルでたたくように拭くこと」です。またカビを除去した後は、しっかりと乾かす必要があります。天日干しが望ましいですが、ドライヤーを使ってもよいでしょう。

カビや湿気の臭いが気になる場合は、水200mlに重曹小さじ1杯を混ぜた「重曹水スプレー」を作り、消毒用エタノールを使う前に吹きかけます。5分ほど置いた後に布で軽く表面を拭き取ってから、消毒用エタノールを使いましょう。

なお、消毒用エタノールが目に入ると、目を損傷する危険があります。小さな子どもがいる家庭は、子どもがそばにいないことを確認してから消毒を始めましょう。

カビ除去スプレーを使う

カビの黒ずみまで除去したい場合は、布製品対応の「カビ除去スプレー」が有益です。まずはカビにたっぷりとスプレーし、30分程度置きましょう。1回でカビが消えない場合は、複数回吹き付けます。カビが消えたら、後はしっかりと乾かすだけです。

カビ除去スプレーを使う際注意したいのが、製品によっては「色落ち」の心配がある点です。実際に使う前に目立たないところに吹き付けて、色落ちチェックしてみることをおすすめします。

また「塩素系」のカビ除去スプレーは成分が強く、扱いには注意が必要です。マットレスの素材によっては、使うと傷めてしまうこともあります。

使用時は「酸性の洗剤とは混ぜないこと」「使用の際は手袋とマスクをすること」「換気しながら行うこと」などにも気を付けましょう。

クリーニング業者に依頼する

プロの「クリーニング業者」なら、業務用の機械や洗剤を使ってカビの除去を行ってくれます。マットレスに付着したダニの死骸や汚れなども落としてくれるため、マットレスを徹底的にきれいにしたいときに重宝するでしょう。

クリーニング業者は「持ち込み」のほか、「郵送」受付や「訪問クリーニング」を請け負っているところもあります。

ただし、マットレスの種類・大きさ、さらにはカビの繁殖範囲や汚れ具合によって、料金はまちまちです。クリーニング料金があまりにも高額になる場合は、買い替えた方が安く済むかもしれません。

カビを予防するための方法

マットレスのカビをきれいに除去できたとしても、使い方を改めないとまたカビが生えてしまうかもしれません。マットレスにカビが生えるのを防ぐには、どのような対策を取るのが望ましいのでしょうか?カビを予防する上でのポイントを見ていきましょう。

床に直接置かない

マットレスの裏にカビが生えているなら、「底面の通気性」が悪いということです。現在マットレスを床に直置きしている家庭は、「直置きをやめること」がカビの繁殖率低下につながります。

マットレスと床が直接触れていると寝汗などの水分が底面にたまり、放出されません。マットレス内部は常に湿気がこもった状態となり、カビが生えやすくなるのです。

現在マットレスを床に直置きしている家庭は、床とマットレスの間に「すのこ」などを挟んでみてはいかがでしょうか?空気の通り道ができて、湿気が逃げやすくなります。

部屋の空気を入れ換える

カビの繁殖を防ぐには、「適宜部屋の換気を行うこと」が大切です。湿気が部屋にこもりにくくなる上、空気中のゴミやホコリも排出されます。カビの好む湿気やエサが少なくなり、カビが生えにくくなるのです。

換気しにくい部屋だったり換気の効率を上げたかったりする場合は、「エアコン」を使うとよいでしょう。エアコンの「除湿機能」を可動させれば部屋の空気が循環し、効率的な除湿が可能となります。

日本はそもそも高温多湿な気候です。マットレスを置く部屋の環境にも配慮しないと、必然的にカビが生えやすくなります。

壁から離して置く

マットレスを壁際に設置している場合は、「壁から10cm程度」離しましょう。空気の通り道ができて通気性が高まり、湿気がこもりにくくなります。

マットレスの中には、「側面から湿気を排出するもの」も少なくありません。側面が壁に遮られていると湿気が排出されず、内部に残ってしまいます。放置すると、壁にまでカビが生えるおそれがあるでしょう。

また、窓際は結露しやすく、高湿度になりやすい場所です。必然的にカビが生えやすくなるため、マットレスは窓から離して設置します。

除湿シートやベッドパットを敷く

「除湿シート」は、マットレスから放出される湿気を吸収してくれます。マットレスの下に設置すれば湿気が減少して、カビが生えにくい環境となるでしょう。大きく重いマットレスを使っていたり、マットレスが干しにくかったりする家庭には特におすすめです。

一方、「ベッドパッド」はマットレスの上に設置して使います。寝ている間にかいた汗や汚れなどを吸収してくれるため、マットレスの清潔を保ちやすくなります。取り外しも簡単で、気軽に洗いやすいのもうれしいポイントです。

カビが生えたマットレスを捨てたいときは?

カビの繁殖具合からひどいときは、マットレスを廃棄してしまいたくなります。とはいえ、マットレスはサイズが大きく、そのままゴミに出しても回収してもらえないことがほとんどです。カビが生えたマットレスを捨てる場合、どのような方法があるのでしょうか?

粗大ゴミに出す

ほとんどのマットレスは、各自治体に依頼して「粗大ゴミ」として処分できます。処分の流れは以下の通りです。

1. 自治体に連絡をして回収日の予約を取る
2. 自治体が指定する取扱店にて「ごみ処理券」を購入する
3. ごみ処理券を貼ったマットレスを指定日に指定の回収場所まで持参する

処分費用は自治体によって様々ですが、1000~2000円が一般的です。ただし予約状況によっては、回収までに時間が必要です。

「今すぐに処分したい」という人は、自分でゴミ処理場に持ち込んだ方がよいかもしれません。まずは居住地の自治体に問い合わせて、ゴミ回収についての詳細を確認しましょう。

新品購入時に回収してもらう

新品のマットレスを購入する予定がある場合は、「購入店舗」に回収を依頼する方法があります。大手生活用品店や家具店、ベッドメーカーなどで「引き取りサービス」を提供しています。

ただし、回収を請け負うかどうかは店舗によって異なる上、自治体よりは処分費用も高めになるケースが多いようです。無料の場合もありますが、「同サイズ・同種類」など指定があります。

新品のマットレスを購入する予定がある場合は、店舗にて古いマットレスの回収について確認してみるとよいでしょう。

まとめ

マットレスは湿度・温度・養分の条件がそろいやすく、どうしてもカビが生えやすくなります。カビを見つけたら放置せず、消毒用エタノールやカビ除去スプレーなどできれいにしましょう。

カビが落ちない場合はプロの業者に任せるか、処分して新しいマットレスを購入するのがおすすめです。

また、カビが生えにくくするためには、マットレスの設置方法を工夫したり環境を整えたりすることが必要となります。家族みんなが安心して寝られるよう、マットレスの衛生状態は常にチェックしておきましょう。