では、「乳がん」と「子宮がん」を早期発見するために、受けておくべき検査とは?
「子宮頸がん検診では、子宮頸部という入口表面をこすりとって、その細胞を顕微鏡で見る『細胞診断』を行います。一般的な子宮がん検診では子宮頸がん検診のみを実施しており、子宮体がんは医師が必要と認めたときのみの実施となります」と、「こころとからだの元氣プラザ」理事・副所長の大村峯夫先生はいう。
ただし、子宮頸がん検診で異常なしと診断されていても、その後出血が続くような場合には、子宮体がんのことを考え、早めに婦人科を受診したほうが良いそう。
また、乳がん検診には、乳がん検診には視触診、マンモグラフィ、超音波検査の3つがある。それぞれ、どんな違いがあるのだろう?
「視触診は従来から行われてきた手法ですが、これで発見された乳がんは2センチ以上と比較的大きいことが多く、早期がんでない場合が多いのです。早期発見という点では、十分有効とはいえないでしょう」(大村先生 以下同)
●20~30代女性はマンモグラフィでなく超音波健診を
現時点で最も死亡率減少につながると考えられているのは、「マンモグラフィ」だそう。
「ただし、マンモグラフィは50代以上では非常に有効ですが、20代、30代などの若年層は乳腺が発達しているため高濃度で、レントゲンが通りにくく、診断精度が落ちてしまいます。日本人では40代でもやや精度が落ちる場合があるというデータもあります。
そのため、20~30代の女性の検診では、年1回の超音波検査が勧められることが多いという。ちなみに、国で行う乳がん検診は、40代からであり、20~30代は自費(4000円程度)となる。
ところで、乳がんの「自己触診」はどの程度有効なの?
「自己触診は、現在エビデンスは認められていませんが、早期乳癌の1/2は自己触診で見つけられているともいわれています。自己触診は1カ月に1度のペースで、生理中や生理前後を除いたタイミングで行うのが発見しやすくなるコツです」
鏡の前でチェックしたいのは、「左右の乳房の大きさに変化はないか」「皮膚にくぼみやひきつれなどはないか」「乳首の陥没やゆがみはないか」。さらに、実際に触り「しこりがない「乳首をつまんで分泌がないか」をチェックするそう。
ちなみに、数は少ないが、「遺伝性の乳がん」もあり、その場合は進行が早いため、三等親以内に乳がんを患った人が複数いる人は、注意が必要だと言う。
早期発見が最も大切な「子宮頸がん」と「乳がん」。自分だけでなく、家族のためにも検診は必ず受けたいものだ。
(田幸和歌子+ノオト)