ついついサボりがちなエアコンの掃除。自分でする?業者に頼む?

第42回 知っておきたいママ情報
エアコンの掃除はやった方がよいと分かっていても、つい後回しにしがちです。自分できれいにする方法が分かれば、挑戦する気持ちが湧くかもしれません。掃除の手順や、業者に依頼する場合のメリットなどを紹介します。

エアコンの掃除が必要な理由

室内や水周りの汚れとは違い、エアコンの内部の汚れは表からは見えません。そのため、あまり気にならないという人も多いでしょう。しかし、エアコンの掃除をした方がよい理由があります。なぜ、掃除しなければならないのか、見ていきましょう。

内部にはホコリやカビがいっぱい

エアコンをつけたときに嫌な臭いを感じたら、内部でカビが発生している可能性が高いでしょう。

エアコンは室内の空気を吸い込み、温度や湿度を調整します。吹き出し口の奥やフィルターに、ホコリや雑菌がたまりやすく、気温差によって内部に「結露」が生じることも少なくありません。湿度が高い状態になりやすいため、気づかないうちにカビが繁殖しやすいのです。

一度繁殖を許すと内部の汚れを栄養源にして、カビがどんどん増えていってしまいます。室内にカビの胞子や雑菌を振りまかないように、定期的な掃除が必要です。

効きが悪くなる

特別、暑い日というわけではないのに、エアコンの効きが悪いと感じることがあります。エアコンのフィルターに、ホコリやゴミなどがたまると「目詰まり」を起こし、効率よく室温を調整できなくなるのです。

フィルターは「熱交換器」をホコリから守るために、設置されています。目詰まりしてしまうと、空気を吸い込みづらくなり負担がかかってしまうのです。

以前よりも、室温が下がるまでにかかる時間が長くなったように感じる場合、内部の汚れを疑ってみましょう。ひどくなると、エアコンの奥の方にまで汚れが広がり、故障の原因になることもあります。

電気代が上がる

電気代をセーブするためにも、エアコンの掃除は大切です。フィルターがホコリで目詰まりしていると、なかなか設定した温度になりません。風量が減り、効き目が弱くなったと感じます。

冷えないので長時間運転することになる上、「設定温度」も低く設定しなければならないでしょう。電力が余計にかかり、電気代が上がる原因です。

省エネタイプを使っているのに電気代が高い場合や、使用頻度が変わっているわけではないのに例年より光熱費が高い場合も、エアコンの掃除不足が疑われます。

エアコン掃除をする前の準備

スムーズに掃除をするには、あらかじめ準備をしておくことが大事です。何もせずに進めると、思ったようにいかない場合があります。エアコンを掃除する前にやっておきたい、準備について理解を深めましょう。

エアコン掃除に必要な道具

エアコン掃除をするときに使用する、主な道具を紹介します。

・ゴミ袋
・養生テープ
・踏み台や脚立
・掃除機(あればハンディタイプが便利)
・雑巾
・ハンディワイパー
・歯ブラシ
・エアコン専用クリーナー

長く掃除をしていない場合は、ホコリの量が多いことが予想されます。ホコリを吸い込まないためのマスクも用意しておくとよいでしょう。エアコンは天井近くにあることが一般的なので、踏み台などもあると便利です。

エアコン周りを養生する

エアコンの本体がきれいになっても、周辺に汚れが飛び散っては後片付けが大変です。床・壁・天井・家具などを汚れから守るために、ビニールで養生しましょう。

大きめの「ゴミ袋」と「養生テープ」を使用して、養生します。ゴミ袋をハサミで「シート状」に切り開いてから、汚れを付着させたくない部分に貼りましょう。

電源部分やエアコンの表示部分なども、忘れずに養生します。天井や壁の高い位置に貼るときは踏み台の上に乗って作業することになるので、落ちないように注意しましょう。

養生する範囲は意外に広く、慣れないうちは時間がかかります。時間に余裕を持ってスタートすることがおすすめです。エアコンの近くにある、動かせる家具などは移動しておくと養生の手間を減らせます。

必ずコンセントを抜く

コンセントを挿したままでは「感電」の恐れがあるため、エアコンを掃除する前に抜いておきます。万一、掃除中に電源が入ってしまうとケガや故障の恐れもあるでしょう。

スイッチの周辺を拭いているときに「誤作動」することも考えられます。また、コンセント周辺にホコリが積もった状態で放置していると危険です。ホコリにたまった水分を吸って、漏電する心配があります。

コンセントは高い位置にあり、ホコリが積もっていても気づきにくいものです。エアコンの掃除をするついでに、コンセントの周辺もきれいにしておきましょう。

自分でエアコンの掃除をする方法

エアコンの汚れが軽度な場合、自分で掃除すれば十分な場合があります。費用も抑えられるので、挑戦して損はありません。自分で掃除するときの方法を見ていきましょう。

フィルターを取り外して洗う

エアコンの取り扱い説明書をチェックし、カバーを開けてフィルターを取り外します。長年使用したエアコンには、びっしりとホコリが詰まっているかもしれません。

掃除機で表面のホコリを取り除いた後、水洗いしましょう。流水をあててもホコリが落ちない場合、いらなくなった「歯ブラシ」などでこすり落とすと効果的です。

力を入れてこすりすぎると、フィルターを傷つけてしまうので注意が必要です。きれいになったら、風通しのよい場所でしっかりと乾燥させましょう。

エアコン内部の汚れを取る

フィルター周辺やカバー裏面などに、汚れが付いていることがあります。目立つところにあるホコリは、掃除機で吸引してきれいにしましょう。

吸い切れない部分は、ハンディワイパーや柄付きのスポンジを使うと便利です。入り組んだ部分は掃除機が届かずうまく吸えないので、大体のホコリがなくなったらよしとします。

あまり深追いすると、内部の部品を傷つけかねません。ホコリを取り終えたら、「雑巾」や「お掃除シート」などで、見える部分の汚れを拭き取ります。

黒ずんだ汚れが付いていることが多いフラップ部分も、忘れずに拭きましょう。熱交換器の汚れは「専用クリーナー」を吹き付けて落とします。メーカーによって使用法が違うため、説明書をよく読んでから使いましょう。

送風でしっかりと乾かす

エアコンの内部の汚れがきれいになったら、よく乾いた布巾で水気を拭き取ります。内部に水気が残っていると、再びカビや汚れが発生しやすくなるので、しっかり拭きましょう。

専用クリーナーを使うと、奥まで水が入り込むことがあります。拭き終えたと思っても、後から水が垂れてくることも珍しくありません。

掃除が済んだら「送風モード」にして2~3時間運転し、拭き取れなかった部分も完全に乾かすことがポイントです。送風モードがない場合、冷房の温度を「30度以上」に設定して運転するとよいでしょう。

エアコン掃除を業者に頼むメリットって?

自分でやれば費用を抑えられますが、業者に頼むメリットは大きいでしょう。一度業者に依頼すると、次回も業者に任せたくなるかもしれません。業者に依頼するメリットを紹介します。

短時間で掃除が完了する

業者へ依頼すれば「プロが素早く的確に掃除してくれる」ことが大きなメリットです。自分でやる場合とは違い、作業に慣れている人がやるので、スピーディーに作業が進みます。

掃除前の下準備から後片付けまで、自分でやるよりも、ずっと短い時間で完了するでしょう。選ぶコースにもよりますが、1時間未満で終わることも珍しくありません。

慣れていない人がやると、思っている以上に時間がかかってしまいます。忙しい人は無理をせず、業者に任せた方が無難です。貴重な時間を有効活用でき、掃除をしてもらっている間に家事や仕事ができます。

故障するリスクが少ない

エアコンの掃除をする業者は素人に比べて「エアコンの仕組み」をよく分かっているため、掃除中に壊してしまうリスクが少ないところもメリットです。

経験が豊富で技術力が高い業者を選べば、精密機器や部品などを壊さないように、丁寧に扱ってくれます。万一、故障してしまっても大半の場合は補償してもらえるでしょう。

優良な業者は「賠償責任保険」に入っているので、掃除中にエアコン本体や壁・天井などの破損が起きた場合は修理代を負担してくれます。

補償の内容は、契約する前によく確認しておきましょう。補償内容をチェックすることで、良い業者かどうかを見極めるポイントにもなります。

奥までしっかりと洗浄

業者に依頼すると、素人では手が届かない奥の方まで掃除をしてくれます。パーツを分解して、表から見えない部分まで洗浄してもらえるので「目に見えない部分の細かい汚れ」まで、きれいになるでしょう。

素人が分解しようとすると、故障してしまったり元に戻せなくなったりする可能性が高く、知識や経験がない場合、チャレンジすることはおすすめできません。

依頼するコースによっても異なりますが、カビが生えにくいように専用のスプレーを使って、洗浄後の美しさが長持ちする環境を整えてくれる場合もあります。清掃後もずっと、汚れにくい状態をキープできるでしょう。

部屋を汚さず作業してくれる

プロに頼めば、部屋を汚さずに作業が完了します。エアコンの掃除中は、洗剤や水などが飛び散ることもあるので、ビニールシートなどで養生しなければなりません。

一般人はこうした作業に慣れていることが少なく、養生し切れない部分が出てきてしまうことがあります。テープの選び方を間違えれば、大切な家具に跡が残ってしまうかもしれません。

一方、プロはテープやシートにもこだわって、室内が傷つかないように気を遣ってくれるところがメリットです。片付けや撤収もスムーズにこなしてくれるでしょう。

エアコン掃除の業者を選ぶポイント

お金を払って業者に依頼するのですから、失敗したくないと考える人は多いでしょう。初めて業者に依頼する場合、費用やサービス内容などで悩むことが少なくありません。注意したいポイントを見ていきましょう。

料金の相場を知っておこう

エアコン清掃を業者に頼むとき、相場が分からないと安いか高いか判断できません。相場は住んでいる地域や、エアコンの種類によって違います。

通常のエアコンの場合「1万円程度」で、引き受けてもらえるはずです。掃除機能を搭載したタイプの場合、構造が複雑なので5000円程度上乗せされることがあるでしょう。

相場が分からないと、深く考えず最初に見積もりを頼んだ業者に依頼してしまうことがあるかもしれません。少しでもコストを抑えたいと考えるのであれば、複数の業者から見積もりを取ることがおすすめです。

サービス内容も確認して

安さだけに飛びついてしまうと、受けたかったサービスが受けられず、後悔することになりかねません。防カビ仕上げや抗菌コーティングなどが総額に含まれる場合もあれば、別料金となっていることもあります。

複数のエアコンの清掃を一度に頼むと、割引になるサービスを導入している業者もあるので、うまく利用しましょう。室外機清掃に対応している業者を選ぶと、放熱をスムーズにでき、エアコンの運転効率がよくなります。

見積もりの内容をよく確認し、不明点がある場合は納得できるまで依頼しないことが大事です。確認を怠ると「追加料金」が発生し、結局は割高になってしまうかもしれません。必ず、総額をチェックしましょう。

エアコンをきれいに保つコツ

掃除後の清潔な状態を長持ちさせるには、使い方に注意が必要です。同じ頻度で使用していたとしても、どんな使い方をするかによって汚れ具合が変わってきます。エアコンを汚しにくい、使い方のコツを見ていきましょう。

部屋を換気する

エアコンは室内の空気を吸い込んで、熱交換器で温度を調整し室内に再び空気を戻す構造です。部屋の空気が汚れていると、エアコンの内部が汚れやすくなります。

真夏や真冬は、室温を維持しようとして換気を怠りがちですが、定期的に窓を開けて空気を入れ替えた方が、エアコンをきれいに保てるでしょう。

風が強い日や黄砂の心配がある日は、窓を開け放していると、かえって部屋の空気が汚れることがあります。天気やその日の大気の状態によって、換気の時間を変えましょう。

また、きれいな空気を維持するには、換気をするだけでなく、室内にゴミをため込まないようにすることも大切です。部屋の掃除を小まめにした方が、空気を汚さずに済みます。

送風で内部を乾かす

送風モードには、エアコンの内部を乾燥させる効果があります。エアコンを使用した後は「送風モード」を使用して、内部にある冷えた空気を適温に戻しましょう。

冷房運転後に何もしないでいると、結露が発生しカビが生えやすくなります。「30分程度」送風を続けると内部が乾燥した状態になり、カビを防げるでしょう。

結露は内と外で気温差が大きいときに生じます。送風モードがないエアコンの場合、冷房の設定温度を高く設定して運転しましょう。

除湿運転をすると、エアコンの湿気も取れるのではないかと勘違いしがちですが、除湿はエアコンに水分を集めて屋外に排出する仕組みです。使用すると、逆効果になるので注意しましょう。

エアコン掃除の気になる疑問

エアコンの掃除をするにあたって、様々な疑問が出てくることがあります。いつ・どれくらいの頻度で掃除したらよいのか、分からない人もいるでしょう。掃除のタイミングや、機種による頻度の違いなどを紹介します。

掃除をするタイミングは?

自分でエアコンの清掃をする場合「本格的に暑くなる前の時期」がおすすめです。掃除中はエアコンの運転ができず、盛夏にやろうとすると暑いなかで長時間、格闘することになります。

業者に依頼する際、6~8月の繁忙期は避けた方が無難です。料金が割高になるだけでなく、予約が取りにくいなどのデメリットがあります。

業者によっては、5月ごろから料金を高く設定している場合もあるので、はやめに依頼した方が安心です。ほかにも、秋ごろに涼しくなったタイミングで掃除をするのもよいでしょう。

どれくらいの頻度で掃除をすべき?

定期的に掃除をした方がよいとはいっても、具体的にどれくらいの頻度でやるべきなのでしょうか。業者に依頼する際は、隅々まできれいにしてもらえるので「2~3年に1度程度」が目安です。

自分でやる場合、1年に1度は内部までしっかりと掃除しましょう。1度でもエアコンを掃除して内部の汚れを知ってしまうと、小まめにやりたくなるはずです。

使用頻度が高い場合は汚れやすいため、汚れの度合いに応じて掃除の頻度を変えることも必要です。特に汚れやすいフィルターを中心に、様子を見て3カ月に1回程度の割合で掃除しましょう。

掃除機能付きエアコンでも掃除は必要?

掃除機能が付いたエアコンは、内蔵されたダストボックスにホコリを集める仕組みになっています。ホコリがいっぱいになる前に、人の手で捨てなければなりません。

長い間放置してしまうと、ホコリの吸入口が詰まってしまうこともあります。そのままにしておけば、詰まったホコリにカビが繁殖してしまう心配があるでしょう。

掃除機能が付いていないものに比べれば頻度は減りますが、カビや雑菌まで自動で掃除する機能は付いていないため、定期的な清掃は必要になります。

まとめ

エアコンの掃除を大変だと思う人は多いでしょう。しかし、定期的にエアコンを掃除すると衛生的なだけでなく、エアコンの性能を維持し電気代がかさむことも防げます。

手順が分かっていれば、素人でも特殊な道具を使用せずきれいにできます。パーツを分解し、奥の方まで徹底的にきれいにしたいときは、業者に依頼することがおすすめです。

素人が分解すると故障したり、元に戻せなかったりすることがあります。時間が作れない場合や、掃除の手間を減らしたい場合も業者を利用しましょう。