加工肉に発がん性、食べないほうがいい?

第154回 今日の注目を紹介! ママニュースアンテナ
先月10月に、世界保健機関(WHO)の国際がん研究機関(IARC)が、ソーセージやベーコン、ハムなどの加工肉に発がん性があり、大腸がんを発症するリスクがあると発表したことが話題になりました。

今回の発表では、5段階ある発がん性の評価で、加工肉がタバコやアスベストと同じ最高レベルに分類されています。加工肉を毎日50g食べると、がん発症率が18%ほど高くなると言われており、ステーキなどの赤身の肉にも発がん性があるそうです。

加工肉に発がん性、食べないほうがいい?

●世界から批判される結果に

発がん性があるとわかったからには、食べることを躊躇してしまいますが、今回のWHOの発表に対して、世界中から批判の声があがっています。例えば、ソーセージの本場・ドイツのクリスチャン・シュミット農相は「ソーセージを食べることを怖がる必要はない」とコメント。このようなコメントがアメリカやオーストラリア、中国などから発表されました。さらに、食品安全委員会は「リスクが高いと捉えるのは適切ではない」とし、国立がん研究センターも「日本人の平均的な摂取の範囲であれば、影響はないかあっても小さい」とコメントを発表しています。

これら批判の背景には、今回のWHOの発表のなかに、がんを発症させるメカニズムや摂取量についての説明がされていなかったことがあるでしょう。また、発がん性の評価が最高レベルでありながら、加工肉の過剰摂取が原因のがんの死亡者は世界で年間約3万人と低いデータもあるためのようです。

●ほどほどに食べる分には問題がない

前述の批判を受けて、WHOは「加工肉を食べないように求めているわけではない」と再びコメントを発表しました。加工肉を食べたからと言って、がんを発症するわけではなく、加工肉の摂取量を控えることで、リスクを減らすことができるそうです。国立がん研究センターのコメントにあったように、日本人の摂取量であればさほど気にする必要はないのかもしれません。

ただし、日ごろから加工肉や赤身肉を大量摂取していると自覚がある人や、発がん性は気になるという人は、摂取量を調整してみてはいかがでしょうか?
(文・奈古善晴/考務店)

※本記事の情報は執筆時または公開時のものであり、最新の情報とは異なる可能性がありますのでご注意ください。