実母の過干渉にうんざり?壊れかけた家族関係の修復法とは?

第3回 実母の老いが受け入れられない!
大好きだったはずの母が、孫ができた途端に口うるさくなってしまった…母との距離感がわからなくなってしまった…育児を手助けしてもらっているうちに、急に実母との関係がギクシャクし始めた…そんなママは必見! これまで、多くの家族問題を解決に導いてきたNPO法人「ファミリーカウンセリングサービス」代表の村田雅春氏に、壊れかけた母子関係の修復法を聞いた。

●母親に反発せず、なるべく肯定的に接することが大切!

「これは家族に留まらず、友人や周囲の人、すべてにおいて言えることですが、相手を変えるということはとても難しいことで、また、変えられようとする側もストレスがたまる。一番手っ取り早いのは、まず、“修復しなければいけない”と気づいたあなた自身が変わるということなんです。日本人の嫌な癖で、どうしても人の悪いところばかりに注意がいきがちですが、物事を肯定的に捉える癖をつければ、家族関係のみならず、会社やママ友関係でも、あなたを取り巻く人間関係は変わるはず。ですから、親子や夫婦関係が悪くなったな…と気づいたら、逆にそれは、人間として成長するチャンスかもしれません」(村田氏 以下同)。

子どもが生まれてママになったものの、実母からは子ども扱いされ、育児に干渉されたりと、密な関わりをわずらわしく考えるママたちにこそ、実践してほしい方法があるという。

「まずは苦手な家族を“名トレーナー”だと思いましょう。命令や干渉は、恋人や家族独特のものなので、そこで子どものように反発せず、なるべく肯定的に接して耐えしのげば、外の人間関係でも、たやすく柔軟に対応できるはずです。実験をしているような感覚で、自分が優位に立ち、お母さんの命令や干渉を客観的に見るようにしましょう。お母さんに止めてほしいことを頭ごなしに注意するのではなく、“そのアイデアはものすごくいいと思うけど、こうすればもっとよくなるんじゃない?”と1度肯定した上で、自分の意見を言うように努力してみて下さい」

母との関係を子どもたちは見ている

年老いた母親にとって、感謝の気持ちや褒め言葉は、最高のご褒美だという。

「干渉する母親を責めるのではなく、“ありがとう!”と感謝の気持ちに変えてみましょう。人間にとって、感謝の言葉は最高の報酬なのです。自分がお母さんにしてほしいことを、まずは自分がしてあげましょう。“育ててくれてありがとう”“産んでくれてありがとう”と、時折伝えてあげるだけでも、母子関係はきっと改善されるはずです。これは夫婦間においても有効です」

特に同居の場合、子どもたちは、母と祖母の関係から学んでしまうことが多いという。

「おばあちゃんとママがケンカばかりしていると、当然その刺激は大切な子どもたちへと伝わります。ママが老いたおばあちゃんを敬い、優しくしてあげれば、それを見ていた子どもたちは、将来きっと、あなたを大切に労わってくれるでしょう」

因果応報とはこのこと。親との関係が、やがて自分と愛する子どもたちの関係につながることをしっかりと認識しておけば、家族への対応も柔軟になり、ギクシャクした家族関係も改善されるかもしれない。

(取材・文/蓮池由美子)

お話をうかがった人

村田雅春
村田雅春
NPO法人「ファミリーカウンセリングサービス」代表
家族関係心理士、基礎インストラクター、スーパーバイザー。幼少時代からの極貧生活のコンプレックスから吃音症になり、大人になっても人間関係が苦手だったが、素晴らしいカウンセラーに出会ったことで心が癒される。吃音症から解放された後は、東京、横浜、愛知、岐阜、大阪、福岡で牧師としても活動。「スプリングオブライフ命の泉」(岐阜放送)の講師も担当している。
家族関係心理士、基礎インストラクター、スーパーバイザー。幼少時代からの極貧生活のコンプレックスから吃音症になり、大人になっても人間関係が苦手だったが、素晴らしいカウンセラーに出会ったことで心が癒される。吃音症から解放された後は、東京、横浜、愛知、岐阜、大阪、福岡で牧師としても活動。「スプリングオブライフ命の泉」(岐阜放送)の講師も担当している。