ランタンの魅力

キャンプで使用する灯りは、屋外で使用できるポータブルタイプのライトなら何でもよいというわけではありません。キャンプでランタンを使う魅力を紹介します。
実用性はもちろん、雰囲気づくりにも
キャンプ場ではテントの中や周辺を照らす灯りがなければ、日が暮れた後に安全に行動できません。灯りが足りず心細い思いをしないように、メインと補助用の2種類のランタンを用意しておくと安心です。
周囲を明るく照らすだけでなく、見ているだけで癒されるような雰囲気があるところもランタンの魅力です。ランタンに火を灯すだけで「キャンプに来た!」という実感が深まるでしょう。
自然の中で時間を過ごすときだけでなく、日常生活でも急な停電や災害時などに活躍してくれます。キャンプのとき以外にも意外と出番が多いので、迷っている場合はぜひ購入を検討してみましょう。
ランタンの種類

キャンプ用品売り場へ行くと、たくさんの種類のランタンが並んでいます。キャンプだけでなく、使うアイテム選びや準備も楽しみのひとつという人は多いでしょう。選び始める前におさらいしておきたい、ランタンの種類や特徴を紹介します。
子どもも扱いやすい「LED」
LEDを使用したランタンは、熱が出ないので子どもでも安心して使えます。誤って転倒した際に、火事になるリスクがないところが魅力です。
火を使わないので一酸化炭素も出ず、「テント内」で安全に使用できます。乾電池式や充電式などのタイプがあり、スイッチひとつで点灯する手軽さも魅力です。
ほかの種類に比べ、火をつけるための燃料や道具を持ち運ばなくてよいため、多くなってしまいがちな荷物を、コンパクトにできるところもメリットだといえます。
連続して点灯できる時間をよく確認し、必要なら予備の電池やモバイルバッテリーなどを持って行くようにしましょう。
周囲を明るく照らす「ガソリン」
ガソリンを燃料にして灯りにするタイプは、非常に明るいことが特徴です。燃焼中に熱が発生するので、寒い時期にもささやかながら暖かさをくれるでしょう。
タンクに燃料の「ホワイトガソリン」を注ぎ、使用します。火をつけるには、タンク内に空気を入れて圧力をかける「ポンピング」や、発光に必要な「マントル」のセッティングなどを行うことが必要です。
正しい手順を覚えなければ灯りがつかない上に、使用後のメンテナンスも必要になるので手間がかかります。また、ガソリンの扱いに関する知識がないと、事故につながりかねません。
しかし、大変だからこそ、灯りがついたときの喜びは大きくなります。灯りをつけること自体がひとつのイベントになり、キャンプに来た醍醐味を味わえるはずです。
点火がらくらく「ガス」
ガスランタンはガソリンランタンに比べ、燃料を注ぐ手順がなく初心者でも楽に扱えます。「OD缶」と呼ばれるガス缶を利用し、ガスに火をつけて灯りにする仕組みです。
OD缶は屋内でカセットコンロなどに使用するガス缶とは違い、丸みのある形をしていてアウトドアで使用できます。場合によっては、調理用のバーナーと燃料を兼用することもできるでしょう。
やや燃費が悪くコストがかかりやすい点や、高地や寒冷地では光が弱まるなどのデメリットはありますが、キャンプらしい灯りを手軽に楽しみたい人におすすめです。
長時間の使用に「オイル」
オイルランタンは「灯油」や「パラフィンオイル」などの燃料を使用し、燃料を含ませた芯に火をつけて灯りにします。ランタンの上部から空気を取り込み、タンク内で対流を起こして燃え続ける仕組みです。
パラフィンオイルは、ろうを溶かして液状にしたもので、揮発性が低く比較的安全に使用しやすいでしょう。防虫効果があるオイルや、アロマが配合されたタイプなどもあり、燃料を選ぶ楽しさもあります。
目を見張るような明るさはありませんが、優しく穏やかに周囲を照らし、長時間じっくりと燃焼し続けることが特徴です。炎がゆらめく様子を見ているだけで、心が癒されるでしょう。
ランタンの選び方

使いやすいランタンを選ぶには、種類以外にもチェックしたいポイントがあります。初めてランタンを購入するとき、どこに気を付ければよいのか見ていきましょう。
明るさや光の色で選ぶ
ランタンを選ぶときの基本は、明るさをチェックすることです。明るさが足りないと、足元がよく見えず転んでしまったり、作業の際に手元が見えづらくなったりするでしょう。
光の量はlm(ルーメン)という単位で表せます。周囲に光源が何もない状態のキャンプで、メインの灯りとして使用するなら「1000lm」程度の光量が必要です。
キャンプの参加人数や、テントの広さによっても変わってくるので、適当なものを選びましょう。LEDランタンを選ぶときは、光の色も重要な要素です。
LEDライトには様々な色味がありますが、白色より暖色系を選ぶとキャンプらしい雰囲気になります。複数の色味や明るさを調整できるものなら、用途に応じて使い分けられて便利です。
使用する場所・用途に合わせて
ランタンは明るければ明るいほどよいというわけではなく、場所や用途に合わせて選ぶことがポイントです。テント内の照明や、補助としてLEDランタンを使用する場合は、「300lm」までのものが一般的に使いやすいでしょう。
日が暮れた後に、何時間くらい灯りをつけている時間が必要かを考えて、十分な燃料や電池を準備しておく必要があります。必要な燃料の量は、ランタンの種類や使い方によって異なることがポイントです。
キャンプにおすすめのランタン

本格的なキャンプグッズをそろえたいと思っているなら、アウトドアブランドのランタンがおすすめです。初めてランタンを使用する人でも使いやすい、おすすめの商品を紹介します。
取り付けや着火が簡単「コールマン 2500ノーススターLPガスランタン」
「200W相当」の光量があり、メインランタンとして使えるガスランタンです。ワイヤークリップで、簡単にマントルを取り付けられるようになっていて、初めてガスランタンを使用する人でも簡単に扱いやすいでしょう。470gのガス缶を使用し、約4~8時間使用できます。
コールマンは、元々ランプやランタンメーカーとして出発したアウトドアブランドです。老舗メーカーとして高品質な製品を作り続けており、ランタンスタンドやポール用のランタンハンガーなど、別売りのオプションも充実しています。
世界中で愛される「スノーピーク ギガパワーランタン 天 オート」
ハイエンドなアウトドア用品を展開するブランドとして知られる、スノーピークのガスランタンです。1998年に発売されて以来愛され続けているモデルを、より使いやすくリニューアルしたタイプとなります。
テーブルランプや補助用などに使いやすい「80W相当」の明るさがあります。接続部分に軽量なアルミを使用し、重量は約125gと携帯性にも優れています。
本体のサイズは「直径5.9×9.5cm」と小ぶりです。収納ケースに入れた状態もコンパクトで、荷物が多くなりがちなキャンプでもストレスにならないでしょう。
持ち運びに便利な軽量タイプ「プリムス 541マイクロンランタン」
少人数でのキャンプにおすすめな「90W相当」の明るさを確保できる、ガスランタンです。耐熱ガラスではなく「メタルメッシュホヤ」を使用しており、割れる心配をせずに持ち運べます。
本体の重量は124gと軽量で、キャンプだけでなく登山などでも活躍するでしょう。点火装置付きで、着火が簡単です。同メーカーのIP-250タイプのガスを使用したときの燃焼時間は約8時間と、小さくても頼りになるでしょう。
「ワイヤーサスペンダー」が付属し、テーブルの上に置いて使用するだけでなく、ランタンをつり下げて持ち運べます。シンプルで長く使えるものを求めている人におすすめです。
インテリアにも?おしゃれなランタン

ランタンはアウトドアで使用するイメージがありますが、インテリアに使用したくなるような、おしゃれなデザインのものもあります。キャンプ以外のシーンでも使いたくなる、おしゃれなランタンを見ていきましょう。
キャンドルのような柔らかい光「BALMUDA The Lantern」
キャンプにもインテリアにもおすすめな、使い勝手がいい充電式LEDランタンです。モダンな雰囲気があり、ベランダの灯りやガーデニングなどに使用しても違和感がありません。
シェードの部分が丈夫な「ポリカーボネート素材」で作られ、衝撃に強いので持ち運びに適しています。明るさは約「195lm」で、光の強さに応じて自動で色合いが変化することが特徴です。
上から下に照らす構造で、目に優しくまぶしさを感じにくくなっています。キャンドルのように光がゆれる「ゆらぎ機能」を使用すれば、自然の炎のように見えるでしょう。
・商品名:BALMUDA The Lantern
スマホが充電可能「ロゴス Bamboo ゆらめき・コテージランタン」
ファミリーユースのアウトドアメーカーとして、人気がある「ロゴス」のLEDランタンです。スチールと竹を組み合わせたおしゃれな見た目が、大人っぽい雰囲気を醸し出します。
温もりが感じられる暖色のライトと、「ゆらめきモード」で本物の炎と見間違うような光を楽しめるでしょう。明るさは「約200lm」と、テント内での使用や補助的な役割におすすめです。
充電が満タンな状態で、明るさを最強にした場合、約10時間の使用ができます。リチウムイオン蓄電池を内蔵し、スマホを充電する機能もあり、予備の電源としても役に立つでしょう。
味わいのあるブロンズカラー「キャプテンスタッグ CS オイルランタン」
アウトドア用品の総合ブランド「キャプテンスタッグ」のオイルランタンです。材質は銅メッキを施した鉄や耐熱ガラスで、アンティークな雰囲気を感じさせるデザインが魅力となっています。
白灯油やランタン用パラフィンオイルに対応し、約20時間も灯りをつけられる仕様です。柔らかい光で、幻想的な雰囲気を味わえるでしょう。
本物の炎を使用した、灯りのよさを手軽に感じられます。換気の悪い場所では使用できないので、屋外や自宅のベランダなどで使いましょう。
災害時に活躍するランタン

災害時は電気が使えなくなるため、夜になると不自由な思いをすることになるでしょう。いざというときのために用意しておきたい、災害時でも便利に使えるランタンを紹介します。
ソーラー充電式「DOD LEDソーラーポップアップランタン」
伸び縮みするシリコン製の風防を使用した、「ポップアップ構造」のLEDランタンです。使うとき以外は畳んで持ち運べます。畳んだ状態でも灯りをつけられ、コンパクトな懐中電灯としても活躍するでしょう。
乾電池式・USB充電式の2wayで便利に使えるほか、ニッケル水素電池を使用してソーラー充電もでき、災害時に備えて準備しておくと安心です。
ハイパワーモードで「200lm」の明るさとなっており、電源を切ってもほんのりと光る「蓄光」の機能も備えているので、真っ暗闇の中でもランタンがある場所を簡単に見つけられます。
・商品名:DOD LEDソーラーポップアップランタン
タフな防滴仕様「ジェントス エクスプローラー EX-036D」
白色・昼白色・暖色の3色に切り替えられ、最大で「450lm」の明るさがある、乾電池式のLEDランタンです。色ごとに強弱を切り替えられます。
もっとも強い光で照らしたときは約18時間、明るさを弱めれば約255時間も使えるでしょう。光がゆらめく「キャンドルモード」も、搭載しています。
逆さまにしても使えるように底面にフックを内蔵し、トップカバーを外してロープに吊るした状態で使うことも可能です。少々の水滴がついても大丈夫な防滴仕様で、約1mの落下に耐える耐久性もあります。
大容量バッテリー「Beszing LEDランタン」
大容量の「5200mAh超」のリチウムバッテリー内蔵した、USB充電式のLEDランタンです。充電が満タンの状態で、弱い光なら約255時間まで照らせます。
昼白色・電球色・自然色の3色を切り替えられる機能付きです。調光に使用する+ボタンと-ボタンを同時に押すと、赤く点滅する機能もあり、緊急時の合図としても利用できるでしょう。
本体は「約直径8×高さ8.5cm」と小さく、子どもでも扱いやすくなっています。重さは184gと軽量で、非常用持ち出し袋やリュックの中に入れておきやすいでしょう。
・商品名:Beszing LEDランタン
まとめ
ランタンを選ぶときは、簡単に使えるものを選んだり、少々手間がかかっても雰囲気を重視したりと、様々なポイントがあります。安全な使い方を押さえておけば、初心者でも燃料を使用したランタンを使用できるでしょう。
手軽さを考えるならLEDランタンが便利ですが、キャンプならではの本格的な雰囲気を味わいたいなら、ガスやオイルなどの燃料を使用したタイプを選ぶことがおすすめです。
LEDタイプを選ぶときは、温もりが感じられる色にこだわると、雰囲気がアップします。キャンプだけでなく停電や災害時の備えとして、幅広く使えるでしょう。