地震による建物の倒壊・家具の転倒でおきる被害

地震による建物の倒壊・家具の転倒でおきる被害

建物や家具などの下敷きになったことで死に至る原因

倒壊した建物や家具などの下敷きになったことで、命を落とすことになる状況をイメージすると、外傷を負ったことでの出血や、頭部を強打したことによる脳へのダメージ、内蔵が圧迫されたことによる損傷などが思い浮かぶかもしれません。こうしたことも死因の一つにはなりますが、実は阪神・淡路大震災の時に一番多かったのは、胸部や胸からお腹にかけて圧迫された事による窒息死だったという調査結果が、徳島大学大学院医歯薬学研究部の西村明儒教授の研究で発表されています。
動物実験では、体重の2倍以下の圧迫では命に影響を与えることはないものの、体重の3〜4倍の圧迫では1時間以内に死亡、体重の4〜5倍の圧迫では、10分以内に死亡するとの結果が出ています。
倒壊した建物や、重い家具などの下敷きになった場合には、72時間の壁どころではなく、1時間、10分間での救助が一命をとりとめられるかどうかを大きく左右するのです。

救出されたからといって安心してはいけないクラッシュシンドローム

倒壊した家屋などから救出されたとしても、安心はできません。長時間にわたって手足などを圧迫され続け、その後圧迫から解放されると、圧迫された部位や時間などによって、急性腎不全やショック状態などを起こし、死に至ることがあります。クラッシュシンドローム(挫滅症候群)です。阪神・淡路大震災の際に多発し、知られるようになりました。
筋肉が豊富な脚などが4〜6時間にわたって圧迫され続けることで発症すると考えられていますが、1時間以内の圧迫で発症した例もあります。
筋肉の直接的な損傷ではなく、圧迫によって血流が遮断されて、筋肉の障害が起こった後で、再び血液が全身をめぐり出したことが原因で発症します。
クラッシュシンドロームを発症すると、ショック状態や血圧の低下、圧迫された手足のしびれや脱力感、損傷した手足が著しく腫れ上がるなどします。また、尿が褐色や黒色になったり、尿の量が減るなどの症状が見られます。
ただし、クラッシュシンドロームを発症していても、救出までは意識もはっきりしていて、比較的元気に話しをできることもあるので、倒壊した建物や転倒した家具などの下から救出された場合には、まずクラッシュシンドロームを疑って、早めに検査を行うことが重要です。クラッシュシンドロームを発症している場合には、血液をきれいにするために、大量の輸血などの治療が施されます。
命を守るためには、一刻も早い救助と治療が大切ですが、むやみにがれきの撤去を行うこともまた命を危険にさらすことにつながります。
クラッシュシンドロームが疑われる状況に置かれた場合には、まずは救助が必要なことを周りに知らせて、救急(ダイヤル119)に通報し、救助隊を待つようにします。また、救助隊を待つ間は、声をかけて励ましながら、体温が下がらないように毛布などで保温するようにしましょう。

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