「食欲はあるのに痩せていく…」これってどんな病気の可能性が考えられる?

「食欲はあるのに痩せていく…」これってどんな病気の可能性が考えられる?

もし、「勝手に痩せていくことはいいことだ」と捉えているとしたら、それはとんでもない誤解です。食事は足りているのに体重が減っていくとしたら、一体どのような原因が考えられるのでしょうか。また、何科に受診すればいいのかも知っておきたいです。詳しいお話を、「銀座有楽町内科」の山村先生に伺いました。

山村聡

監修医師:
山村 聡(銀座有楽町内科 院長)

九州大学医学部卒業。昭和大学で助教を勤めたほか、複数のクリニックで糖尿病・内分泌診療に従事。2019年、東京都中央区に位置する「銀座有楽町内科」の院長に就任。治療はもちろん、病気になりにくい体質・健康づくりを提案している。日本内科学会認定内科医、日本旅行医学会認定医。日本糖尿病学会、日本内分泌学会、日本甲状腺学会の各会員。

まずは食欲と食事量の双方をチェック

まずは食欲と食事量の双方をチェック

編集部

しっかり食べているつもりなのに、体重が減ってきています。

山村先生

「食欲の有無」と「食事量」は必ずしも比例しません。もしかしたら、胃に“自覚のない病気”が隠れていて、すぐに満腹感を覚えてしまうのかもしれません。あるいは、むし歯がひどくて、食べたくても食べられないケースなども考えられます。

編集部

必要量の食事が摂れていない場合もあると?

山村先生

はい。上記例のほか、すぐに満腹と感じる早期飽満感は、「機能性胃腸症」の1つに位置づけられています。胃に炎症や潰瘍などが認められる器質的疾患とは異なり、主にストレスが原因です。対策としては、規則正しい生活と十分な睡眠に尽きます。

編集部

一方、食事量がある程度、取れている場合は?

山村先生

考えられる病気で顕著なものとして、「バセドウ病」と「糖尿病」が挙げられます。バセドウ病は、簡単にいうと、異常に体の代謝が上がってしまう病気のことです。糖尿病は、血中の糖分がエネルギーとして取りこまれず、そのまま尿と一緒に排出されてしまう病気です。

十分、食べているのに痩せてしまう場合

十分、食べているのに痩せてしまう場合

編集部

「バセドウ病」って、あまり耳にしない病名です。

山村先生

代謝を整える甲状腺ホルモンが過剰に分泌される病気で、エネルギー消費量の増加によって痩せていく仕組みです。一般的に、男性よりも女性に多くみられます。それとは反対に、甲状腺ホルモンの分泌が減って低代謝状態になる病気のことを「橋本病」といいます。

編集部

バセドウ病の原因はなんなのでしょうか?

山村先生

脳からの指令とは別に、自分の抗体が“勝手に”甲状腺ホルモンをつくるよう命令してしまうこととされています。バセドウ病の自覚症状は、動悸や息切れ、手足の震え、眼球の突出、疲れやすさ、だるさなど多彩です。

編集部

バセドウ病って治るのですか?

山村先生

薬物治療が中心となり、服用を続ければ甲状腺ホルモンの異常分泌は数カ月程度で治まります。ただし、再発しないためにも、2年程度の服用期間が必要とされています。また、喫煙は薬の効果を弱めてしまうので、禁煙が前提となるでしょう。喫煙そのものも、バセドウ病のリスクになり得ます。

編集部

一方、糖尿病は有名ですよね。

山村先生

そうですね。自分では血液中の糖分をコントロールできなくなる病気です。すい臓の機能が低下すると、「インスリン」というホルモンの一種を、恒常的に自分で注射しなくてはいけません。すい臓の機能が維持されていて、早期に治療できれば、食事の見直しや運動習慣などで改善可能です。とくに注意すべき自覚症状は、喉の渇きと頻尿です。

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