不倫慰謝料を請求する際の内容証明郵便の書き方

不倫慰謝料を請求する際の内容証明郵便の書き方

3、不倫慰謝料請求の内容証明郵便の書き方は?(内容編)

次は具体的に内容証明郵便の書き方を説明していきます。

(1)不貞の事実を端的に指摘する

不貞相手に対しては、相当な怒りがあるとは思いますが、内容証明郵便に、感情的に恨み言を書き連ねても効果はありません。

内容証明郵便には、不貞の「事実」を記載して突きつけます。この場合に、「あなたは、私の夫と不倫していますね」というだけでは抽象的です。

例えば、メールや探偵事務所による調査などで発覚している事実の一端として、「〇月〇日に、〇〇というラブホテルに行っていましたね」という記載をすることによって、相手は、すでに証拠を握られているということが分かります。

そうすると、放っておくと訴訟提起されて、不利になるから、何とか話し合いで済ませたいと考えるので、連絡してくる確率が高くなります。

手持ちの証拠をすべて開示する必要はありませんが、証拠をすでに持っているということを示さなければ、相手への心理的プレッシャーは弱くなります。

(2)別居や離婚の事実があれば記載する

配偶者の不倫が原因で別居したとか、離婚の話し合いが始まっているというような場合には、その旨も記載しましょう。

なぜなら、不倫が原因で別居や離婚に至った場合には、そうでない場合に比べて高額の慰謝料の請求が可能になるからです。

これを記載することによって、不倫相手に対して、より強い心理的プレッシャーを与える効果も期待できるでしょう。

なお、この前提として、配偶者が不倫相手と別れてくれたらやり直すつもりなのか、「別れる」と言われてもやり直すつもりはないのかという自分の気持ちや方向性はある程度整理しておく必要があります。

(3)相手を不当に貶めるような記載はしないこと

相手に対する怒りがあっても、相手を不当に貶めるような表現をしてはいけません。

場合によっては、名誉棄損等に該当する可能性もあります。

社会人として最低限の礼儀は守った文書を作成しなければならないのは当然のことです。

(4)相手を不当に脅すような記載はしないこと

不倫相手に対して慰謝料を請求し、払わなければ法的手続きを取ると予告することは、正当な権利の行使ですので、一般的には問題ありません(ただし、本当は、何の証拠もないので、実際には訴訟提起が難しいというような場合は、脅迫罪、恐喝罪等が成立する余地もあると考えられます)。

一方、「払わなければ、あなたの職場に押しかけます」「職場や近所に言いふらします」などといった記載はしてはいけません。

このように、法的手続き以外で相手に不利益を与えることを予告するような内容の記載や、相手やその家族に危害を加えることを匂わせるような記載をすると、場合によっては恐喝罪や脅迫罪等になる可能性があります。

「文書」は、あなたにとっても証拠になるものですが、相手にとっても証拠になるものであるということを意識して記載する必要があります。

(5)常識的な金額を請求すること

芸能人、政治家などの有名人や資産家ならばともかく、一般の人の慰謝料の金額にはある程度の相場があります。

例えば、1億とか何千万円というような請求をすると、かえって相手に「この人は法的に無知なのだな」と思わせ、心理的プレッシャーが弱まってしまいます。

また、恐喝罪や脅迫罪等になる可能性もあります。

なお、離婚慰謝料の相場について詳しくは「離婚慰謝料の相場と弁護士が教える300万円以上獲得する方法」の記事を参考にして下さい。

(6)法的手続を行う意思があることを示すこと

内容証明郵便が効果を発揮するのは、無視したら訴訟を提起されるかもしれないと相手に思わせるからです。

そのため、「本書到達から10日以内にお支払いがなく、また、なんらのご連絡もいただけないときは、遺憾ではありますが、法的手続きを取らせていただきます」という文言を入れる必要があります。

なお、日数については、相手もすぐには対応できないので、1週間から2週間くらいの日数を設定したほうがよいでしょう。

4、不倫相手に送る内容証明郵便の書き方は?(形式編)

次は内容証明郵便の形式について説明していきます。

(1)横書きの場合

「1行を13文字以内、1枚に40行以内」

「1行26文字以内、1枚20行以内」

「1行20字以内、1枚26以内」

のいずれかで作成する必要があります。

文書の枚数が2枚以上になる場合には、その綴目に契印(割印)をします。

郵便局には、同じ文書を3通(相手用、郵便局用、自分用)準備して持っていきます。

また、相手に送るための封筒を1通準備します。

(2)縦書きの場合

「1行20文字以内、1枚26行以内」で作成し、文書の枚数が2枚以上になる場合には、その綴目に契印(割印)をします。

郵便局には、同じ文書を3通(相手用、郵便局用、自分用)準備して持っていきます。

また、相手に送るための封筒を1通準備します。

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