●行く前の準備
まず、お墓参りの服装は特に決まったものがあるわけではないので、好きな服装で行きましょう。ただし、お墓参りにはお掃除などの作業がつきものですので、作業がしにくいものは避け、動きやすい普段着がいいかもしれません。お墓参りをする時間帯は掃除のしやすい早朝や日中が良いとされますが、お盆の時期は夜にお墓参りをする地域もあったりするので、決して夕方や夜に行ってはいけないというわけではありません。お参りに行く際は、たわし・歯ブラシ・ほうき・ぞうきん・バケツ・ゴミ袋などの掃除用具(霊園で貸し出しているものもあるので、事前に調べておきましょう)、お供え物、お供え物の下に敷く半紙、数珠、線香、ろうそく、マッチやライターを持ち物として準備しましょう。
●霊園での作法
お墓に着いたら霊園管理者にあいさつをしましょう。寺院墓地であれば、まず本堂のご本尊をお参りし、ご住職に挨拶します。管理事務所などで手桶とひしゃくを借りて手桶に水を満たし、お墓の前に着いたら、最初に手を合わせ礼拝します。合掌してから墓石や花立て、香炉等の掃除を行うようにしましょう。区画内の雑草や植木の枝の手入れも忘れずに。掃除が終われば、お供えをします。果物や菓子などの食べ物は、半紙を折って墓石の上に置いてお供えをしたあと、必ず持ち帰りましょう。お花は風で倒れないように短く切って供えるように。花立がひとつの場合は墓前に向かって左側に供えます。ローソクに火を灯し、そこから線香に火をつけて、お参りをします。線香の火は口で吹き消すのではなく、手で仰ぎ消すようにしましょう。お参りの順番は故人と縁の深い者からとなります。まず、はじめに線香をお供えし、墓石に水をかけてから合掌ですが、合掌のやり方は、手に数珠をかけ、胸の前で左右の手のひらをぴったり合わせ、軽く目を閉じて頭を30度ほど傾けます。帰るときはゴミなどを片付けて帰りましょう。バケツに残った水は、お墓の周りにまいたりしないように。借りていた手桶やひしゃくは、元の場所に戻し、管理事務所等にひと言挨拶して帰ります。
意外と気にせずなんとなくで行っていたお墓参りですが、実は細かい手順がありました。地域の風習などもありますので、決してこれらすべてを行うのが正しいわけではありませんが、ご先祖様への感謝を示すためにも、マナーはしっかり守って行いたいですね。
(文・姉崎マリオ/考務店)