有責配偶者からの離婚請求に関する慰謝料の相場と5つの知識

有責配偶者からの離婚請求に関する慰謝料の相場と5つの知識

有責配偶者からの離婚請求における、慰謝料について知りたいという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

しかし「慰謝料の相場、可能な限り少なく収める方法」が分からないとお困りのこともあるかと思います。

そこで今回は、ベリーベスト法律事務所の弁護士監修の上で

  • 有責配偶者が慰謝料を払って離婚できない/できるケース
  • 有責配偶者からの離婚請求における、慰謝料の相場
  • 慰謝料をできるだけ少なくする方法

等について、ご説明したいと思います。ご参考になれば幸いです。

また、離婚の慰謝料全般については「離婚慰謝料請求の金額の相場と300万円以上もらう方法」の記事でお伝えしています。

1、有責配偶者からの離婚請求|慰謝料を払っても離婚できない

(1)有責配偶者は離婚請求できない

有責配偶者とは、自ら民法770条1項所定の離婚原因を作った配偶者のことです。

たとえば不貞(不倫や浮気)した人、相手に暴力を振るった人、相手に対して生活費を渡さなかったり同居を拒絶したりした人などが有責配偶者となります。

有責配偶者であっても離婚を望むケースがあります。たとえば不倫していて不倫相手が妊娠したら、なんとしてでも今の配偶者と別れて不倫相手との再婚を望む方が多いです。

しかし判例は、有責配偶者からの離婚請求を認めていません。

有責配偶者は自分から離婚原因を作り出して夫婦関係を破綻させた責任のある人です。
そのような人から身勝手な離婚請求を認めるのは相当ではないと考えられているからです。

そこで相手が離婚を拒絶している限り、有責配偶者が離婚訴訟を起こしても原則として裁判官は離婚を認めず、請求棄却してしまいます。

(2)慰謝料を払っても離婚できない

有責配偶者からの離婚請求は「慰謝料を支払えば認められる」というものでもありません。
慰謝料を支払おうが支払うまいが「離婚請求自体を認めない」というのが判例の態度です。
離婚訴訟で、「慰謝料の支払いと引換えでいいから離婚を認めてほしい」と主張しても、認めてもらえません。

2、有責配偶者が「慰謝料」を払って離婚できるケースとは?

(1)被害者が離婚を受け入れたら離婚可能

ただし有責配偶者であっても離婚できるケースがあります。
それは、被害者である相手が離婚を受け入れる場合です。

有責配偶者からの離婚請求が認められないのは、被害者が離婚を望んでいない場合です。
被害を受けた配偶者が自ら離婚を請求するなら離婚させない理由がありません。
むしろこの場合、有責配偶者が離婚を拒絶しても強制的に離婚させられます。

以上より、被害者である配偶者が離婚を受け入れるのであれば、有責配偶者からの請求であっても離婚させてもらえます。

(2)離婚するとき、慰謝料支払いが必要になる

ただし有責配偶者が離婚をするときには、ほとんど確実に相手に対する慰謝料の支払いが必要になります。

有責配偶者は、配偶者に対して不法行為を行った人ですから、被害者である配偶者は、離婚の際に有責配偶者に対して慰謝料請求できます。
被害者が「慰謝料は要らない」という考えの人であれば慰謝料を支払わずに済みますが、通常はなるべく多くの慰謝料を支払ってほしいと考えます。

有責配偶者の場合、一部例外のケースを除いては自分から離婚請求しても離婚を認めてもらえません。

原則としては、被害者である配偶者が離婚を受け入れる場合、もしくは被害者である配偶者が離婚を希望した場合のみ、離婚が成立します。
そのため、被害者である配偶者が離婚を希望しない場合は、離婚を受け入れてもらうしかありませんが、その場合多くのケースでは、多額の慰謝料を払うよう請求されます。
その額にそのまま応じることができれば即離婚できる可能性も高くなりますが、多くの場合はそうはいかないでしょう。
その場合は弁護士に依頼し、和解や裁判によって離婚自体を争うことになり、離婚できる場合は妥当な金額を模索することになります。

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