養育費を裁判で請求・回収する手続き9つを弁護士が徹底解説

養育費を裁判で請求・回収する手続き9つを弁護士が徹底解説

5、離婚前の別居中に裁判で養育費を含む生活費を請求する手続きの流れ

パートナーと別居していても、離婚が成立するまでは夫婦ですので、夫婦の生活費の分担を請求することができます。

ここにいう夫婦の生活費のことを「婚姻費用」といいます。
請求する側が子どもを監護している場合、婚姻費用には養育費も含まれます。

パートナーとの話し合いによって婚姻費用を払ってもらえない場合には、家庭裁判所に婚姻費用分担請求調停を申し立てることができます。

別居中に離婚調停を申し立てる場合には、離婚調停と婚姻費用分担請求調停の2つを同時に申し立てるのが一般的です。

この場合、離婚調停が長引いたとしても、婚姻費用分担請求調停については1回の期日で成立し、婚姻費用を払ってもらえるようになることが多くなっています。

離婚問題については時間をかけて検討したいという場合には、婚姻費用分担請求調停のみを申し立てることも可能です。

婚姻費用分担請求調停について詳しくは、こちらの記事をご参照ください。

6、離婚後に養育費を払われなくなったときに裁判で回収する手続きの流れ

離婚時または離婚後に養育費を取り決めたにもかかわらず不払いとなった場合にも、裁判手続きを利用して元パートナーから養育費を回収することが可能です。

なお、裁判外で養育費を取り決めていた場合は、離婚協議書や合意書を公正証書にしていなければ、まずは養育費請求調停または審判を申し立てる必要があることにご注意ください。

(1)家庭裁判所の履行勧告・履行命令を申請する

家庭裁判所の調停・審判・訴訟といった裁判手続きで養育費の支払いが定められている場合で、元パートナーが決められたとおりに支払わない場合には、家庭裁判所の履行勧告・履行命令を申請することができます。

履行勧告とは、家庭裁判所から元パートナーに対して、「決められたとおりに支払いなさい」と催促してくれる制度のことです。

ただ、履行勧告には強制力がありませんので、なかなか支払わない元パートナーに対しては履行命令を申請した方がよいでしょう。

履行命令が発出されると、元パートナーが従わない場合には10万円以下の過料を課されることがあるので、一定の強制力が期待できます。

(2)強制執行を申し立てる

家庭裁判所が発行した「調停調書」「審判書」「判決書」「和解調書」がある場合の他、当事者間で養育費を取り決めた場合でも「公正証書」にしている場合は、強制執行の申し立てが可能です。

具体的には、差押えの対象となる元パートナーの財産を特定した上で、「差押命令の申し立て」という手続きを行います。

この手続きによって相手の給料を差し押さえた場合は、勤務先会社から毎月一定額を直接支払ってもらえるようになります。
預金口座を差し押さえた場合は、口座残高の中から養育費を受け取ることができます。

元パートナーの財産を特定できなければ、強制執行を申し立てることはできません。

しかし、2020年4月1日から施行されている改正民事執行法において「財産開示手続」が強化されています。
相手の財産が不明の場合は、まず財産開示手続を利用するようにしましょう。

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