治療しても繰り返し膀胱炎になってしまう…これってなんで?

治療しても繰り返し膀胱炎になってしまう…これってなんで?

女性に多い、慢性の膀胱炎。もしかしたら、よかれと思って実行している“その対策”に原因があるのかもしれません。そこで、「神楽坂泌尿器科クリニック」の室宮先生が、「感染を防ぐ」、「体内の菌をなくす」、「しっかりと治す」という3つの観点について解説します。

室宮 千惠

監修医師:
室宮 千惠(神楽坂泌尿器科クリニック医師)

埼玉医科大学医学部卒業。東京女子医科大学系列の病院や一般医院の泌尿器科で臨床を積む。現職は2020年から。女性だけを診察するレディースデイなど、泌尿器科の受診機会向上に努めている。日本泌尿器学会、日本排尿機能学会の各会員。

チェックポイント-1感染を防ぐ

感染予防

編集部

膀胱炎がなかなか治らず、困っています。

室宮先生

繰り返して発症するということは、なにかしらの生活要因が関わっているのだと思います。その中身は、簡単に正せるものから習慣のように染みこんでいるものまで、さまざまにあるでしょう。

編集部

膀胱炎って、感染症ですよね?

室宮先生

そのとおりです。原因が多彩にあるなか、まずは「感染を防ぐ」観点から考えていきましょう。例えば、大便時のお尻の拭き方なら、「後ろから前」ではなく「前から後ろ」です。肛門付近に残った汚れも感染原因になりえます。

編集部

きれいに洗える温水洗浄便座のほうがいいのでしょうか?

室宮先生

使い方次第ですね。あくまで当院比ですが、膀胱炎でご相談される方の半数以上が温水洗浄便座を使用している印象です。洗浄時、肛門付近に付いていた大腸菌が飛び散って、感染を広めているものと考えられます。

編集部

ほか、「感染を防ぐ」という観点から言えることは?

室宮先生

性的活動期の方の発症が多いので、性交渉前には入浴し、非衛生的な性行為を控えましょう。性行為後に排尿するだけでも違ってきます。ほか、生理用品をこまめに変えるなどの工夫も求められるでしょう。

チェックポイント-2 体内の菌をなくす

看護師

編集部

続けて、違う切り口についても教えてください。

室宮先生

次は、「膀胱内の菌を出す、やっつける」という視点について考えてみましょう。わかりやすいのは、十分な水分摂取による排尿ですね。女性は水分を控える傾向にあるので、目安として1日2リットルの水分を取りましょう。

編集部

たびたび感染しているのではなく、体内にためている場合もあるのですか?

室宮先生

そういうことです。接客業など、仕事柄「トイレを我慢する機会の多い」方は、隙間時間を意識して活用してください。「トイレにいけないから水分摂取を控える」という悪循環は、なんとしてでも控えていただきたいですね。

編集部

自分の免疫力も問われそうです。

室宮先生

十分に考えられることです。ほかの病気や膀胱炎そのものにより免疫力が下がると、菌の繁殖を許してしまいます。体調やストレス管理をしっかりとおこなってください。残業による寝不足などを考えると、業務管理も必要になってくるでしょう。

編集部

市販薬には、頼っていいのでしょうか?

室宮先生

市販薬の多くは漢方薬です。症状としては治まるかもしれませんが、原因菌が退治できているかというと疑問ですね。やはり、抗生剤の処方などで、菌をなくす処置が必要でしょう。市販薬は、「受診までのつなぎ」と考えてください。きちんと受診して、結石や膀胱がんなどの怖い病気を“除外診断”しておくことも重要です。

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