離婚届には証人が必要!証人を頼むときに知っておくべき6つのこと

離婚届には証人が必要!証人を頼むときに知っておくべき6つのこと

5、離婚届の証人が負うリスクとは?

離婚届の証人となってもらった人が何らかのリスクを負うのかということも気になると思いますが、結論として、リスクは何もありません。

先ほど、離婚届の証人は「離婚届が真正なものであることを証明する」「当事者の離婚意思を最終的に確認する」とご説明しましたが、証人に法的な責任が発生することは一切ありません。

借金をするときの借用証に連帯保証人が署名・押印をすると主債務者と同じ法律上の返済義務が発生しますが、離婚届の証人には何らの義務も発生しないのです。単に、不正な離婚届の提出をできる限り防ぐために、形式上の要件として証人の署名・押印が求められているに過ぎません。

ただし、離婚届を提出する当事者が偽装離婚や離婚届の偽造を企てている場合は別です。

このような場合に、証人に事情を告げて署名・押印をしてもらうと、有印私文書偽造罪・同行使罪・公正証書原本不実記載等罪といった犯罪に加担させることになってしまいます。

つまり、証人も罪に問われる可能性があります。

当事者に不正な目的がない限りは離婚届の証人がリスクを負うことはありませんが、それでも他人の離婚届に署名・押印すること自体に精神的な負担を感じる人もいるでしょう。

したがって、離婚届の証人を依頼するときには、不正の目的がないのは当然のこととして、証人として署名・押印することによる不利益は何もないことを説明した上でお願いするのがよいでしょう。

6、離婚届の証人に署名・押印してもらうときに注意すべきこと

離婚届の証人候補者が確保できたら、その人にも離婚届に署名・押印してもらわなければなりません。

ここでは、離婚届の証人欄に署名・押印してもらう際の形式面での注意点について解説します。

(1)証人本人が署名・押印する

証人欄には、証人本人が署名・押印する必要があります。

たとえ証人本人の承諾を得ていても、他の人が代筆することは認められていませんのでご注意ください。

(2)黒のペンまたはボールペンで記入する

署名する際は、黒のペンまたはボールペンを使用しましょう。

消えないインクで記入することが必要です。ペンやボールペンでも、消せるものは使用できません。

(3)実印は不要(認印OK)

証人の印鑑は、実印である必要はありません。

認印で十分です。もちろん実印を使用してもらっても構いませんが、その場合でも印鑑証明書は不要です。

ただし、ゴム印やシャチハタは使用不可ですので、注意しましょう。

(4)同じ姓の人に頼む場合は別々の印鑑を使用する

印鑑について、もう1つ注意が必要な点は、ご自身と同じ姓の人が証人となる場合、同じ印鑑は使えないということです。

例えば、親や親戚に証人を頼む場合には同じ姓の人が証人となることもありますが、その場合には別々の印鑑を使用する必要があります。

また、証人同士の姓が同じ場合にも、別々の印鑑を使用してもらってください。

例えば、両親に証人を頼む場合、あなたと両親の姓が異なっていても、父親と母親の姓は同じでしょう。

この場合、父親と母親が同じ印鑑を使用することはできません。

(5)証人欄の訂正方法

証人欄の署名を書き損じた場合、修正液や修正テープを使うことはできません。

書き損じた場合には誤った部分に二重線を引き、その上に訂正印を押すという方法で訂正することが必要です。

もちろん、訂正印には、その証人が押印するのと同じ印鑑を使用することになります。

なお、離婚届の書き方はこちらの記事で詳しく解説していますので、併せてご参照ください。

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