海・川で起きる水の事故【川編】

海・川で起きる水の事故【川編】

天候の変化やダムの放流などによる急な川の増水に注意を

海のレジャーに出かける時と同様に、川のレジャーに出かける前にも気象情報の確認が必要です。海では主に、落雷や風、波による水難事故を防止するために気象情報が重要な役割を担いますが、川では主に、落雷と急な増水による水難事故を防ぐために、気象情報を確認する必要があります。(落雷にとる注意は「海・川で起きる水の事故【海編】」を参照ください)
河原や中洲では、急な雨による増水によって、水没する可能性があります。特に中洲では、増水すると逃げ場がなくなり、取り残されてしまいます。また、短時間でもまとまった量の雨が降ることで、川幅は狭いほど、急に水位が上がり、流れも速くなる危険性があります。

さらに、レジャーに出かける場所だけでなく、川の上流域の気象情報も確認しましょう。川は上流から下流へと流れます。遊んでいる場所が晴れていても、上流で雨が降れば、少し時間をおいて下流域も増水する可能性があります。
上流の空に黒い雲が見えた時や雷の音が聞こえた時、落ち葉や流木などが流れてきたり水が濁り始めた時や、雨が降り始めた時には、すぐに川から上がり、建物の中や車の中などの安全な場所に避難しましょう。

上流にダムがある場合には、天候にかかわらず、水量や水の需要などに応じてダムから水が放流され、急激に増水することがあります。ダムで放流される場合には、約1時間前にサイレンやスピーカー、警報車などによって、警報が出されます。こうした警報を聞いたら、すぐに川から上がるようにしましょう。
川に関連する気象情報やダムの放流情報は、国土交通省のウェブサイト「川の防災情報」からも確認することができます。

もしも水難事故にあったら

事前の気象情報やダムの放流情報を確認していたとしても、期せずして水難事故にあってしまうことはあります。もしも水難事故にあってしまった場合には、何よりもまずは、パニックを起こさずに、落ち着いて救助を待つことが大切です。
中州に取り残されてしまった時には、泳いででも河原に戻りたくなるかもしれませんが、中州が水没するほどに川が増水している時には、流れも速くなっていて、無理に泳げば流されてしまいます。無理に動かずに、警察(110番)と消防(119番)に連絡し、救助を待ちましょう。
その際、水に濡れた上着や靴などは、できる限り脱ぐようにしましょう。濡れた衣服などは、体温を奪い、低体温症を引き起こします。体温が35度以下になる低体温症は、重度になると昏睡状態に陥り、命に関わる事態になります。

溺れてしまった場合にも、まずは焦らずに、冷静に救助を待ちます。救助を待つときには、海で溺れた時と同様に「浮いて待つ」ことが基本です。可能であれば岩などに頭をぶつけないように頭を上流に向けて水面に平行に仰向けになり、手足を広げて体をそらします。力を抜いて顎を少し上げると、呼吸がしやすくなります。ただし、流れのある川では、海のように背浮きの体勢を維持することは難しいかもしれません。ライフジャケットを着用することで、浮きやすくなります。川に入るときには、ライフジャケットを着用するようにしましょう。

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