熱中症は暑さによっておこるいろいろな症状の総称
ヒトの体は暑い環境によって体温が上がると、汗をかくことで体温を下げようとします。
しかし、汗をかいても体温が下がらず過度に体温が上がった状態が続いたり、汗をかくことによって体内の水分や電解質(ナトリウムなど)が過度に失われたりすると、体に様々な症状が現れます。
このときに起こる様々な症状をまとめて「熱中症」といい、重症の場合には意識障害や命の危険も起こりえます。
同じ環境にいた場合でも、熱中症になりやすい人とそうでない人がいるため、さほど気温が高くなくても注意が必要です。
一般的には、乳幼児や高齢者、暑さに慣れていない人や気温の変化に対応しにくい体質の人は熱中症になりやすいと考えられています。
熱中症対策としての飲み物は電解質と糖がポイント
熱中症は「脱水」「ナトリウム不足」「過度の体温上昇」によっておこるもの。
熱中症にならないためにはこれらの状態の予防が重要です。
飲み物の適切な摂取によって、脱水の予防と脱水症状が進み汗がかけず体温を下げられない状態の予防、ナトリウムの補給を行うことができます。
(気温が高すぎたり、湿度が高すぎたりといったことが原因で、汗をかいても体温を下げられない状態では適切な水分補給をしていても過度の体温上昇は防げないことがあります。飲み物の摂取に加えて、涼しい環境へ移動する、エアコンを使用するなどの対応も必要です)
熱中症の予防のための飲み物のポイントは、
・発汗によって失われる水分を補給できること
・発汗によって失われる電解質(ナトリウム)を補給できること
…が挙げられます。
水分だけでなく電解質を補給する必要があるのは、水分だけの摂取では体液が薄まってしまい、体液の濃度を維持するため水分が排出されてしまうため。
効果的に水分を補給するために、電解質を合わせて補給するのがベストな方法です。
厚生労働省では、(労働者の熱中症対策として)「作業場所のWBGT値が基準値を超える場合には、少なくとも0.1~0.2%の食塩水(に相当する)、ナトリウム40~80㎎/100mlのスポーツドリンクまたは経口補水液等を、20~30分ごとにカップ1~2杯程度を摂取することが望ましい」としています。
(ナトリウム40-80㎎/100mlは食塩として0.1-0.2g/100ml)
また、ナトリウムや糖は小腸で吸収されるときに水分を一緒に取り込む作用があることから、水分の吸収を助ける目的で糖を適度に含む飲み物が水分補給にはより効率的です。
WHO(世界保健機関)やAPP(米国小児科学会)、ESPGHAN(欧州小児栄養消化肝臓学会)などから脱水を起こした際の水分補給に適した電解質・糖の組成が示されており、市販の「経口補水液」はこれらの推奨値に沿った内容になっています。
配信: イマカラ