あなたも「要配慮者」に該当するかも知れません
災害対策基本法では、要配慮者とは「高齢者、障がい者、乳幼児、その他の特に配慮を要する者」と定義されています(災害対策基本法第8条第2項第15号)。
しかし、これらは要配慮者の一例で、若い人でも足を骨折していて一人で歩いて避難先に向かうことが困難であれば、要配慮者になるでしょう。体調が思わしくなく、ウイルスなどに感染している可能性がある人なども、避難所などでは配慮が必要とされ、要配慮者に該当すると考えられます。
避難するときには、徒歩で向かうことが原則とされています。災害時には、多くの人が一斉に車を使って避難すると、道路が渋滞します。また豪雨などで道路の冠水が始まったときには、立ち往生を引き起こしたり、増水した用水路や川へ車ごと転落する可能性があるためです。
しかし、配慮が必要な人の中には、徒歩で避難することが難しいケースもあり、やむを得ず車を使って避難することもあります。このような場合に安全に避難を完了するには、行動を開始するタイミングは警戒レベル3の「高齢者等避難」で本当に間に合うのかよく検討し、間に合わないようであれば、警戒レベル2に相当する気象情報(大雨・洪水・高潮注意報、氾濫注意情報など)が出された時点での避難行動の開始も考える必要があります。
避難情報は、避難の目安。あなたの避難のタイミングを考えてマイ・タイムライン作りを
また、豪雨災害などが夜間に発生した場合には、徒歩・車にかかわらず、避難先までの移動には危険がともないます。気象災害は、事前にある程度の予測ができ、テレビやラジオなどの天気予報や、気象庁のホームページなどで注意喚起されます。こうした情報を確認し、避難指示の前であっても暗くなる前に避難を完了する必要があります。
避難のタイミングを逃した時には、無理に移動しようとせずに、建物の出来るだけ高いところで安全を確保(垂直避難)しましょう。
警戒レベル3の「高齢者等避難」で避難に時間のかかる人は避難を開始、警戒レベル4の「避難指示」で危険な場所から安全な場所へ全員が避難というのは、あくまでも避難のタイミングの目安です。災害からご自身や大切な人の命を守るためには、早めに行動することが大切です。そして、「どこに」「どう避難するのか」「避難にどれだけの時間がかかるのか」「避難行動を開始するタイミングはいつなのか」ということは、現実的には一人一人で違っているのです。
そこで、国土交通省では、マイ・タイムラインの作成をすすめています。マイ・タイムラインとは、台風などの接近による大雨によって川の水位が上昇する時に、自分自身がとる避難などの防災行動にかかる時間をもとに整理・逆算して、自分や家族の命を守る避難行動をとるための、一人一人の防災行動計画です。
ハザードマップなどでご自宅や職場の災害リスクや避難場所・避難所などを確認し、どこにどんな手段で避難したらいいのか、避難するためにはどれだけの時間が必要なのか、そのためにはどの段階で避難を開始したらいいのかなどを、マイ・タイムラインに落とし込んでおきましょう。
「避難したのに何も被害がなかった」と空振りに終わることは恥ずかしいことではありませんし、何度空振りをしたとしても命を守るためには早めに避難することは大切です。何もない時こそ、災害時に避難する場所と、行動を開始するタイミングを考えておきましょう。
配信: moshimo ストック
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