総量規制とは?総量規制対象外の借入方法を解説

総量規制とは?総量規制対象外の借入方法を解説

総量規制についてご存知ですか?

あなたが、個人でローンやキャッシングを利用しようとするとき、最初に心配することが、果たして借りられるか?という点です。

それを検討するには、「総量規制」という、融資金額を制限する法制度について、知っておく必要があります。

これから、総量規制について、是非、備えておいていただきたい知識を、借金問題に精通したベリーベスト法律事務所の弁護士が説明します。

1、貸金業法の「総量規制」とは

(1)年収によって、借りられる金額の上限があります。それが総量規制

例えば、あなたが年収240万円で、急にお金が必要となって、消費者金融にキャッシングを申し込んだとしましょう。

融資を申し込んだ金額が、80万円であれば、融資を受けることができます。

しかし、81万円であれば、原則として、融資を受けることはできません。何故でしょうか。

(2)貸金業者が行政処分を受ける、総量規制違反

それは、貸金業者が、個人に対して融資して良い金額は、借主の年収の3分の1を超えない金額とされており(貸金業法第13条の2第1項及び第2項)、これを越える金額を融資したときは、登録の取消や営業停止などの厳しい行政処分を課されるからです(貸金業法第24条の6の4第1項の2)。

これを、俗に「総量規制」と呼んでいますが、法律上の正式名称ではありません。正式には、「過剰貸付等の禁止」と言います。

2、総量規制の年収とは

総量規制は、簡略にいうと、年収の3分の1を超える金額の貸付を禁止することです。

では、そこでいう「年収」とは、具体的に何を指しているのでしょうか。

ここにいう年収の3分の1は、前述の貸金業法の法文では、「当該個人顧客に係る基準額(その年間の給与及びこれに類する定期的な収入の金額として内閣府令で定めるものを合算した額)に三分の一を乗じて得た額をいう。」(第13条の2第2項)と表現されています。

つまり、年収には、「その年間の給与」(下記「1.」)と「これに類する定期的な収入の金額として内閣府令で定めるもの」の二種類があります。

内閣府令で定める定期的な収入源は、下記「2.」ないし「5.」の5つです(貸金業法施行規則第10条の22第1項)。

(1)年間の給与

通勤手当、住宅手当、残業手当などの各種手当も含みます。

これらは、名称が手当であっても、法的には、すべて労働の対償だからです。

賞与も含みます(同施行規則第10条の22第3項)。

手取り金額ではなく、支給総額、つまり税金、社会保険などの控除前の金額です。

(2)年間の年金

公的年金だけでなく、私的年金も含みます。

(3)年間の恩給

恩給とは、公務員が退職・死亡したときに支給される年金等のことです。

現在では、共済制度に移行しているので、恩給の受給対象者は、国家公務員の場合は1958年、地方公務員の場合は1962年以前の退職者と遺族です。

(4)年間の定期的に受領する不動産の賃貸収入(事業として行う場合を除く。)

事業としての不動産賃貸収入は、下記(5)の事業所得となります。

(5)年間の事業所得(過去の事業所得の状況に照らして安定的と認められるものに限る。)

事業を営んでいる人のその事業から生ずる所得をいいます。

以上の(1)ないし(5)以外の収入は、すべて考慮されません。

よく質問されるものとして、生命保険金、損害保険金、宝くじ、ギャンブル(競馬、競輪など)、株式配当、預貯金利息金、譲渡所得などは、対象外です。

退職金も、定期的な収入ではありませんので、対象外です。

つまり、法の趣旨は、借主の経済生活を保護することにありますので、一時的、突発的、例外的な収入は、たとえ高額な収入であっても、返済能力の資料にはしないのです。

以上の「1.」ないし「5.」以外の収入は、すべて考慮されません。

よく質問されるものとして、生命保険金、損害保険金、宝くじ、ギャンブル(競馬、競輪など)、株式配当、預貯金利息金、譲渡所得などは、対象外です。

退職金も、定期的な収入ではありませんので、対象外です。

つまり、法の趣旨は、借主の経済生活を保護することにありますので、一時的、突発的、例外的な収入は、たとえ高額な収入であっても、返済能力の資料にはしないのです。

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