誰かといても疎外感を感じてしまうあなたへ【韓国エッセイ・試し読み】

誰かといても疎外感を感じてしまうあなたへ【韓国エッセイ・試し読み】

心に大きな穴が「ぽっかり」空いてしまうときがある。

なんの理由もなく心がうつろになる日は、いつもより人恋しくなる。でも、とくに会いたい人が思い浮かぶわけでもなく、だれかに会ったからといって、心の空白は埋まりそうにない、そんな日もある。

さびしくはないけど、どこかむなしくて、つらいわけじゃないけど、かといって平気なわけじゃない気もするし、だれかになぐさめてほしいような気がするけど、甘えたり頼りたいというわけではないような……。

不安や孤独、悩み……矛盾だらけの感情を描いた「感情メモ」から生まれたイラストエッセイ『わたしの心が傷つかないように』(ソルレダ 作・絵/李 聖和(イ・ソンファ) 訳)。

ここでは、その本の中身を少しずつ紹介していきます。

今回は、誰かといてもぽつんと取り残されたような孤独を感じてしまうあなたに贈る一編です。

*…..*…..ひとりぼっちのきみに*…..*…..

だれかと一緒にいるときに感じる孤独は、他人から伝わってくる疎外感による感情であることが多い。グループのなかで、ぽつんとひとり取り残されたような感情。

みんなと仲良くなりたいのに、話を切り出す勇気がなくて、あるいは、これといって話題が思い浮かばなくて、輪に入れずにひとりになってしまうときもある。

そういう孤独は、だれかのあたたかいひと言で簡単に消えてしまう。ひとりぼっちになって感じる孤独は、自分を包み込んでくれる関心で癒やせるのだ。

でも、この世にあるのはそんな孤独だけじゃない。ひとりぼっちになる前に、「ひとりが好きだから」と、自分からすすんでひとりになることを選ぶこともある。

はじめは、これ見よがしにすこしずつ垣根をつくっていくけど、気づけばそのなかに閉じこめられてしまったりもする。そんなときは慌てずに、垣根から出てくればいい。

どうやって出るのか? なにか一大決心や決定的なきっかけが必要だと思いがちだけど、ただ、縮こまっていた背中をぴんと伸ばして、体についたほこりを振り払ったあと、垣根をぴょんと飛び越えるだけでいい。

照れくささと決まり悪さで勇気が出ないかもしれないけど、いつまでもそのなかで暮らすわけにはいかないから。自分がつくった孤独という囲いは、思ったよりも高くない。外から見れば自分の姿がちらちらと見えるくらいの高さだろう。だから、もう外に出てきても大丈夫。

*…..*…..*…..*…..*…..*…..*…..*…..*….

「大丈夫じゃなくても、大丈夫」

明日は耐え忍ぶ一日ではなく、笑顔で過ごせる一日になりますように!

ソルレダ・著

チェ・ミンジョン。作家兼イラストレーター。2008年から絵日記形式で書き溜めてきた「感情メモ」から、ウサギのキャラクター「ソルト」が誕生した。失敗したり、傷ついたり、思いわずらったりと、完璧ではないけれど自分を大切にしようと努力するソルトの姿を通じて、人の感情と内面の変化を描き出し、人気を集める。現在は、カウンセリング心理学を学ぶかたわら、作家として活動を続けている。

著書に『何事もないかのように』『わたしの初めてのラインドローイング』『たかが人、されど人』『毎日すこしずつドローイング』(いずれも未邦訳)などがある。

李 聖和(イ・ソンファ)・訳

大阪生まれ。関西大学法学部卒業後、会社勤務を経て韓国へ渡り、韓国外国語大学通訳翻訳大学院修士課程(韓日科・国際会議通訳専攻)修了。現在は、企業内にて通訳・翻訳業務に従事。韓国文学翻訳院翻訳アカデミー特別課程・アトリエ課程修了。第2回「日本語で読みたい韓国の本翻訳コンクール」で最優秀賞受賞。訳書にペク・スリン著『静かな事件』(クオン)がある。

引用書籍:わたしの心が傷つかないように

ソルレダ (著, イラスト), 李聖和 (翻訳) ¥1,540

記事提供:日本実業出版社

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