公務員の犯罪とは?有罪による失職を回避するために知っておくべきこと

公務員の犯罪とは?有罪による失職を回避するために知っておくべきこと

3、犯罪を犯した公務員が失職しないためにやるべきこと

以上のように、公務員が犯罪を犯した場合は刑罰だけでなく、欠格条項や懲戒処分に注意が必要ですが、必ずしも失職するというわけではありません。

失職を回避するためには、次の2点がポイントとなります。

(1)不起訴処分を目指す

不起訴処分とは、犯罪によって捜査機関に検挙されたものの、検察官が起訴をしない処分のことで、結果的に刑事事件としては罪に問われないことになります

起訴されないのですから起訴休職となることはありませんし、有罪判決を受けないため、欠格条項により失職することもありません。

懲戒処分の対象とはなりますが、軽い処分で済むことが多いでしょう。

不起訴処分は、軽微な事件の場合や被害者と示談が成立した場合、証拠が不十分な場合などに行われます。

不起訴処分を目指すための具体的な対処法については、次項でご説明します。

(2)罰金刑を目指す

万が一、起訴されてしまった場合は、懲役刑や禁錮刑ではなく罰金刑を目指しましょう。

ただし、罰金刑となるためには、犯した犯罪の法定刑に罰金刑があることが前提です。収賄罪や横領罪をはじめとして、公務員の職務に関連する犯罪の法定刑には懲役刑や禁錮刑のみで、罰金刑がないものも多いので、注意が必要です

それでは、不起訴処分や罰金刑を目指すための具体的な対処法について、項を改めて解説します。

4、公務員が犯罪を犯したときの具体的な対処法

公務員が犯罪を犯してしまった場合に、刑罰を軽くして失職を避け、懲戒処分も軽くするための対処法としては、以下のものが挙げられます。

これらの対処法をすべて実行するのは難しい場合もあると思いますが、数多くやればやるほど軽い処分が期待できますので、諦めずに対処するようにしましょう。

(1)自ら勤務先に報告し、調査に協力する

犯罪を犯してしまったことを自分で勤務先に報告して、積極的に調査に協力すれば、反省の態度を示すことになりますし、再犯のおそれがないことを信じてもらいやすくなります。そのため、懲戒処分を軽くすることにつながります。

処分を恐れて、できる限り黙っておきたい気持ちになるかもしれませんが、黙っているうちに非行が勤務先に発覚してしまうと、処分が重くなるおそれがあります。処分を軽くするためには、早い段階で正直に報告した方がよいでしょう。

(2)自首を検討する

勤務先に犯罪を報告した場合は、事件の内容にもよりますが、多くの場合は刑事事件として立件されることも避けられません。そのため、捜査機関に自首することも検討しましょう。

捜査機関に事件が発覚する前に自首すれば、有罪判決を受ける場合でも刑の減軽が可能とされています(刑法第42条1項)。実際にも、犯人が自首したケースのほとんどで刑が減軽されています。

それだけでなく、自首することも反省の態度の表れですし、再犯のおそれがないことを捜査機関に信じてもらいやすくなります。したがって、不起訴処分を獲得できる可能性も高まります。

(3)深く反省する

勤務先での調査や、捜査機関による捜査が始まったら、深く反省している態度を示すようにしましょう。

ただ、「反省しています」と言うだけでは意味がありません。
それだけではなく、犯行に至った原因を自分なりに厳しく追求し、どうすれば罪を犯さずに済んだのか、再犯をしないために今後は何に注意するのかなどを深く考えて、具体的に話すことが大切です

自分の行いが被害者や社会にどのような影響を与えるのかについても、じっくりと考えて具体的に話しましょう。

(4)被害者と示談をする

被害者がいる犯罪の場合は、示談をしましょう。示談が成立すれば、被害が回復されたことになりますので、不起訴処分や軽い処分が期待できます

示談書に被害者の気持ちとして「加害者を許します」「処分は望みません」「軽い処分を望みます」といった文言を記載してもらえれば、さらに効果的です。

(5)再発防止策を講じる

不起訴処分や軽い処分を獲得するためには、犯罪の再発防止策を講じることも重要です。再犯のおそれが高いと判断されると、処分が重くなりがちだからです。

具体的な防止策は、事案の内容やご自身の状況に応じてさまざまなことが考えられますが、一般的には信頼できる指導監督者を見つけるのが有効なことが多いです。職務に関連した犯罪の場合は、職場の上司などに今後の行動を指導・監督してもらうとよいでしょう。

職務とは無関係の犯罪の場合は、同居する家族や近親者などに日常生活の指導・監督を頼むようにしましょう。

(6)依願退職(自主退職)を検討する

懲戒免職となった公務員の退職手当は、かつて一律不支給でしたが、平成20年の改正国家公務員退職手当法施行で、職務内容や処分対象となる行為の程度などで支給を判断するよう変更されました(国家公務員退職手当法12条1項1号)。

したがって、懲戒免職となり、退職手当が不支給とされる場合であっても当該処分を争う余地はあるものの、争うことは容易なものではありません。

そこで、懲戒免職となることが大きく予想される場合、自己都合退職である依願退職を早期にしておくことが、退職手当を確保するうえで有利な手段となりえます

ただし、この場合でも、刑事手続の進捗状況いかんによっては、依願退職が認められず懲戒免職となったり、退職手当を減額されたり、返納を求められることもあるので、注意が必要です。

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