梨農家だからこそ知る。梨狩りのコツから、ちょい足しレシピまで
秋は、たくさんのフルーツが旬を迎える季節。なかでも、夏の終わりから秋にかけておいしくなるのが「梨」。せっかくなら、自分で採って食べて、存分に楽しんでみませんか?
本企画では、梨狩りを楽しむコツから、梨をおいしく食べる方法、ちょい足しアイデアまで、農家さんに教えてもらいました。
訪れたのは、千葉県松戸市にある果樹園「初清園(はつせいえん)」。
初清園(はつせいえん)都心から電車で1時間弱、梨狩りやぶどう狩り、さらに果物狩りとともにバーベキュー(今年は新型コロナウィルス感染拡大防止のため中止)が楽しめる人気の果樹園。取材当日も、学生やカップル、家族連れなど幅広いお客さんが梨狩りを楽しんでいました
幸水、豊水だけじゃない!まず知っておきたい梨の品種
ーー初清園での、梨狩り体験の内容を教えてください。
小川さん(以下、小川) 当園の梨狩りは、気に入ったものをもいで、その場で食べていただきます。ここ鎌ヶ谷エリアでの梨狩りはどこも同じスタイルですね。もちろん、お土産に別途購入もしていただけますよ。
ーー初清園では、どんな品種の梨を作っているのでしょうか?
小川 作っているのは5種類(幸水、豊水、かおり、新高、あきづき)で、梨狩りを体験いただけるのは豊水と新高(にいたか)の2種類です。
ーーそれぞれにどんな特徴、違いがあるのでしょうか?
小川 「豊水」(写真上)は品種名の通り、水分量が多い梨。皮をむいているときにしたたり落ちるほどです。ほんのり酸味があるのが特徴ですね。
「幸水」は、多くの方になじみのある人気の品種です。梨のなかで一番早い時期に収穫できるもので、シャキシャキとした食感、酸味と甘みのバランスが良い品種ですね。
「新高」は、“新”潟県と“高”知県で育てられている品種の掛け合わせ。表面がつるつるしているのが特徴的です。豊水と違って酸味が少なめ、甘さが際立っています。
小川 「かおり」(写真上)は、熟すと豊かな香りを放つ高級品種で、スーパーにはほとんど出回りません。表面が緑色なのも特徴的で、大きいものは1個で1kgを超えることもあります。幸水に近い味わいです。
小川 「あきづき」(写真上)は新しい品種で、実がまん丸になるめずらしいもの。
梨は新しい品種が頻繁に出てくるのですが、なかなか豊水や幸水のおいしさには勝てないんです。そんななかあきづきは、新品種としてようやく定着してきました。