糖尿病療養指導士ってどんな指導をしてくれるの?

糖尿病療養指導士ってどんな指導をしてくれるの?

自覚症状があまりなく、悪化すると失明や腎障害を引き起こす恐れもある糖尿病。日本国内の糖尿病患者数は増加する一方で、過去最多を更新しています。そんな糖尿病の治療に関わる「糖尿病療養指導士」をご存知でしょうか。今回は糖尿病療養指導士について元看護師で、現在は医療系ライターとして活躍されている長田さんにお話を伺いました。

長田さやか

監修:
長田 さやか(看護師・医療ライター)

看護専門学校卒業後、整形外科や精神科病棟、訪問看護を経て、独立。現在は、フリーランスとして「根拠を踏まえた、わかりやすい文章」をモットーに医療系Webライターとして活動中。

糖尿病治療における生活指導のエキスパートが「糖尿病療養指導士」

糖尿病治療における生活指導のエキスパートが「糖尿病療養指導士」

編集部

糖尿病療養指導士とはどのような人なのでしょうか?

長田さん

糖尿病に関する知識を幅広く持ち、患者さんに寄り添ったサポートを行うエキスパートです。糖尿病治療の一定の経験を有した上で、糖尿病療養指導士の資格試験に合格した医療スタッフのことを指します。

編集部

糖尿病療養指導士は何を指導するのですか?

長田さん

主に食事、運動、薬についてです。この3点を日常生活の中で継続し、血糖値コントロールを良好な状態で維持できるようサポートしていきます。

編集部

薬を飲むだけでは改善は難しいのでしょうか?

長田さん

糖尿病治療の基本は食事療法と運動療法の2点です。薬で血糖値を下げたとしても、暴飲暴食を続けると血糖値は上がり、インスリン抵抗性が弱くなってしまいます。運動は血糖値を下げ、インスリン抵抗性を改善する効果があります。糖尿病治療において、生活習慣の見直しやセルフケアは必要不可欠なのです。

糖尿病療養指導士による食事療法、運動療法、薬物療法について詳しく知る

糖尿病療養指導士は食事療法、運動療法、薬物療法の指導を行う

編集部

食事療法とは、どのようなものでしょうか?

長田さん

患者さんの身長や体重、肥満度、血糖値、活動量、年齢、性別により適正なエネルギー量を算出します。簡単にいうと「自分に見合った食事量」です。その中で栄養バランスを考えます。「これはだめ」「これを食べればいい」と食事を厳重管理するのではなく、これまでの食生活を考慮し、減らすべき食品や増やすべき食品、時間、食べる順番などを提案していきます。難しく考えすぎず、「規則正しく、バランスのいい食事」を糖尿病療養指導士と一緒に学んでいく指導方法になります。

編集部

運動療法について詳しく教えて下さい。

長田さん

運動は、糖尿病治療への効果だけではなく、そのほかの病気の予防やストレス発散効果もあります。また食事療法、運動療法を組み合わせて行うことで、より効果的な血糖値コントロールが可能です。そのため、運動を生活の中に取り入れ、かつ継続できるように無理のないプログラムを提案していきます。例として、手軽に始められる散歩や歩数計の使用、けがの少ない水泳などがあげられます。しかし、人によって運動がリスクになる場合もあるため、医師と糖尿病療養指導士が連携し、リスクを考慮した運動計画と提案を行っていきます。

編集部

薬物療法についても教えて下さい。

長田さん

食事療法、運動療法を実践した上でなお、空腹時の血糖が高い場合に薬物療法が必要になります。血糖値を下げる薬には「経口薬」「注射薬」があり、インスリン分泌促進と栄養分の吸収を抑える効果があります。しかし、血糖値を下げる薬は時に「低血糖」を引き起こす恐れもあります。食事量や運動量、薬の時間や量の関係で低血糖になる場合が多く、この場合、冷や汗や動悸、意識障害に陥ることも少なくありません。そのため医師や薬剤師、糖尿病療養指導士は、正しい時間やタイミング、量、部位の選択など、薬の取り扱いについての指導を行います。患者自身が薬の必要性を理解し、正しく服薬と注射ができるようになることを目標としています。

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