カード破産とは?借金を解決する4つの脱出手段を弁護士が解説

カード破産とは?借金を解決する4つの脱出手段を弁護士が解説

3、自己破産のデメリットとカード破産のマイナス特徴

破産(自己破産)をすれば多額の借金をゼロにできるとはいえ、副作用もあります。

そこで次に、自己破産をする前に知っておくべきデメリットとマイナス特徴についてご説明します。

(1)自己破産のデメリット

自己破産には、借金をゼロにしてもらう代わりに以下のデメリットがあります。

 ①破産後の一定期間クレジットカードの利用ができない

まず、自己破産をすると、その後の10年ほどはクレジットカードの利用が難しくなります。なぜなら、自己破産をするとブラックリストに載せられるからです。

ブラックリストとは、信用情報機関に事故情報が登録された状態のことをいいます。クレジットカード会社は必ず利用者や申込者の個人信用情報を確認するので、事故情報が登録されているとクレジットカードを利用することも新たに作成することも難しくなるのです。

もっとも、自己破産をしなくてもクレジットカード代金を支払わないでいると、それも事故情報として登録されます。

そのため、支払えないのであれば早期に自己破産をした方が、再びクレジットカードを利用できるようになるまでの期間は短くなります。

少しでも早くクレジットカードの利用を再開したい方は、以下の記事をご参照ください。

②一定財産の処分

自己破産をすると、一定の財産は処分する必要があります。マイホームなど高価な財産を手元に残すことはできません。

ただ、生活に必要な財産まで処分する必要はありませんので、自己破産をすることで生活できなくなるということはありません。

具体的には、以下の財産は手元に残すことが可能です。

  • 99万円以下の現金
  • その他、一点あたり評価額20万円以下の財産(東京地裁などの場合)

これだけの財産が手元に残りますので、自己破産をする前とほとんど変わらない生活ができる場合も多いです。

③その他

その他にも、注意すべき自己破産のデメリットとして以下のものがあります。

  • 借入れやローンの利用が難しくなる
  • 官報に氏名や住所が掲載される
  • 手続きに手間がかかる
  • 弁護士に依頼すると費用がかかる
  • 手続き中は一部の資格や職業が制限される
  • 保証人に迷惑がかかることがある

これらのデメリットの詳細は以下の記事で解説していますので、ご参照ください。

(2)カード破産のマイナス特徴

次に、自己破産のデメリットというわけではありませんが、カード破産で注意すべき点についてご説明します。

実は、カード破産は必ずしもうまくいくとは限りません。

借金をゼロにしてもらうには裁判所で免責が許可される必要がありますが、カード破産では免責が許可されない可能性もそれなりにあるのです。

免責が許可されない事情(免責不許可事由)は破産法第252条に定められていますが、カード破産の場合は次の2点が問題となることが多いです。

二 破産手続の開始を遅延させる目的で、著しく不利益な条件で債務を負担し、又は信用取引により商品を買い入れてこれを著しく不利益な条件で処分したこと。

引用元:破産法第252条

 

四 浪費又は賭と博その他の射幸行為をしたことによって著しく財産を減少させ、又は過大な債務を負担したこと。

引用元:破産法第252条

例えば、以下のような場合に免責不許可事由に該当する可能性があります。

  • 「信用取引により商品を買い入れてこれを著しく不利益な条件で処分」に該当し得るケース
  • クレジットカードで商品を購入し、それを転売して現金を入手した場合
  • 「浪費」に該当し得るケース
  • 高価な商品を購入した場合や、外食・旅行・趣味などの遊びのためにキャッシングをした場合、エステなどの料金をクレジットカードで決済した場合
  • 「賭と博その他の射幸行為」に該当し得るケース
  • キャッシングをしたお金でパチンコ屋競馬などのギャンブルをしたり、株式取引やFXなどの投資をした場合

免責不許可事由があると、自己破産をしても原則として借金はそのまま残ってしまいます。そのため、他の債務整理を検討する必要があります。

4、カード破産(自己破産)の前に検討したい借金脱出方法

破産(自己破産)で免責が見込まれるとしても、自己破産は最後の手段と考えておくべきです。実際にも、できる限り自己破産は避けたいと考える方も多いでしょう。

そこで、ここでは自己破産をする前に考えられる借金からの脱出方法をご紹介します。

(1)購入品の売却

破産を検討するほどカードを使った方の中には、高額な物品を購入した方も多いと考えられます。

その場合は、購入品を売却し、その代金を返済に充てることができます。

不要な物品はどんどん売却すべきですし、生活に必要な物品でも高価なものは売却して安価なものへの買い換えを検討してみましょう。

ただし、購入金額を完済していない物品は売却してはいけません。また、使用による劣化が激しい物品の場合や、外食・旅行・エステなど物として残らない使途の場合にはこの方法は使えません。

(2)親族からの借金

頼れる親族がいる場合は、返済金を借りてクレジットカードの支払いに充てることも考えられます。

親族から借りることができれば、消費者金融や他の金融機関から借りる場合よりも金利や支払期日について融通が利くでしょうから、返済が楽になるはずです。

ただし、親族とうまくいっていない場合には協力を得ることは難しいでしょうし、親族に甘えてお金を返さないかもしれないと思う方の場合もおすすめはできません。

(3)任意整理

債務整理をするとしても、自己破産よりもデメリットの少ない方法があります。

任意整理とは、裁判所を介さずに債権者と個別に話し合うことによって返済額や返済方法を変更する債務整理の方法です。

自己破産と異なり、財産を処分する必要はありませんし、手軽に行えるというメリットがあります。

しかし、基本的に元金のカットはできないため、大幅には借金が減らないというデメリットがあることに注意が必要です。

多額の借金を抱えている場合には、任意整理では借金から脱出できない可能性があります。

生活に支障をきたさないためには、一般的に月の返済額は月収の3割までにしておいた方が良いといわれています。それを超える場合は、自己破産または次にご紹介する個人再生を検討した方が良いでしょう。

(4)個人再生

個人再生とは、裁判所に申し立てることによって借金を大幅に減額してもらえる債務整理の方法です。借金総額が原則として5分の1(最大10分の1。ただし、最低弁済額は100万円)にまで減額され、減額後の借金を3年~5年で分割返済していきます。

個人再生の場合も基本的に財産を処分する必要はありませんし、条件を満たせば「住宅資金特別条項」を使うことによってマイホームを残すことも可能です。

ただ、借金が減額されるとはいえ返済していかなければならないので、安定した継続的収入があることが条件となります。

とはいえ、もともとクレジットカードの限度額が高い、または多くのクレジットカードを保有していた方であれば、収入条件を満たす可能性は高いと考えられます。

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