離婚の財産分与の調停とは?調停で少しでも多くの財産を獲得する方法

離婚の財産分与の調停とは?調停で少しでも多くの財産を獲得する方法

5、財産分与の調停の流れ

財産分与の調停の申し立てが受理されると、以下の流れで手続きが進められます。

(1)調停期日の指定

まず、家庭裁判所において担当裁判官と調停委員が選ばれた上で、第1回調停期日が指定されます。

その後、当事者双方に「調停期日通知書」(呼出状)が送付されます。

通知書が届くのは、申し立てが受理されてから10日~2週間後ころとなります。

第1回調停期日は、申し立ての受理から1ヶ月~1か月半ほど先の日時が指定されるのが一般的です。

(2)調停期日当日の流れ

指定された調停期日に当事者が出頭すると、調停委員を介して話し合いが行われます。

通常、まずは申立人と調停委員が話し、それから交代で相手方も調停委員と話します。

以降、申立人と相手方が交互に調停委員と話す形で話し合いが進められ、徐々に合意に向かって進んでいきます。

1回に話す時間はおおよそ30分程度、1回の調停にかかる時間は2~3時間程度が一般的です。

1回の調停で合意できるケースもありますが、多くの場合は次回期日が指定され、調停が続行されます。次回期日の日程も、1ヶ月~1か月半ほど先となることが多くなっています。

(3)調停の終了

話し合いを重ねて、当事者が一定の内容で合意すると、調停成立となり、手続きは終了します。

当事者の意見の対立が激しくて合意に至る見込みがないときは、調停不成立として手続きが終了します。

(4)調停調書の発行

調停が成立した場合は、家庭裁判所で調停調書が作成されます。

調停調書には、調停で当事者が取り決めた内容が記載されます。

調停の最後に裁判官が記載事項を読み上げますので、よく聞いて確認しましょう。

気になるところがある場合は、その場で裁判官に質問してください。

いったん調停調書が発行されると訂正を求めることはできませんので、注意しましょう。

(5)調停にかかる期間の目安

離婚調停の場合、申し立てから終了までにかかる期間は3ヶ月~6ヶ月程度が平均的です。

調停期日の回数としては、平均して2回~4回程度です。

財産分与請求調停の場合は、話し合う内容が財産分与に限られますので、もう少し早期に終了するのが一般的です。

6、財産分与の調停を有利に進めるためのポイント

財産分与の調停をするなら、できる限り有利に進めたいところでしょう。

そのためには、以下のポイントに注意して調停を進めていきましょう。

(1)いくら請求できるかを正確に知っておく

まずは、財産分与としていくら請求できるのかを正しく知っておかなければなりません。

基本は、夫婦共有財産の2分の1です。専業主婦の方も、基本的に2分の1を請求できます。

また、相手名義の財産でも、結婚後に取得した財産は贈与や相続で取得したものを除いて、基本的に夫婦共有財産となることにも注意が必要です。

なお、相手がローンや借金を抱えている場合は注意が必要です。

財産分与はプラスの財産を分け合う制度ですので、原則としてローンや借金は財産から差し引かなければなりません。

例えば、評価額3,000万円の持ち家があるとしても、住宅ローンの残高が2,500万円あれば、財産分与の対象となるのは差額の500万円のみとなります。

また、相手が家族の生活費のために作った借金を抱えていて、プラスの保有資産が借金総額を下回る場合には、分与すべき財産がないということになりますので、財産分与の請求をしても分与が認められません。

(2)財産の形成・維持に貢献したことがあれば具体的に主張する

財産の分与割合は2分の1ずつが基本ですが、事情によってはそうとも限りません。

あなたが財産の形成・維持に特別な貢献をしたと認められる場合には、2分の1を上回る割合で分与を請求できる可能性もあります。

例えば、あなたが会社の経営者や芸術家などで、固有の能力や努力によって財産を築いたといえるような場合などです。

(3)特有財産があれば立証して確保する

また、夫婦2人で使っていた財産であっても、結婚前からあなたが持っていたものや結婚後に得た財産であっても相続や贈与など夫婦の協力で得たとは言えないものは「特有財産」に該当し、財産分与の対象にはならないことにも注意してください。

漫然と財産分与の対象に含めてしまうと、損をしてしまいます。

特有財産に該当するものとしては、以下のものが典型的です。

  • 結婚前から貯めていた預貯金
  • 結婚前から所有していた自動車
  • 結婚前から所有していた不動産
  • 結婚後相続で得た預貯金

自動車や不動産の取得時期で争うことは少ないと思いますが、預貯金の存在を証明することは難しい場合もあります。

古い通帳や、銀行から取引履歴を取り寄せるなどして、結婚前の預貯金額を証明するようにしましょう。

(4)相手に全財産の開示を求める

前記「3」(3)でもご説明したように、財産分与の話し合いをするときには、前提として相手に全財産の開示を求めることが極めて重要です。

調停では、まずは調停委員から相手に対して、全財産を開示するように促します。

ただ、相手が財産を開示したとしても、本当にそれですべてかどうかが疑わしい場合もあるでしょう。

そんなときは、調査嘱託を申し立てることによって、家庭裁判所を通じて財産調査を行うことが可能な場合があります。

ただ、調査嘱託は離婚裁判(訴訟)ではスムーズに採用されるものの、調停段階では採用されないことが多いという実情があります。

家庭裁判所は、話し合いの手続きである調停においては、法律に基づく調査手段によって第三者からの回答を求めることはできる限り控えたいと考えているようです。

しかし、調査嘱託の制度はきちんと法律で規定された制度なのですから(家事事件手続法第258条1項、第62条)、調停を適切に進めるためには活用されるべきものといえます。

家庭裁判所が調査嘱託の採用に消極的な場合には、調査のための必要性と重要性を十分に訴えて調停委員を説得したいところです。

その際には、弁護士から意見を述べてもらうことが望ましいでしょう。

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