自己破産の6つのデメリットとは?必要な知識・ポイントを弁護士が説明

自己破産の6つのデメリットとは?必要な知識・ポイントを弁護士が説明

自己破産のデメリットについてご存知でしょうか?

多額の借金を抱えてしまっても、自己破産をして免責が許可されるとすべての借金の返済が免除されます。
好んで借金をする人はいないと思いますが、私たちの人生の中では何らかの失敗や失業、病気などによって借金をしてしまうことがあります。
すぐに返済できればいいのですが、なかなか返済できずに借金が膨らんでしまい、到底返済できないほどの借金を抱えてしまった人もいるでしょう。

そんな人でも借金をいったんゼロにして、人生の再スタートを切ることが可能になる制度が自己破産です。
しかし、自己破産には大きなメリットがある反面、デメリットもあることに注意が必要です。
そのデメリットの中には、あなたにとって本当に困ったものもあるかもしれませんが、実際には今後の人生の支障とはならないようなものもあります。

また、一般的に自己破産のデメリットと思われているような事項の中には、誤解に過ぎないものも数多くあります。

そこで今回は、

  • 自己破産における実際のデメリット
  • 自己破産のデメリットについてよくある誤解
  • 自分にとって最適な債務整理方法とは

について弁護士が解説していきます。

自己破産するかどうかを決める前に、実際のデメリットを確認していきましょう。

1、自己破産の6つのデメリットとは

まずは、自己破産することによって避けることができないデメリットについてご説明します。

(1)資産を没収される

自己破産をすると、基本的に資産を手放す必要があります。
なぜなら、資産を持っているのに借金の返済だけを免除してもらうということは許されないからです。

実際には、破産管財人があなたの財産を管理し、売れるものは売却してお金に換えます。そのお金は債権者へ配当し、それでも残った借金の返済が免除されるのです。

(2)お金を借りられなくなる

自己破産をすると、いわゆるブラックリストに登録されます。
そのため、一定期間は新たにお金を借りたりクレジットカードを作ったりローンを組んだりすることが難しくなります。
その期間はどのくらいかというと、一般的には自己破産をしてから10年間ほどとされています。

(3)なれる職業が制限される

自己破産の申立てをすると就けなくなる職業があります。自己破産の手続きの間(3〜6ヶ月)、その職業から離れなければなりません。

具体的には主に、以下の通りです。

  • 弁護士・司法書士・税理士等の士業
  • 宅地建物取引主任者
  • 生命保険募集人
  • 旅行業務取扱管理者
  • 警備員

などです。

(4)官報に掲載される

自己破産を裁判所に申し立て、破産手続開始決定や免責許可決定が出ると、あなたの住所や氏名が官報に掲載されます。

官報とは、政府が発行している日刊紙です。
つまり、自己破産したことが公開されるため、他人に破産の事実を知られてしまうおそれがあります。

(5)手続きが面倒

自己破産は裁判所によって借金の返済義務を法的に免除してもらう手続きです。
そのため、裁判所に対して自己破産を申し立てる必要があります。

申立て書類の書き方は複雑ですし、また、様々な書類を集める必要もあります。
申し立てた後も裁判所に出頭して、手続きに対応しなければなりません。

自己破産で無事、借金の返済を免除してもらうためには、一般の人にとっては手間のかかる手続きが必要となります。

(6)保証人に迷惑がかかる

保証人が付いている借金がある場合は、自己破産を申し立てることによって保証人が返済の請求を受けることになります。

なお、自己破産手続きにおいては「債権者平等の原則」というものがあるため、保証人が付いている借金を除外して他の借金のみを裁判所に申し立てることはできません。

どうしても保証人に迷惑をかけたくない場合は、自己破産以外の債務整理方法を検討する必要があります。

2、その自己破産のデメリットは本当にデメリットになる?

自己破産をしたときのデメリットをひと通りご紹介しましたが、「このようなデメリットがあるのなら、自己破産はできない」と思われた人もいるかもしれませんね。

しかし、それぞれのデメリットについて詳しくみてみると、本当はさしたるデメリットではないものもたくさんあるはずです。

以下、さらに具体的にみていきましょう。

(1)資産を没収される

資産を没収されるとはいっても、あらゆる資産を手放さなければならないわけではありません。
破産者も生活していく必要があるので、生活に必要な財産までは没収されません。
具体的には、以下の財産は自己破産をしても手元に残すことができます。

  • 99万円以下の現金
  • 時価20万円以下の財産(裁判所によって金額は異なります)

そもそも高額資産を多数保有しているのであれば、自己破産よりも前に打つべき手はあるはずです。
自己破産をする段階では、資産を持っている人は少ないので、多くの人は自己破産をしてもほぼ資産を没収されず、それまでどおりの生活を続けることが可能となっています。

(2)お金を借りられなくなる

自己破産には、借金のリセットという意味以外にも、人生をリセットする意味があります。
借金癖がついてしまったこれまでの人生を改めて、これ以上不要な借金をしなくてもいいように破産をするという人がほとんどでしょう。
したがって、今後の人生において借金をする必要性は高くないはずです。
むしろ、借金癖を強制的に改めるチャンスだと捉えることもできるでしょう。
となれば、お金を借りられなくなることは、デメリットとも言い切れません。

もっとも、自己破産後に事業を起こしたい、住宅ローンを組みたいなど、借金をせざるを得ない予定がある人もいるでしょう。
その場合は、自分以外のパートナーに借金名義人になってもらうなど、目的を達成するための方法はいろいろ考えられるので、工夫することが大切です。

(3)なれる職業が制限される

なれる職業が制限されるのは、自己破産の手続き中だけです。
具体的には破産開始決定が出てから免責許可決定が確定するまでの間だけで、早いケースでは2~3か月で終了します。

免責許可決定が確定すると、それまで制限されていたことがすべて解除されます。
このように制限が解除されることを「復権」といいます。

復権した後は一切の制限がなくなるので、自由にどんな職業にでも就くことができます。
なお、現在資格を使って仕事をしている場合は、自己破産手続き中はその仕事に就けなくなります。
その場合、自己破産手続き中のみはサポート業務に徹するなど、職を失わずに仕事を続ける方法はいろいろありますので、工夫してみましょう。

(4)官報に掲載される

官報を見るのは、金融機関や不動産業者など、特定の業種の特定の部署の担当者に限られます。
一般の人で官報に目を通している人はほとんどいません。
したがって、官報に住所や氏名が掲載されても、周囲の人に自己破産したことを発覚されることはほとんどありません。

(5)手続きが面倒

自己破産手続きは、 弁護士に依頼することで手間を省くことができます。
弁護士費用がかかりますが、これからも借金返済をするのと一時的な弁護士費用を捻出してその後の借金が免責されるのとどちらが良いかは、言うまでもないでしょう。

(6)保証人に迷惑がかかる

高額な債務について保証人になってくれている人は、もともと一蓮托生な関係にある人でしょう。
とはいえ、この点については正真正銘のデメリットと言えます。
自己破産をする場合、保証人には事前の相談が必須です。

保証人において返済可能な程度の借金であれば、保証人に返済してもらい、自己破産手続きが終了してから少しずつ返していくという方法をとることもできます。

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