セックスレスと浮気の関係について夫婦が知っておくべきこと7つ

セックスレスと浮気の関係について夫婦が知っておくべきこと7つ

5、浮気をしていないかどうか診断するためのチェックポイント

夫や妻が浮気をしていないかを診断するためのチェックポイントとして、次の3つの分野に分けてご紹介します。

(1)携帯電話

  • 携帯を手放さない
  • 電話がかかってくるとその場を離れる、折り返すと言って切ることが増えた
  • 料金の請求が増えた
  • 仕事用などとして携帯電話を複数所有するようになった
  • 携帯電話をロック状態にしたり、履歴を削除するなどしている

(2)自動車

  • 助手席の位置が変わっている
  • 車の掃除を頻繁に行うようになり内装を変えた
  • ガソリンの使用量が増えた
  • カーナビの履歴が知らない場所に登録されている

(3)生活全般

  • 帰宅時間が遅くなったり、仕事を理由に休日出勤が増えた
  • 決まった日の帰宅時間がとみに遅いことがある
  • 食事や趣味に変化が生じた
  • お金の使い方が荒くなった
  • 身支度を念入りにするようになった
  • 趣味ではないようなハンカチやネクタイなどの小物が増えた

いかがでしょうか。

もし、セックスレスが原因で浮気が確実、離婚も視野に入れているという場合には、浮気の証拠を集めていくことが重要になります。

浮気を疑うと、メールのやり取りをチェックしたくなるのが心情ですが、勝手に見たとなると余計話がこじれることがあります。

浮気が疑われる場合でも深追いせずに、通話履歴を取り寄せ、特定の番号に頻繁に電話をしていないかを確認するのも有効です。

6、セックスレスで浮気された場合の対処法

(1)離婚したい場合

①浮気の証拠収集をして離婚協議を有利に

セックスレスを理由とした離婚は、当事者の話し合いで離婚する場合(協議離婚)は自由にすることができます。

ただし、離婚がこじれて裁判になる場合(裁判離婚)は、セックスレスというだけで離婚が認められる訳ではありません。

裁判所に、セックスレスを理由に離婚を認めてもらうためには、セックスレスが「婚姻を継続し難い重大な理由」として認められることが必要になります。

またこの場合、セックスを拒んだ相手方に対して、精神的苦痛を理由として慰謝料を請求することも可能です。

他方、セックスレスを理由に、夫や妻が浮気をした場合には、それだけで離婚事由として認められます。

浮気、つまり不貞行為は、法廷離婚原因として法律で認められた離婚の理由だからです。

協議離婚の場合はもちろん、裁判離婚になった場合でも、配偶者が浮気をしたことを立証できれば、離婚が認められることになります。

この場合、浮気をした相手に対して、慰謝料を請求することができます。

慰謝料が認められるためには、浮気の程度をしっかり主張していくことが重要になるので、証拠集めが重要です。

具体的には、以下のような点に注意して証拠を集めましょう。

  • 浮気を証明する客観的証拠(ホテルの領収書、メールのやり取りなど)
  • 浮気の期間(長期間の浮気ほど重く判断されます)
  • 浮気の程度(家庭を顧みないほど浮気相手に入れ込んでいたかどうかなどです)

これらの証拠を集め、浮気によって夫婦関係が破綻していることを十分に主張しましょう。

詳しくは「浮気・不倫の証拠を集める前に知っておくべき6つのこと」をご参照ください。

②離婚時に損しないために離婚に際し決めるべきこと

配偶者が浮気をして、許せないからといって勢いで離婚をすると、後で後悔することになりかねません。

離婚をする際には、次の事項をあらかじめ決めておくか、裁判になった場合に適切に判断してもらえるように資料を準備しておきましょう。

・婚姻費用

夫婦と未成熟な子が生活するための生活費をいい、夫婦の収入の程度に応じて分担する義務を負っています。

・慰謝料

浮気をした相手方に請求できる、精神的苦痛に対する損害賠償です。詳しくは「不倫の慰謝料の相場とその金額を少しでも高めるために必要なこと」をご参照ください。

・財産分与

婚姻中に築いた財産は、片方の名義でも双方の協力で築いたものとして共有財産と扱われるので、貢献度を主張していくことが重要です。詳しくは「財産分与|離婚時にできるだけ高額を獲得するために知っておくべき全てのこと」をご参照ください。

・年金分割

離婚後に、一方の配偶者の年金保険料納付分を分けて、一方の配偶者が受け取るようにできる制度です。詳しくは「離婚時の年金分割をできるだけ多く獲得するための全手順」をご参照ください。

・親権者

夫婦に未成年の子どもがいる場合、親権者を決めることは離婚の条件になります。詳しくは「離婚時に調停で親権を獲得するために知っておくと有利な7つのこと」をご参照ください。

・面会交流の頻度等

未成年の子どもがいる場合、親権者・監護権者でない親がどの程度面会できるかも、あらかじめ決めておきましょう。詳しくは「面会交流調停とは?子どもと離れ離れになった親が知っておきたいこと」をご参照ください。

・養育費

夫婦に未成年の子どもがいる場、子どもの親権・監護権を夫婦のどちらかに決めますが、監護権者となった親はもう一方の親に、子どもを育てるための養育費を請求できます。詳しくは「離婚時の養育費の相場とできるだけ多くの養育費をもらうための方法」をご参照ください。

③離婚協議書を公正証書にして未払いを防ぐ

上記のような条件を決めたら、内容を公正証書にしておくことをお勧めします。

特に、協議離婚をして話し合いで諸条件を決めたとしても、相手方がきちんと履行してくれるとは限りません。

実際に、国の調査では、養育費を定期的に完済しているのは全体の20パーセントに満たないと言われています。

そのような場合に、「強制執行認諾条項」を付けて離婚の諸条件を公正証書にしておくと、支払いが滞った場合に、相手方に強制執行をかけていくことができるのです。

詳しくは「離婚協議書を公正証書にする方法とその書き方」をご参照ください。

④離婚に応じない場合は調停、裁判

当事者の話し合いで離婚に至らない場合は、調停による離婚に移行します。

これは、第三者の調停委員を間に入れて、離婚の合意を図っていく制度です。詳しくは「離婚調停の期間と調停を有利に進めるために知っておくべき9つのこと」をご参照ください。

調停離婚でも合意に至らない場合は、裁判で離婚する裁判離婚をすることになります。

裁判離婚の場合は、セックスレスが理由というだけではなく、セックスレスが婚姻を維持できない重大な理由になっていることをきちんと伝えるなど、客観的な証拠や論理的な主張がより重要になってきます。

裁判離婚は、民事裁判なので、当事者だけでもすることができますが、法廷に呼び出される負担や手続きを考えると、弁護士に代理人になってもらうことをお勧めします。詳しくは「離婚裁判にかかる期間と早期に終了させる方法」をご参照ください。

(2)離婚しない場合

離婚しない場合でも、セックスレスで相手が浮気をした場合には、相手方に対して慰謝料を請求することが可能です。

また、配偶者の浮気相手にも、慰謝料を請求することができます。

今後の夫婦生活をどのように維持していくかによって、取るべき対応は変わってきます。

請求できる慰謝料の額、その際に相手に求める条件など、弁護士などの専門家に相談しながら、書面化していくことが重要です。

不倫相手に請求する慰謝料についても、詳しくは「不倫の慰謝料の相場とその金額を少しでも高めるために必要なこと」をご参照ください。

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