あなたのお米の炊き方、時代遅れかも!新常識をマスターしよう【象印監修】

あなたのお米の炊き方、時代遅れかも!新常識をマスターしよう【象印監修】

おいしいお米の品種や高機能炊飯器が増えている昨今。時代とともに、ごはんの炊き方にもアップデートが必要です。この記事では、象印マホービンの商品企画担当 三嶋一徳さんに、最新の炊き方を教えてもらいました。編集部員が気になるあれこれを取材形式でご紹介します。あなたの常識が覆るかも……?

新常識はコレ!令和の炊飯事情

古くから日本人に親しまれているごはん。お米づくりをしている農家、精米機や炊飯器を販売しているメーカーなど、あらゆる職人の努力によって年々お米のおいしさは向上しています。そんな米業界の発展により、じつは長年伝えられてきた “ごはんの炊き方” にも変化があるそう。

この記事では、大手メーカー 象印マホービン株式会社で、炊飯器の商品企画を担当する三嶋一徳さんに下準備方法から炊き方まで、令和の炊飯事情を教えてもらいました。

象印マホービン株式会社 第一事業部 商品企画担当/三嶋一徳さん電気ポットの開発や炊飯ジャーの開発担当を経て、現在は、炊飯ジャーや自動調理なべなどを開発する第一事業部にて商品企画を担当。業界初の「ローテーションIH構造」を搭載した2018年発売の「炎舞炊き」では、技術開発から販売にいたるまでトータルで関わる

ーー最近の炊飯器って機能性がとにかくすごいですよね。ここまで発展したのにはどんな理由がありますか?

三嶋一徳さん(以下、三嶋) 2006年頃に10万円を超えるような高級炊飯器が普及して話題になり、そこから年々炊飯器のクオリティが上がっています。メーカーの強みを生かしたり、新しい技術に挑戦したりしているので、最近の炊飯器で炊くごはんの味は、土鍋やかまどで炊いたごはんに引けを取らない仕上がりです。

炊飯器の進歩だけでなく、お米も進歩しています。常識的な炊き方は、何十年も前からある生活の知恵なので、変わっていないものもあれば、不要な工程が結構あるかもしれませんね!ちなみに最近の炊飯器は、2万円前後のものでもかなり高性能です。

ーーたしかに、性能が良いうえに低価格なものも増えましたね。せっかくなら炊飯器の機能をしっかり使っておいしいごはんが炊きたいです!

さっそく、下準備から炊き上がりまでで気になることをお聞きしたいと思います。

1. お米はギュッギュとしっかり研ぐべき?正しい下準備方法は?

三嶋 米をギュッギュと研ぐのはNGです!押すようにしっかり研いだり、ザル研ぎをしたりするのはひと昔前の方法。お米の精米技術が十分発達する前は、精米の精度が低くしっかりとぬかを取る必要がありましたが、最近のお米は精米技術が高まっているので、強く研ぐ必要はなく、やさしく研ぐことが大切です。

画像のように、やさしく研ぐのが重要。画像のように指をたててシャカシャカと音がでるくらい、やさしく混ぜましょう。

研ぎ方としては、「すすぎ」と「洗い」に工程が分けられます。ちなみに、ここの工程はおいしく仕上げるためにとっても大切な作業です。

すすぎ〜洗いの工程

すすぎ
1.
たっぷりの水をお米の入った内釜(またはボウル)に入れ、大きく2〜3回かき混ぜる
2. 水を素早く捨てる

洗い
3. すすぎの水を捨てて、お米だけの状態でシャカシャカと30回ほどかき混ぜる
4. 3にたっぷりの水を入れ、2〜3回ほど大きく混ぜたら水をすぐに捨てる
5. 洗いの工程 3〜4を何セットか繰り返す ※

※ 洗いの工程 繰り返し目安:4カップ未満……2セット、4カップ以上〜8カップ未満……3セット、8カップ以上……4セット

仕上げ
6. 仕上げに1〜2でおこなったすすぎを2セット繰り返す

手早く、やさしくが一番のポイント

三嶋 とにかくスピード感が大切です。1〜6の工程を10分以内でおこなうとおいしく炊けますよ。とくに最初に入れる水は吸水されやすく、ぬか臭が戻ってしまうので、手早く混ぜて捨てましょう。

ーー水の温度はどのくらいがベストですか?

三嶋 ベストな温度があるわけではないため、35℃以上のお湯を使用しないようにすれば大丈夫です。高い温度の水で洗うと、本来吸水するべき最適なタイミングの前にお米が水を吸い、お米本来のおいしさを引き出すことができなくなってしまいます。

最近の炊飯器なら内釜で研いでも大丈夫!

ーーザル研ぎがNGということは、ボウルを使うべきですか?

三嶋 ボウルでも良いですが、内釜で混ぜてしまって問題ないです昔は、「内釜で研ぐとコーティングを傷つけて米がくっつきやすくなる」という常識がありましたが、ここ10年くらいで内釜のコーティング技術も進歩しました。やさしく研げば、かき混ぜたくらいでは傷つかないので大丈夫です。(※)

内釜で研ぐことより、フォークや小皿などを内釜に入れてシンクに置いておくほうがNG。小さな傷がつき、これが原因で炊飯器をダメにしてしまっている方がじつは多いんですよ。

(※)メーカーや商品によって異なる場合がございます。お持ちの商品の説明書に従い、使用してください。