じつは美容にいい!?栗には栄養が盛りだくさん!ダイエット中の食べ方も管理栄養士が解説

じつは美容にいい!?栗には栄養が盛りだくさん!ダイエット中の食べ方も管理栄養士が解説

甘栗などの素材なあじわいをはじめ、モンブランなどの洋菓子でも人気の高い秋の味覚「栗」。この記事では栗に多く含まれている栄養について解説します。なんとなく太るイメージもありますが、ダイエット中の食べ方についても管理栄養士目線で解説するので、ぜひ参考にしてください。

栗に含まれる栄養は、美容にいいものばかり!

栗に特に多く含まれている、ビタミンC、葉酸、カリウム、食物繊維は身体の“キレイ”を保つのに必要な栄養素です。
ではそれぞれの栄養素は身体へどう働くのか、栗と似た特徴を持つ秋の味覚「さつまいも」と栄養素の量を比較しながら解説します。

肌をキレイに保つ「ビタミンC」

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ビタミンCには抗酸化作用があり、細胞のダメージから守る役割をしています。
ダメージの原因は「フリーラジカル」と呼ばれる物質。
これは、栄養を補給しエネルギーを作る際に生成されたり、タバコの煙や大気汚染、紫外線によってもフリーラジカルは生成されてしまいます。
このように私たちはさまざまな方向から細胞はダメージを受けているため、ビタミンCの抗酸化作用はとても重要な働きといえます。
その他、ビタミンCは、コラーゲンの生成にも必要とされます。

抗酸化作用やコラーゲンの生成に必要なビタミンCは、キレイな肌を保つために必要な要素。毎日摂取することが大切です。

栗とよく比較されるさつまいもですが、さつまいもはビタミンCが豊富な食材としても有名です。実際に栗はどのくらいのビタミンCがあるのか比較してみていきましょう。

100gあたりのビタミンC量

栗:33mg
さつまいも(皮付き):25mg
出典:日本食品標準成分表2020年版(八訂)

さつまいもと比べると、栗のほうがビタミンC含有量が多く、効率よく摂取することができます。

DNAを作りあげる「葉酸」

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葉酸は細胞を増殖するためのDNA・RNAの合成に関わる栄養素。不足することで胎児の神経管閉鎖障害の発症リスクが高まることがわかっています。
神経閉鎖障害とは、脳や脊髄などのもととなる神経管が、うまく作られないことによっておこる神経障害です。妊婦初期は特に胎児の細胞増殖が盛んで、神経管がつくられる時期のため葉酸が不足しないように妊娠前からの摂取が推奨されています。

では、栗とさつまいもの葉酸の量はどのくらい違うのかみていきましょう。

100gあたりの葉酸量

・栗:74μg
・さつまいも(皮つき):49μg
出典:日本食品標準成分表2020年版(八訂)

さつまいもよりも栗の葉酸量は多く、より効率的に摂れることがわかります。妊娠前や妊娠中の方は、いつものおやつを栗にしてみるのも、ひとつの方法です。

むくみを解消する「カリウム」

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カリウムは身体の水分量を調節する役割があり、不足するとむくみの原因になります。むくみを放置してしまうと、栄養を運ぶ毛細血管やリンパ管が圧迫され、代謝が悪くなり、脂肪燃焼効果が低下しまうという悪循環が起こります。
そのため、カリウムも美容のために積極的に摂取したい栄養素のひとつです。

さつまいももカリウムが豊富なことで知られていますが、実際に栗と比較してみていきましょう。

100gあたりのカリウム量

栗:420mg
さつまいも(皮つき):380mg
出典:日本食品標準成分表2020年版(八訂

さつまいもに比べて栗のほうがカリウムが多く含まれています。しかし、1日の摂取量として十分な量というほどでもありません。栗やさつまいものほかに、わかめなどの海藻類も一緒に摂るように心がけましょう。

便通を改善する「食物繊維」

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食物繊維は水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の2種類があります。栗には特に不溶性食物繊維が多く、便のカサを増やすことにより腸を刺激し、排便を促す働きをしています。さらに、善玉菌のエサとなり腸内環境を整える働きもあり、腸の健康を保つために重要な栄養素です。

今回比較しているさつまいもも栗と同様、不溶食物繊維が多いことで知られています。実際に栗とさつまいもの食物繊維の量がどのくらいあるのか比較してみましょう。

100gあたりの食物繊維量

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出典:日本食品標準成分表2020年版(八訂)

食物繊維が豊富なさつまいもよりも栗のほうが約2倍ほど多く、効率的に食物繊維を摂ることが可能です。栗やさつまいものほかに、レタスやキャベツ、ごぼうなどの食物繊維が豊富な食材を偏らずに摂るように心がけましょう。

栗には体に良い様々な栄養が豊富に含まれており、積極的に取り入れたい食材であることが分かりました。
一方で、栗はさつまいもと同じように、「糖質」があるイメージをもっている方も多いのではないでしょうか。ダイエット中の方は特に糖質量は気になる部分ですよね。
果たして栗はダイエット食材として向いているのか、解説します。

栗はダイエット中に食べてもいい?

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まずは、栗の糖質量をご飯とさつまいもと比較してみていきましょう。

100gあたりの糖質量
栗:32.7g
さつまいも(皮付き):30.3g
ご飯:35.6g(※糖質=炭水化物ー食物繊維)

出典:日本食品標準成分表2020年版(八訂)

表からさつまいも、栗、ご飯の順で糖質量が少ない結果でした。

食事によるダイエット中の注意点は、糖質を完全に避けることで栄養が偏るリスクが生じる場合があるということ。

ご飯やパン、麺類のほかにいも類や栗などの糖質が多いイメージ食材全てを避けてしまうことはで、身体に重要な栄養素である「食物繊維」の摂取量も減ってしまいます。

そのため、糖質量と食物繊維の摂取量を落とさないということも視野に入れると、食物繊維が多く摂れる「栗」は糖質が多い食材の中でもダイエット向きの食材だといえます。

栗が旬の時期は、栗ご飯にして召し上がることも多いと思います。白ご飯と栗ご飯では、糖質量に大きな変化はありません。ですが、栗のビタミンやミネラル、食物繊維が加わるため白ご飯の代わりにすれば、いつも摂れない栄養素が増えるという点は栗ご飯の魅力のひとつとなります。

ただし、栗の糖質量は決して少ないわけではないので、ダイエット中の場合は多くても栗5個(100g)程度の量にとどめておきましょう。

さて、栗もゆで栗、甘栗、甘露煮といろいろな食べ方ができますが、一体どの食べ方が一番ダイエット向きかつ栄養が摂れるのでしょうか。

おすすめは「ゆで栗」

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ダイエット中の方も美容を気にしている方も、栗を食べるなら「ゆで栗」がおすすめです。

100gあたりの栄養素

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出典:日本食品標準成分表2020年版(八訂)

おすすめの理由は、3つの中で圧倒的に糖質量が低く、ビタミンやミネラルなどの栄養素が多いからです。

甘露煮の栄養素が他2つと大きく異なる理由は、砂糖で甘く煮詰めてつくるため糖質量が増えてしまうこと、そして調理工程でカリウム、葉酸、ビタミンCが煮汁に流れ出てしまうからです。
栗は栗でも食べ方次第で、全く栄養量が変化するので注意しましょう。

食べるタイミングもダイエットを成功させる秘訣ですが、栗を食べるのであればおやつの代わりにすることをおすすめします。

栗は腹モチがよくおやつにぴったり!

おやつの目安カロリーは200kcal以内に収めると良いとされており、ゆで栗は5つ(100g)で152kcal。低カロリーな上、食物繊維も豊富なので腹モチも抜群。夜にたくさん食べたくなってしまう方は食べ過ぎを防いでくれます。

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