低温調理の温度と時間はどう決める?食中毒リスクを最小限にするためのテクニックを管理栄養士が解説!

低温調理の温度と時間はどう決める?食中毒リスクを最小限にするためのテクニックを管理栄養士が解説!

食中毒リスクを減らすには?

低温調理をするときは、普段の調理よりも徹底した食中毒対策が欠かせません。ここでは、5つの対策ポイントをご紹介します。

低温調理器を使用する

低温調理を行う際は、できるだけ専用の低温調理器を使うようにしましょう。
代表的なものでいうとBONIQ・ANOVA・貝印・アイリスオーヤマなどから販売されています。

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BONIQ

1万円弱~2万円ほどの価格帯のものがほとんどなので「ちょっとお高めだな……」と感じる方もいるかもしれません。しかし、食中毒のリスクを考えるとコストパフォーマンスは悪くないでしょう。

さらに食中毒対策として中心温度計で食材の中心温度を測り、目指している温度を必要な時間キープできているか、チェックするようにしましょう。

ヨーグルトメーカーや炊飯器で調理する方法もありますが、どちらの器具もお湯を撹拌する機能がついていません。そのため火の通りにムラができてしまい、低温調理器と同じ時間加熱したとしても食中毒菌が死滅しない可能性があります。

また、通常のヨーグルトメーカー・炊飯器であれば本来の用途と異なるため、故障や事故の原因になりかねません。「低温調理ができる」と謳っているものもありますが、機種によってはパワー不足で十分に火が通っているか不安になるものも。
手間や安全性を考えると、低温調理器としての使用は控えた方がよいでしょう。

低温調理した料理をすぐ食べない場合は、氷水で冷却する

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20℃~50℃は食中毒の原因菌が増えやすい温度帯。厳しく温度管理をしながら低温調理をしたとしても、調理後の温度管理を怠ると食中毒を起こす可能性があります。

調理後すぐに食べられる場合は、できるだけ早め(約90分以内)に食べるようにしましょう。すぐに食べられない場合は袋が全体的に氷水に浸かるようにして熱を冷ましてから、冷蔵庫で保存してください。目安としては、30分以内に中心温度を20℃付近(又は60分以内に中心温度を10℃付近)までに下げることが望ましいです。

※参照:厚生労働省「大量調理施設衛生管理マニュアル」

真空状態で低温調理する

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湯煎にかける食材は、かならず真空状態にします。食材を入れて封をするときに空気が入ってしまうと、熱がうまく伝わらず加熱ムラができたり、中心まで火が入らなかったりすることがあります。
真空パックする機器がない場合は耐熱性のポリ袋に肉とオイルを入れ、水に沈めながらしっかりと空気を抜くようにしましょう。

子ども・高齢者・妊婦・体調が悪い人は食べない

低温調理で作った料理は、その調理性質上、食中毒の原因を完璧に除去できていない可能性がどうしても残ってしまいます。

食中毒に対する抵抗力の弱い子どもや高齢者、妊婦は食べないようにしましょう。また体調が悪いときも抵抗力が落ちていることが多いため、避けた方がよいでしょう。

衛生面にも配慮しよう

上記に挙げた以外にも食中毒を防ぐテクニックがあります。

・清潔な手や器具で作業する(できればビニール手袋などを使用するとよい)
・生肉・生魚を素手で触ったら、その都度かならず洗う
・新鮮な食材を使う

清潔な環境で作業をすることで、食中毒の拡散を抑えたり、発症リスクを減らしたりすることにつながります。
低温調理をする際には、こちらもあわせて取り組んでくださいね。

食中毒リスクがつきまとう低温調理は、正しい情報を知ることが大切

低温調理は自分の勘や感覚をあてに「なんとなく」な方法で行うと、食中毒が起こりやすくなるという怖い一面を持っています。みなさんは普段の低温調理のやり方を振り返ってみて、いかがでしたでしょうか?

低温調理は正しく慎重に食中毒対策を行えば、家でもプロ並みの料理の仕上がりを期待できる画期的な調理法です。食中毒のリスクときちんと向き合い、正しい知識を備えておきましょう。

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トクバイニュースは「くらしを少しでもラクに、ちょっぴり幸せな日常を」をテーマにしたライフスタイルメディアです。日々の買い物が楽しくなるような話題の商品情報や、料理・掃除・洗濯など家事のコツをわかりやすくお届けします。
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