入通院慰謝料とは?慰謝料増額のために知りたい5つのこと

入通院慰謝料とは?慰謝料増額のために知りたい5つのこと

3 、3つの基準の計算方法

それでは、上記に紹介した3つの基準の計算方法について解説していきます。

(1)自賠責基準

自賠責基準での入通院慰謝料は、日額4、200円で計算され、

『全治療期間の日数』または『通院日数×2』

の少ない方が適用されます。

例えば、全治療期間が300日で、その間に100回の通院をしたとします。

すると全治療期間の300日よりも、『100通院日数)×2』の200日の方が少ないため、後者によって計算されることになります。

なので、この場合には、

『4、200×100×2=840、000』

となり、84万円の慰謝料が支払われるということです。

ただし、自賠責基準には上限が120万円と定められています。実際には、この120万円の中から治療費、交通費、診断書料や休業中の収入減少分までをも賄うことになります。

そのため、120万円の枠を超えてしまうと超過分は自賠責からは支払われません。

(2)任意保険基準

任意保険基準での慰謝料算定方法は、保険会社ごとにばらつきがあり、しかも基本的には非公開とされています。

もっとも、多くの保険会社が「旧任意保険支払基準」を参考にしていますので、おおよその目安はわかります。

詳しくは以下の表をご参照ください。

入院 1ヶ月 2ヶ月 3ヶ月 4ヶ月 5ヶ月 6ヶ月 7ヶ月 8ヶ月 9ヶ月 10ヶ月
通院 25.2 50.4 75.6 95.8 113.4 113.4 128.6 141.2 152.4 162.6
1ヶ月 12.6 37.8 63.0 85.6 104.7 120.9 134.9 147.4 157.6 167.6 173.9
2ヶ月 25.2 50.4 73.0 94.6 112.2 127.2 141.2 152.5 162.6 171.4 176.4
3ヶ月 37.8 60.4 82.0 102.0 118.5 133.5 146.3 157.6 166.4 173.9 178.9
4ヶ月 47.8 69.4 89.4 108.4 124.8 138.6 151.3 161.3 168.9 176.4 181.4
5ヶ月 56.8 76.8 95.8 114.6 129.9 143.6 155.1 163.8 171.4 178.9 183.9
6ヶ月 64.2 83.2 102.0 119.8 134.9 147.4 157.6 166.3 173.9 181.4 185.4
7ヶ月 70.6 89.4 107.2 124.3 136.7 149.9 160.1 168.8 176.4 183.9 188.9
8ヶ月 76.8 94.6 112.2 128.6 141.2 152.4 162.6 171.3 178.9 186.4 191.4
9ヶ月 82.0 99.6 116.0 131.1 143.7 154.9 165.1 173.8 181.4 188.9 193.9
10ヶ月 87.0 103.4 118.5 133.6 146.2 157.4 167.6 176.3 183.9 191.4 196.4

<単位:万円>

(3)弁護士基準

弁護士基準での慰謝料は、具体的には「民事交通事故訴訟損害賠償額算定基準」(日弁連交通事故センター東京支部、通称「赤本」の基準)等を参考に算出されます。

以下に、赤本で示された慰謝料算定基準の一部をご紹介します。

  • 通常の場合

 

入院

1ヶ月

2ヶ月

3ヶ月

4ヶ月

5ヶ月

6ヶ月

7ヶ月

8ヶ月

9ヶ月

10ヶ月

通院

 

53

101

145

184

217

244

266

284

297

306

1ヶ月

28

77

122

162

199

228

252

274

291

303

311

2ヶ月

52

98

139

177

210

236

260

281

297

308

315

3ヶ月

73

115

154

188

218

244

267

287

302

312

319

4ヶ月

90

130

165

196

226

251

273

292

306

326

323

5ヶ月

105

141

173

204

233

257

278

296

310

320

325

6ヶ月

116

149

181

211

239

262

282

300

314

322

327

7ヶ月

124

157

188

217

244

266

286

301

316

324

329

8ヶ月

132

164

194

222

248

270

290

306

318

326

331

9ヶ月

139

170

199

226

252

274

393

308

320

328

333

10ヶ月

145

175

203

230

256

276

294

310

322

330

335

<単位:万円>

  • 他覚的所見がないむちうち症の場合

 

入院

1ヶ月

2ヶ月

3ヶ月

4ヶ月

5ヶ月

6ヶ月

7ヶ月

8ヶ月

9ヶ月

10ヶ月

通院

 

35

66

92

116

135

152

165

176

186

195

1ヶ月

19

52

83

106

128

145

160

171

182

190

199

2ヶ月

36

69

97

118

138

153

166

177

186

194

201

3ヶ月

53

83

109

128

146

159

172

181

190

196

202

4ヶ月

76

95

119

136

152

165

176

185

192

197

203

5ヶ月

79

105

127

142

158

169

180

187

193

198

204

6ヶ月

89

113

133

148

162

173

182

188

194

199

205

7ヶ月

97

119

139

152

166

175

183

189

195

200

206

8ヶ月

103

125

143

156

168

176

184

190

196

201

207

9ヶ月

109

129

147

158

169

177

185

191

197

202

208

10ヶ月

113

133

149

159

170

178

186

192

198

203

209

<単位:万円>

これらが、弁護士基準での慰謝料の計算方法です。

3つの基準の中でもっとも高い額を請求できるのが、この弁護士基準です。

しかし、単純に『弁護士基準にしてください』と言ったところで、簡単に応じてくれるわけではありません。

弁護士に依頼して手続きを進めていく必要があるため、弁護士基準での慰謝料を請求したい場合には、弁護士に相談をするようにしましょう。

(4)近年話題のADR基準とは?

ADRとは、『裁判外紛争解決手続』のことを指します。

上記の3つの基準で慰謝額を算定するのではなく、当事者以外の第三者機関によって仲裁をしてもらい、この問題を解決しようというものです。

ADRを利用することで、短期間で慰謝料額が決定することが多いようです。

その額は、一般的には弁護士基準の8割程度といわれており、ケースによっては弁護士基準と同額の慰謝料が支払われることもあるようです。

場合によってはメリットの大きい選択肢となる可能性もあるため、ADRを利用するのも有効かもしれません。

ADR機関の代表的なものは、『公益財団法人交通事故紛争処理センター』や『公益財団法人日弁連交通事故相談センター』などが挙げられます。

また、損害保険会社の中にはADR機関と協定を結んでいるところがあるため、聞いてみるのもよいでしょう。

4、入通院する日数や期間によっても慰謝料の額が変わる?

それぞれの基準による計算方法の見出しでもご紹介したように、入通院日数・期間が増えれば増えるほど、請求できる慰謝料も比例して増額していきます。

そのため、なるべく多くの日数・期間通院することが大切だといえるでしょう。

しかし、ただ単に通院すればよいのかというともちろんそうではなく、症状固定(医師により、これ以上症状が改善しないと判断されること)がされた後は、通院による慰謝料は発生しませんので注意しましょう。

また、通院している最中に、保険会社から治療費の打ち切りの申し出がされることがあります。

その際、まだ通院する必要があるにもかかわらず、保険会社に言われたからと、安易にそれに応じないようにしましょう。

症状固定がされたかを判断するのは、保険会社ではなく医師の仕事です。

支払う慰謝料を少なくするために、保険会社はそういったことを持ちかけてくることがありますので、ここは必ず知っておくようにしてください。

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