交通事故の慰謝料の自賠責基準に関する7つのポイント

交通事故の慰謝料の自賠責基準に関する7つのポイント

交通事故の慰謝料には自賠責基準というものがあります。

「4200円×通院日数×2」が交通事故でケガをした時の慰謝料であるという話を聞いたことはありませんか?

これは、自賠責保険の慰謝料の計算式です。しかし、必ずしもこの計算で算出した慰謝料が支払われるわけではありません。

今回は、慰謝料に関する「自賠責保険基準」を中心にご説明します。

交通事故に遭った際の慰謝料獲得方法については以下の関連記事もご覧ください。

1、交通事故の慰謝料の自賠責基準とは|交通事故の慰謝料は2種類ある

まずはじめに、「慰謝料」とは何でしょうか。「慰謝料」とは、被害者が負った精神的苦痛に対する金銭的な補償のことです。そして、この「慰謝料」には、2つの種類があります。

一つは「傷害慰謝料」と呼ばれるものです(「入通院慰謝料」とも言われます。)。

被害者は、ケガによって痛い思いをし、また、ケガの治療のため手術や入院・通院・リハビリを余儀なくされます。これらは精神的な苦痛を伴うと考えられることから、その精神的苦痛を金銭によって評価し、加害者に賠償させる。これが「傷害慰謝料」です。

もう一つは、「後遺障害慰謝料」と呼ばれるものです。

被害者のケガが治療によっても完治せず、後遺症が残ったという場合、後遺症が残ったことに対する精神的苦痛を、後遺症の程度によって金銭的に評価し、加害者に賠償させる。これが「後遺障害慰謝料」です。

2、交通事故の慰謝料の金額の基準には3種類ある。

政府の公表する人身事故の発生件数は、平成27年は53万6789件、負傷者数は66万5126人に上ります。このような膨大な数の負傷者の慰謝料を個別に算定するのは大変な労力がかかります。

そこで、慰謝料の算定をしなければならない立場の人たちは、定型的に慰謝料の算出ができるように、それぞれ独自の基準を設けています。この、慰謝料の算定をしなければならない立場の人たちの代表例が、自賠責保険会社、任意保険会社、裁判所です。

(1)自賠責基準

自賠責保険を取り扱っているのは、損害保険各社です。しかし、自賠責保険は国が法律によって設けた交通事故被害者の最低限の補償のための保険ですから、取り扱っている保険会社によって慰謝料の金額が異なることはなく、国が定めた支払基準に基づいて一律に支払金額が決まる仕組みになっています。この支払基準は「自賠責基準」と呼ばれています。

(2)任意保険基準

任意保険は、自賠責保険によって賄いきれない損害をカバーするものです。任意保険会社は、各社がそれぞれ自社の基準を設定しています。これが「任意保険基準」と呼ばれるものです。その基準は公表されていませんが、自賠責基準と次の裁判所基準の中間くらいの金額に設定されていることが多いでしょう。あくまで保険会社の社内基準ですので、会社によって金額は異なりますし、「任意保険基準」という決まった基準があるわけではありません。

(3)裁判所基準

裁判所が、慰謝料等の金額を決める際は、過去の裁判例をベースにします。そして、過去の裁判例の集積から一定の基準を導き出したものが「裁判所基準」と言われるものです。裁判所が判決をするときは、その基準をベースに慰謝料の金額を決めることになります。

「裁判所基準」は、一般に、「自賠責基準」や「任意保険基準」よりも高い金額で算出されます。我々弁護士は、被害者を代理して保険会社に請求する慰謝料の金額を決めるとき、この「裁判所基準」を用います。

なお、裁判所は、全国一律の基準が用いられているのではなく、地域ごとに特色があり、裁判所によって用いる基準が異なっています。したがって、どの裁判所で裁判をするかで慰謝料の金額に差が出ることがあります。

関連記事:

ピックアップ

任意整理後も自己破産はできる?できないケースや注意点も解説
長時間労働の5つの相談窓口~弁護士に依頼すべきメリットを解説
【弁護士が監修!】年間休日数について知りたい8つのこと
労基法で会社が従業員に与えなければならない休憩時間は何分?