離婚で年金分割しないとどうなるの?!弁護士が解説

離婚で年金分割しないとどうなるの?!弁護士が解説

5、離婚時に年金分割を受けるための手順について

3号分割の年金分割を受けるための手続きを解説します。手続きの前に、年金分割情報通知書を入手して年金分割が可能なのか確認しましょう。年金分割対象外の場合もありますので、確認することを忘れないようにしてください。

(1)標準報酬額改定請求書を入手

標準報酬額改定請求書は年金事務所か年金機構のホームページより入手することができます。標準報酬額改定請求書が離婚時の年金分割の請求書であり、請求者、配偶者であった方、婚姻期間などの必要事項を記入します。3号分割の分割割合は0.5と決まっていますので、対象期間に含めない期間の他、按分割合の欄の記入も不要です。

(2)必要書類の準備

①年金番号がわかる資料

請求する人の年金番号がわかる資料が必要です。年金手帳か基礎年金番号通知書のどちらか一方があれば問題ありません。

②戸籍謄本

請求日前1ヵ月以内に作成されたそれぞれの戸籍謄本、戸籍の全部事項証明書またはそれぞれの戸籍の個人事項証明書のいずれか

③印鑑・身分証明書

印鑑と身分証明書を忘れずに持って行きましょう。

(3)年金事務所に提出

標準報酬額改定請求書と必要書類を年金事務所に提出することで、年金分割を行うことができます。標準報酬額改定請求書の提出後、しばらくすると標準報酬改定通知書が年金事務所から届きます。この通知が年金分割完了の合図です。

6、年金分割時によくある質問事項

年金分割時によくある質問事項をまとめましたので、参考にして下さい。

(1)相手が年金分割に合意してくれない場合はどうすればいいですか

話し合いで年金分割に合意してくれない場合は、家庭裁判所に申し立てて分割の割合を決めてもらうことになります。合意分割では按分割合は任意のため、割合について相手方が拒否することもあります。年金分割を拒否することは原則できませんが、話の進め方では有利な割合で決着を付けることができます。

(2)共働きの場合にはどうすればいいですか

共働きの場合でも、年金分割は可能です。共働きの場合は、夫の年金を分割するのではなく、夫妻の二人の納付分厚生年金を按分割合することになります。中には結婚を機に専業主婦になった方もいるかと思いますが、専業主婦であった期間についてのみ3号分割を請求することができます。

(3)一方が死亡した場合にも年金を受け取れますか

元夫が死亡しても年金は問題なく受け取ることができます。これは元夫が再婚した場合も同様です。年金分割をしていれば、元夫の死亡により年金額が変わることはありません。ただ、元夫が受け取るはずだった年金は、死亡時の遺族が遺族年金として受け取ることになります。

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