“第5のがん治療” 光免疫療法に世界が注目

“第5のがん治療” 光免疫療法に世界が注目

光の作用でがん細胞だけを壊す“第5のがん治療”、光免疫療法が今年1月から日本国内で始まり、世界から注目を集めています。この治療法について明星医師に伺います。

明星 智洋 医師

監修医師:
明星 智洋(医師)

熊本大学医学部卒業。岡山大学病院にて研修後、呉共済病院や虎の門病院、がん研有明病院などで経験を積む。
現在は江戸川病院腫瘍血液内科部長・東京がん免疫治療センター長・プレシジョンメディスンセンター長を兼任。血液疾患全般、がんの化学療法全般の最前線で先進的治療を行っている。朝日放送「たけしの健康エンターテインメント!みんなの家庭の医学」などテレビ出演や医学監修多数。日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医・指導医、日本血液学会血液専門医・指導医、日本化学療法学会抗菌化学療法認定医・指導医、日本内科学会認定内科医、日本がん治療認定医機構がん治療認定医。

光免疫療法とは?

“第5のがん治療”、光免疫療法とはどのような治療なのでしょうか?

明星先生

光免疫療法とは、光に反応する薬を点滴で投与し、薬ががん細胞に十分集まったところにレーザーをあてて薬を反応させることで、がん細胞の膜を傷つけて破裂して死滅させる、新しい治療法です。

日本では、「切除不能な局所進行又は局所再発の頭頸部がん」に対する治療として2020年9月に承認され、現在は保険診療として治療を受けることができます。光免疫療法用の薬自体は細胞にダメージを与えませんし、使用するレーザーも人体に害は及ぼさないので患者にやさしいがん治療法ともいえます。

また、がん細胞が壊れたときに放出されたがん抗原が免疫細胞に取り込まれて免疫が強化され、患者自身の免疫システムでがん細胞を攻撃することもできると期待されています。

効果が期待されるがんの種類は?

どのような種類のがんに対して効果が期待できるのでしょうか?

明星先生

現在は、切除不能な局所進行または局所再発の頭頚部がんに対してのみ適応となっています。しかし、対象となるがんでも主治医が化学療法や放射線治療が適していると判断する場合には、そちらの治療を優先して行うこともあります。

将来的には、皮膚がんや食道がん、胃がんなどに対しても適応拡大を目指して、治験が行われています。

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