ひき逃げ事故の被害に遭ってしまったら?慰謝料・補償等の6つの知識

ひき逃げ事故の被害に遭ってしまったら?慰謝料・補償等の6つの知識

 3、ひき逃げの場合に受け取れる慰謝料はいくら?

交通事故被害者は、交通事故によって負傷し、治療を継続すると、それによって負った精神的な苦痛を慰謝料として加害者に対して請求可能です。この精神的な苦痛は、厳密には被害者ひとりひとり異なってしかるべきですが、被害者間の公平という観点から一定の基準が設けられています。もっとも、基準自体は3つあり、それぞれの基準で獲得できる慰謝料の金額は違うのですが、詳しくは他の記事に譲ります。

では、ひき逃げの被害者となった場合でも、そうでない被害者と同じような慰謝料しか請求できないのでしょうか。

この点、ひき逃げをする加害者には、それなりのひき逃げをする理由(飲酒運転・無免許運転等)があることが多く、ひき逃げという事情だけでどれだけの慰謝料が増額されるかを考えるのは難しいですが、裁判例の中にはひき逃げという加害行為の悪質性を捉えて、被害者の精神的苦痛が増大したとして慰謝料額を裁判所基準の1.5倍程度増額して認めたものあります。

 4、ひき逃げの慰謝料等の損害賠償は加害者にするのが原則

上記でも述べましたが、被害者は、当該事故で負った損害を原則的には加害者又は加害者の加入する保険会社に対して請求します。

しかし、ひき逃げの場合には、警察に届け出たとしても、最終的に加害者や加害者の加入する保険会社が判明しない場合もあります。また、ひき逃げをする加害者にはそれなりの理由があるというのも先に述べたとおりで、このような場合には仮に加害者が判明したとしても、その加害者が任意保険に一切入っていないケースもあり得ます。

そうすると、やっとのことで加害者が判明しても、加害者本人には被害者に生じた損害を賠償するに足りるだけの資力(財産)がなく、結果として被害者は満足な被害回復をはかれないことがあるのです。

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