飲み薬には「錠剤」や「カプセル剤」などがあるけど、どんな違いがあるの?

飲み薬には「錠剤」や「カプセル剤」などがあるけど、どんな違いがあるの?

薬には錠剤、カプセル剤、粉薬、液剤というように、様々な形状のものがあります。形状によって効果に違いはあるのでしょうか。また、形状別に服薬時に気をつけることはあるのでしょうか。今回は薬の形状の違いについて「薬剤師」の中山さんに詳しく伺いました。

中山 歩実

監修:
中山 歩実(薬剤師)

星薬科大学卒業後、大学病院や市立病院で研鑽を積んだのち、現在は神経疾患やリハビリ等をメインとする病院で薬剤師として勤務。「一人ひとりの人生に寄り添った薬物療法を提供すること」を目標に、薬剤師やライターとして活動中。日病薬病院薬学認定薬剤師、麻薬教育認定薬剤師。

飲みやすい形状を選択できる

① 飲みやすい形状を選択できる

編集部

薬の形状で何が違うのでしょうか?

中山さん

基本的にはどの形状の薬も効果は同じですが、個々人の飲みやすさに対応するためにいろいろな形状が用意されています。一つのタイプの形状しかないという薬も中にはありますが、多くの薬は形状を選ぶことができます。ただし入院中は、その病院に用意されている形状しか選ぶことができない可能性はあります。

編集部

形状によって、効果が出る早さに差はあるのでしょうか?

中山さん

錠剤、カプセル剤のどちらにも、早く効果が出るように工夫されたものや、逆にゆっくりと吸収され効果が長く続くように工夫されたものがあります。また、早く吸収され、かつ長く効果が続くようになっているものもあります。錠剤だから、またカプセル剤だから吸収される早さや効果に差があるということはありません。粉薬は体内で溶ける早さは他の形状の薬と比べると少し早いですが、体内で吸収され効果を発揮するまでの時間は錠剤やカプセル剤とさほど変わりはありません。

編集部

錠剤を割ったり、カプセル剤を開けたりして飲んでも大丈夫でしょうか?

中山さん

効果が出る早さや持続時間の調節のために、錠剤やカプセル剤には工夫がされています。そのほかにも胃を傷つけないように、薬が溶けない状態で腸まで届くように工夫されているものなどもあります。これらの工夫は、効果が安全にしっかりと発揮されるためにとても重要なものなのです。錠剤を割ったり、カプセル剤を開けたりしてしまうと、この工夫が阻害されてしまい、さらには副作用が強く出るなどの危険も伴いますので自己判断では行わないようにしましょう。

服薬時の注意点

服薬時の注意点

編集部

薬を飲む時の注意点はありますか?

中山さん

カプセル剤のカプセル部分はゼラチンでできており、喉や食道にくっつきやすい傾向にあります。水分が足りないと喉につかえてしまうので、たっぷりの水で飲んでください。内服前に少し水を飲んで、口の中を湿らせておくのもいいですね。粉薬は、むせて誤嚥の原因になりやすいので注意が必要です。むせやすい人や、飲み込む力が弱くなっていると医師に言われている人は、オブラートや服薬ゼリーを使うのがおすすめです。また、薬の形状に関わらず、長く口の中に含んでいると表面のコーティングが溶けて苦味の出る薬があります。薬を飲む前に水を用意して、なるべく早く飲み込むようにしてください。

編集部

水なしで飲める薬は効果に差があるのでしょうか?

中山さん

水なしで飲める薬は「口腔内崩壊錠/OD錠」とも呼ばれ、名前の通り、唾液程度の少量の水分に触れるとサッと口の中で溶けてしまう薬のことです。サッと口の中でなくなってしまう特徴から、「早く効く」と思われている方も多いですが、実は効果の出るまでの時間は通常の薬と変わりありません。飲み込む力が弱くなってきている人や、水分量に制限がある人に向いている形状の一つです。便利な一方で、少し舌にざらつきが残るように感じたり、独特の味が苦手と感じたりする人もいるかもしれません。また、水なしで飲んでも、水で飲んでも、効果に差はありません。もちろん、水で飲まなくてはいけない薬と一緒に飲む場合には、しっかり水で飲みましょう。

編集部

形状の変更をお願いすることはできるのでしょうか?

中山さん

調剤薬局で受付をする時に伝えていただければ可能です。形状変更が可能な薬かを確認し、変更できない場合は上手に服薬する方法のアドバイスなども受けられます。味が苦手、大きすぎて飲めないなどの理由をお伝えいただけるとスムーズな対応が可能です。

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