ケロイドになりやすいのですが、体質を治すことはできますか?

ケロイドになりやすいのですが、体質を治すことはできますか?

みみず腫れのような膨らみと赤みを傷跡に残す「ケロイド」。取り去るにしても、手術による傷が再びケロイド化してしまっては、なんの解決にもなりません。では、体質を改善していくのでしょうか、それとも、“溶かすような治療方法”があるのでしょうか。「きずときずあとのクリニック」の村松先生が疑問に答えます。

監修医師:
村松 英之(きずときずあとのクリニック 院長)

昭和大学医学部卒業。昭和大学形成外科入局後、国内外で形成外科診療の実績を積む。2017年、東京都江東区に「きずときずあとのクリニック」開院。形成外科という標榜科の周知とチーム医療に取り組んでいる。日本形成外科学会専門医、日本熱傷学会専門医、日本創傷外科学会専門医。日本形成外科学会皮膚腫瘍外科分野指導医、日本形成外科学会小児形成外科分野指導医。

ケロイドを出にくくする方法はある

ケロイドを出にくくする方法はある

編集部

ケガをすると、みみず腫れのような跡が残ってしまいます……。

村松先生

もしかすると、ケロイドという疾患かもしれませんね。やけどの跡や傷跡を治そうとして、必要以上に“セメント”が出されてしまうのです。日本人の約1割が、いわゆる「ケロイド体質」とされていますので、そこまで珍しいことではありません。

編集部

このような体質は、改善できるのでしょうか?

村松先生

結論から言うと、改善することはできません。受けた傷は、「繊維芽細胞(せんいがさいぼう)」という組織がコラーゲンを固めることで治そうとします。いわば、セメントで傷跡を覆おうとするわけです。ところが体質により、傷が治っても「コラーゲンをつくり続けてしまう体質」の人がいらっしゃるのです。

編集部

コラーゲンによるセメントが、ケロイドの正体ということですか?

村松先生

はい。そこで、テープなどで患部を圧迫してセメントを抑える方法が効果的です。また、テープで傷跡を固定すると、皮膚の伸び縮みも抑えられますよね。傷跡に緊張や刺激を与えにくくすることも大切です。

編集部

自分が「隠れケロイド体質」ということもあるのですよね?

村松先生

なにかしらの外傷治療をおこなって、そこで初めてケロイドが出る可能性ということですよね。ケロイドの起きやすさは部位によってかなり異なり、一般的には胸・肩・二の腕・関節部、下腹部が顕著です。本当に初めてだとしたら、事後処置にならざるを得ないかもしれません。ただし、日本はケロイド治療の先進国ですので、なってからでも十分に対応できます。

ケロイドになってしまってからの治療方法

ケロイドになってしまってからの治療方法

編集部

ケロイドの改善方法について、さらに教えてください。

村松先生

前述の「ケロイドテープ」と言われているものには、抗炎症効果のあるステロイドを含んだテープや、圧迫を目的としたテープ、傷跡が伸びる力を吸収するテープなど様々あります。

編集部

放射線による治療も聞いたことがあります。

村松先生

多くの場合、放射線治療はケロイドの手術とセットでおこないます。手術とはいえ傷をつけるわけですから、再びケロイドの原因になり得ますよね。そこで、「フリダシへ戻る」ことがないよう、放射線を皮膚表面だけに照射します。この手の研究では、日本が群を抜いていますので、安心して受診してください。

編集部

なるほど、治療方法を組み合わせる進め方もあると?

村松先生

そういうことです。一般にケロイドの治療方法には、「内服薬」、「テープや塗り薬などの外用薬」、「ボトックス注射」、「圧迫」、「レーザー」、「手術」、「放射線」の各種や、その組み合わせで対応しています。保険に限らず自費も含まれるので、医師と相談しながら決めていきましょう。

編集部

治療の効果は、すぐにあらわれるのでしょうか?

村松先生

ケロイドは放置していると拡大しますし、かゆみや痛みを伴うようになってきます。増悪度が上昇している治療の初期段階では、まず、この上昇カーブをなだらかにしていきます。なお、この段階だと、ケロイドそのものの改善はあまりみられません。見た目で治ってくるのは、下降カーブになってからですね。時間を要する治療ですが、なるべく短期で済ませられるように色々な手段を試していきましょう。

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